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ゴンゴン
マイヤーとアイヤーの頭にこぶができた。
もちろん作ったのはレモンだけどね。
「ったく、油断も隙もありゃしないぜ。エルフってのはみんなこうなのか?」
嫌みったらしく言うレモン。
「気持ちは分かるけどもっと穏やかにしようよ」
レモンの腕にからみついた。
「良いんだよ、しつけは厳しくってな」
「そうかもだけど、ちょっとやりすぎよ」
「「お姉ちゃん。痛かったよ」」
「お~お~、よしよし。これからはオイタをしちゃダメよ。解ったン」
「俺様のケツ」
「あたいのおっぱい」
ゴンゴン。
「言ってるそばからやるな」
「イテ~、いいじゃん減るもんじゃないし」
「減る減る、乙女の大事なものとか」
「で、鍾乳洞はどこに隠した?」
「貴様に教える義理はないな」
険悪な雰囲気のレモンとホイヤーさん。
「つまり力付くで聞き出せ? ってことか」
剣に手をかけるレモン。
「貴様に出来るかな? 小僧」
「やってやるさ」
マズい。二人とも戦闘モードだ。
何とかしなくちゃ。
「ねぇ、そんなこと言わずにお・し・え・て」
ホイヤーさんの手を握って甘く囁いた。
「しょうがないな。ミーちゃんの頼みなら断れないや」
ズルッと転びそうになった。まさか、これが利くなんて。
ホイヤーさんには甘えん坊作戦が有効なんだね。
覚えておこう。
「……で、ここに鍾乳洞がある。わかったかい」
レモンのコメカミがピクピクしてる。
原因はホイヤーさんが私の方を馴れ馴れしく抱いているから。
切りかかろうとしたレモンをアイコンタクトで説得するのは、さすがに肝を冷やした。
ま、何とか成ったけど。
レモンのヤキモチ、ちょっと嬉しい。
それだけ私のこと思ってくれてると再確認出来るもんね。
鈍い人もいるけど……。
私はレモンのなのに、いつまで肩を抱いているのよ。
「……で、聞いてる? ミーちゃん」
「え、あ、あ~、思わず見とれちゃって、あはあは」
「まったくミーちゃんのおっちょこちょい。お守りのチッスをしてあげよう」
え? いらないわよ。
ちゅっ
ほっぺたにキスされた。
背後からもの凄い殺気が感じられるんですけど……こりゃレモン、相当怒ってるな。
あ~ん早く説明終わって~。