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     6


 ゴンゴン


 マイヤーとアイヤーの頭にこぶができた。


 もちろん作ったのはレモンだけどね。


「ったく、油断も隙もありゃしないぜ。エルフってのはみんなこうなのか?」


 嫌みったらしく言うレモン。


「気持ちは分かるけどもっと穏やかにしようよ」


 レモンの腕にからみついた。


「良いんだよ、しつけは厳しくってな」


「そうかもだけど、ちょっとやりすぎよ」


「「お姉ちゃん。痛かったよ」」


「お~お~、よしよし。これからはオイタをしちゃダメよ。解ったン」


「俺様のケツ」

「あたいのおっぱい」


 ゴンゴン。


「言ってるそばからやるな」


「イテ~、いいじゃん減るもんじゃないし」


「減る減る、乙女の大事なものとか」


 

「で、鍾乳洞はどこに隠した?」


「貴様に教える義理はないな」


 険悪な雰囲気のレモンとホイヤーさん。


「つまり力付くで聞き出せ? ってことか」


 剣に手をかけるレモン。


「貴様に出来るかな? 小僧」


「やってやるさ」


 マズい。二人とも戦闘モードだ。


 何とかしなくちゃ。


「ねぇ、そんなこと言わずにお・し・え・て」


 ホイヤーさんの手を握って甘く囁いた。


「しょうがないな。ミーちゃんの頼みなら断れないや」


 ズルッと転びそうになった。まさか、これが利くなんて。


 ホイヤーさんには甘えん坊作戦が有効なんだね。


 覚えておこう。


 


「……で、ここに鍾乳洞がある。わかったかい」


 レモンのコメカミがピクピクしてる。


 原因はホイヤーさんが私の方を馴れ馴れしく抱いているから。


 切りかかろうとしたレモンをアイコンタクトで説得するのは、さすがに肝を冷やした。


 ま、何とか成ったけど。


 レモンのヤキモチ、ちょっと嬉しい。


 それだけ私のこと思ってくれてると再確認出来るもんね。


 鈍い人もいるけど……。


 私はレモンのなのに、いつまで肩を抱いているのよ。


「……で、聞いてる? ミーちゃん」


「え、あ、あ~、思わず見とれちゃって、あはあは」


「まったくミーちゃんのおっちょこちょい。お守りのチッスをしてあげよう」


 え? いらないわよ。


 ちゅっ


 ほっぺたにキスされた。


 背後からもの凄い殺気が感じられるんですけど……こりゃレモン、相当怒ってるな。


 あ~ん早く説明終わって~。

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