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「じいちゃんが言っていた。戦士はいつも命がけだって。守りたいもの、取り返したいもの気持ちはそれぞれだが、そのために命を懸けるんだって。志半ばで倒れた同胞の願いを受け継ぐことも戦士の役目だってな」
レモンの言葉、わかる気がする。
「ジャックさん、レモンの言う通りにゃ。いくら操られて不本意な戦いをしてきたからって、自分を責めにゃいでほしいにゃ」
やっと解放されたんだから。
「レモン君、ミカン君……」
「それに、メリーヌさんが一番悲しむぜ。きっと」
そうだよね。ジャックさんに負い目を感じているんだろうからね。
「ジャックさんが命を絶てばメリーヌさんだって、後を追いかねないにゃ」
それでもいいの?
「メリーヌが……」
「そうだな、とにかくバカなことは考えずにメリーヌさんに会いに行こうぜ」
レモンはあえて明るくふるまったみたい。
ジャックさんはそれ以上言葉を発しなかった。
☆☆☆
--骨董品屋--
「さあついたぜ、ジャックさん」
「ここにメリーヌが?」
相変わらず薄暗い店内。人を寄せ付けないような雰囲気を醸し出している。
「メリーヌさん、いますかにゃ」
私は店の奥にいるであろう、お婆ちゃんを呼んだ。
「は~い、今行きます」
奥から帰ってきた返事はあのおばあちゃんのしわがれた声じゃない。
もっとこう、若い人の声だ。
「娘さんかにゃ?」
「いや、そんなことはないだろう」
「でも、メリーヌさんの声じゃないよ」
「確かにな」
私とレモンがこそこそと話をしていると店の奥から、腰の曲がった老婆ではなく白髪の背筋の伸びた初老の女性がやってきた。
「あの、メリーヌさんはいらっしゃいますかにゃ?」
「私がメリーヌですよ……ひょっとしてジャック?」
メリーヌと名乗る初老の女性は、私たちの後ろにいたジャックさんを見て驚きを隠せないようだった。
「メリーヌ、メリーヌか」
「ジャックなのね。会いたかった」
「私もだメリーヌ」
二人は人目もはばからずに抱き合った。
え? いったいどういうこと? この人がメリーヌさんならあの腰と性格の曲がった老婆はいったい何者?
私の頭の中で、疑問がぐるぐるとまわっていた。




