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無性に悲しく、冷たかったよ
「行ってきます。」
こだまする自分の声が虚しくて、
いつもよりも早く家を出た。
駅のホーム、
何の感情もない目をして、
ジリジリうるさい音を聞いていた。
ああ、ここを飛び越えれば…
君のところへ行けるのかな。
まあ、君はそんな僕を
喜んで歓迎するやつじゃないけど。
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会社での時間は早いもので、
君の事を考えなくてもいい。
腕時計の針は12時を差している。
そろそろお昼なのか。
鞄を開けて見えたものが、
君の弁当じゃない。
それが無性に悲しくなったよ。
絆創膏が増えていく手で、
不器用な君が作る
あの甘い味が今さら恋しくて、
どうしようもない。
昼は嫌いだ。
あの優しい手を思い出すから。




