表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/312

 


 なんだか不思議な風景を見ている気がする。

 敵であるリーンがいるのに、ホイヤーさん、マイヤー・アイヤーは警戒心というものがない。

 村長さんもそうだ。

 いったい私の知らない間に、何があったのかな?


☆☆☆

 ジャックさんは村長さんに報告を済ませると、メリーヌさんのところに行くと言い出した。

 もちろん反対することはない。

 恋人だったメリーヌさんとの時間を取り戻したいんだろうな。

 でも、今のメリーヌさんは……。

 

 私とレモンは、ジャックさんを骨董品屋へと連れて行った。

 メリーヌさんに合わせるためだ。


「大丈夫かにゃ?」

「何がだ?」

 レモンが不思議そうな顔をする。

「今のメリーヌさんは、昔とはずいぶん違うみたいだにゃ。それにあの性格……」

 すっかりひねくれちゃったとしか言いようがない。


「大丈夫だろ、もともと呪いのせいだったんだから」

「そうだけどにゃ」

 私は一抹の不安をぬぐいきれなかった。

「どうかしたのか? 顔色が優れぬようだが」

「いえいえ、なんでもないにゃ」

 ジャックさんの言葉に、思わず背筋が伸びた。


「ジャックさん、操られていた間の記憶ってあるのかにゃ?」

 そういえば、ジャックさんについて何も聞いてないことに気が付いた。

「ああ、断片的にではあるが記憶はある」

「どんな記憶にゃ?」

「ミカン、失礼だろ」

「でも……」

 聞かずにはいられない。どんなことをされていたのか、あのメデューサに……。

「かまわないよレモン君。いずれわかることだしな」

 少し悲しそうな表情を見せたジャックさん。聞かない方がよかった?

「あ、無理に聞くつもりはないにゃ。いったいどんな待遇だったのかと思っただけにゃ」

 あわてて繕ってはみたものの、遅かった。


「主に城の警護をしていたと思う。侵入者が来るたびに戦いに駆り出されていた。中には私を助けに来た者もいたが……」

 ここまで一気に話すと、押し黙ってしまった。


「返り討ちにしたのか?」

「レモン」

 ジャックさんの言葉の続きをレモンが代弁したんだと思う。けど、それって……。


「レモン君の言う通りだ。私はこの手で同胞たちを葬ってきた。許されることではない」

 足を止め、自分の両手を見つめるジャックさん。

 その表情は悲痛なモノだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ