2
次の日、学校に海山は来ていなかった。
やはり体調が悪いのだろうか?少し心配ではあったが、俺はいつもの通り窓から外を見つめて一日を過ごし、いつものように学校を後にした。
学校を出て駅に向かう。
駅までは歩いて行ってもそれ程時間がかかるわけではない、俺はいつもの道を駅へ向かって歩いて行く。
そして駅に着き、改札を通りいつもの下り線のホームに向かう為階段を昇る。
まだ時間は早いのでホームにはそれ程人影は無い。
暫くすると上り線のホームに電車が来るアナウンスが聞こえ、その少し後に電車はホームに滑らかに滑り込み、停車する。
電車の扉が開かれ、ホームで待つ人と、電車の中にいる人とを入れ替え、降りる人と乗る人でホームは人が行きかう。
駅の周辺には何もない所なので、街に出かけていた主婦や俺と同じように家路につく学生服が目立つ。
そんな人の流れをぼんやりと見つめていると、ふとどこかで見覚えのある人物を俺の眼は捕えた。
「あれ?」
俺は思わず声を出した後、無意識のうちに上り線のホームに向かう為に階段を昇りだしていた。
俺が見つけた姿は今日学校を休んでいた海山だった。
なぜか海山は制服を着ており、まるで今から学校に登校するかのようにその長い髪を揺らしながら改札口に向かっていた。
何をどうしようとか、そう言う事など全く考えずに俺は海山の後を追うように走る。
改札を出て学校とは違う方向に歩みを進める海山。
俺は自動改札に定期を通して出ようとするが、入った駅で出るには駅員に処理をしてもらわなければいけない。
駅員に定期券を渡し、定期券の処理をしてもらう間にも海山は駅から少しずつ離れていき、交差点を曲がり姿が見えなくなってしまう。
そこでようやく駅員は定期を俺に渡し、俺は改札を出て海山の向かった方に走り出す。
海山の曲がった交差点まで走り、海山の向かった方を見渡すが、彼女の姿はもうそこには見当たらず、俺は交差点の辺りをきょろきょろと探してみたがもうどこにも海山の痕跡を見つける事は出来なかった。
「おっかしーな……」
俺は誰に聞かせるでもなく一人呟き、その場を離れる事が少しの間出来ずただ茫然とその場に立ち尽くした。
少しの間そこに立ち尽くしていたが、諦め今走って来た道を戻り再び駅に向かって歩き始める。
そして駅に辿り着いた俺は、また階段を昇り下り線のホームに向かう。
しばらくしてホームに滑り込んでくる電車に乗り込み俺は海山を追いかけた駅を出て家路をたどる。




