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リーンの方は興味なさげに、宝玉を扉にはめ込んでいた。
一つまた一つと扉のくぼみにはめ込まれていく宝玉。
はめ込まれる度に”リン”と一瞬光を放つ。
妖狐はそれ以上口を開くことはなく、ただリーンの作業に視線を落としていた。
ここにいるのは、私、レモン、ホイヤーさん、ドリアンさん、フーリクスさん、マイヤーにアイヤー、リーンに妖狐の九人だ。
九人が見守る中、最後の宝玉が扉にはめ込まれた。
はめ込まれた宝玉が一斉にまばゆい光を放ち始めた。
私は目を開けていられず、まぶたを閉じた。
しばらくして、光は収まった。
そしてその光の元であった、扉が開き切っていたのだ。
ゴクリ。私は思わず喉を鳴らした。
ついに魔界と繋がってしまったのだ。
「んん~、懐かしい香りどすえ」
妖狐の声が聞こえる。
確かに、草花の香りが扉から流れてきていた。
「さぁ、行くえ」
リーンは立ち上がると扉をくぐった。
次に妖狐も。
「よし今だ」
レモンが宝玉を取り外そうとした……が、外れない。
「ああ、言い忘れていたぇ。一度はめた宝玉は時が来るまで外れないぇ」
「な、何だって?」
閉じ込めることもできないの?
レモンは悔しそうに宝玉から手を放した。
「どうするぇ、そなたたちは?」
妖狐が扉からひょっこりと顔だけ出してきた。
「もちろん来るぇ。私の村までは一緒に来てもらうぇ。ねぇダーリン」
ダーリン? リーンはそう言うとホイヤーさんの首に腕を回した。
「ももも、もちろんだとも。なあ、レモン君」
鼻の下なんか伸ばしちゃって……、ホイヤーさんったら調子いいんだから。
「しかたない、付き合うしかなさそうだな」
レモン!
私はレモンを睨んだ。
「どういうつもりにゃ。レモン?」
「どうもこうもないだろ、ここは素直に従うしかない。それともえせ占い師たちを見捨てるか?」
「見捨てるなんて……」
できるわけないじゃない。
こうして私たちは、リーンの言う村まで同行することとなった。




