異界への扉 1
宝玉を手に入れた私たち。
これで五つそろった。ホイヤーさん、マイヤー、アイヤーの命は助かる。
その一方で、不安がよぎる。
異界への扉を開けていいものか?
☆☆☆
--村長宅--
牛の呼び鈴を鳴らすと、いつものように羊メイドが現れた。
「村長さんに取り次いでほしいにゃ」
なんだか甘い香りがする。
「村長様はただ今お取り込み中でございますめぇ。しばらくお待ちいただくめぇ」
「それでかまわない。ところでえせ占い師は来ているのか?」
「えせ占い師とは誰のことかめぇ?」
「あ、ホイヤーさんのことだにゃ。来てるかにゃ?」
首をかしげる羊メイドさんに、レモンの補足を入れる。
「ホイヤー様なら来ているめぇ。村長様とお取り込み中だめぇ」
羊メイドは頬を朱に染めて答えてくれた。
何だろう? この反応?
「ちなみに取り込み中って何をしているかにゃ?」
作戦会議でもしているのかな?
「と、お取り込み中はお取込み中でめぇ」
「内容は秘密かにゃ?」
よっぽど深刻な話なのかな?
確かに明日までに宝玉がそろわないと、今生の別れになるもんね。
「で、では案内するめぇ」
羊メイドのついていくと、いつもの謁見の間ではなく別の部屋に通された。
「ほかに誰か来てるのかにゃ?」
「そうだろうな、でなきゃここには連れてこられないだろう」
この部屋は、寝室だった。
そう、以前私が寝かされていた部屋だ。
「ここで待つめぇ」
そう言うと、羊メイドは部屋を出て行った。
「ふう、ねえレモン何か聞こえない?」
屋敷に入った時から気になっていたんだけど、甘い香りと喘ぎ声?
まさかね? 私の聞き間違いだと思うけど……そんなに欲求不満なのかな私。
少し自己嫌悪になりながらもレモンに聞いてみることにしたのだ。
「そうだな、オレも気になってたんだ。聞き間違いじゃなさそうだな」
「え? レモンにも聞こえているんだにゃ? どんな声にゃ?」
「そ、それは……ミカンこそどんな声が聞こえるんだよ?」
耳まで真っ赤になりながら質問返しされてしまった。
「え? そりはその……あ……えぎ声と言うか……にゃんと言うか……」
私の顔も真っ赤になっていると思う。恥ずかしい言葉を言わされて……。




