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翌日朝、私たちは再び特訓をすることとなった。
まだまだ実戦できるレベルに到達していないからだ。
また昨日の二の舞になるのはイヤだったので、私は最後の宝玉について何かわからないかの情報収集に出かけることにした。
今のところ、ホイヤーさんが一個。コッケラーが持っていたのが一つ。村長さんが一つ。メデューサが一つ持っている。
封印の扉を開けるには宝玉が五つ必要。つまりあと一つどこかにあるということ。
約束の日まで後、3日しかない。今日は訓練でつぶれてしまうので残り二日。
もう時間がない。せめてもう少し時間が欲しい。
ダメとわかっていても、いったんリーン似合いに行くしかない。
私はレモンに黙って、一人でリーンのところに向かった。
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何度来ても不気味なところ。
私は今封印の扉のある洞窟に来ている。
「リーン、いるんだにゃ。話がしたいにゃ、出てきてにゃ」
私は叫んだ。
すると目の前に黒い渦ができて、その渦の中心からリーンが出てきた。
整った顔、桎梏を思わせる黒髪。くやしいほどのナイスボディ。背中には蝙蝠を思わせる羽がある。
お尻にはスペードマーク付きのしっぽが生えていて、胸元を大胆に開けた対戦を強調する黒いレオタード姿だ。
「我を呼び出したということは、宝玉がそろったのかえ?」
ゴクリとのどを鳴らす。対峙しているだけで圧倒的な威圧感に押しつぶされそうになる。のどはカラカラに枯れ、全身からは汗が噴き出てきた。
「り、リーンそのことで話があるにゃ。もう少し時間が欲しいのにゃ」
私はリーンのルビーのような真っ赤な瞳を見つめ、言葉を絞り出す。
「寝言は寝てからいうものだえ」
「寝言なんかじゃないにゃ。いま、メデューサと戦う準備をしているにゃ。それで宝玉は四つそろうにゃ。だから最後の一つを探す時間がないにゃ」
「メデューサ? ローザのことかえ?」
「し、知ってるのかにゃ?」
同じ悪魔同士、知り合いでもおかしくない。
「知り合いなら無駄な戦いをすることはないにゃ。メデューサを説得してにゃ」
そうすれば、レモンを危険にさらさなくて済む。
「いいだろう。せっかくだから会いにいくえ。贄をもってのう」
「贄って……」
くらっとした感覚がすると、目の前が真っ暗になった。




