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コッケラーは幻影にたどり着くと、クチバシで財宝を取ろうと必死についばむ。
もちろん取れるわけはない。
それでも、必死についばんでいた。
「まだ見つからにゃいの?」
巣穴に向かって叫ぶ。
「まだだ!」
ホイヤーさんの声が聞こえる。
明かりをつけて、宝玉を探しているのに……。
早く早く。
コッケラーが異変に気付き始めたようだ。
幻覚の財宝を踏みつぶすと、くるりと身を反転する。
そう、今明かりがあるのは巣穴だけ。
「見つかったか!」
レモンが叫ぶ。
コッケラーは怒りをあらわにしてこちらに突進してきた。
身構えるレモンとフーリクスさん。
けど、私は薬草を握り締めもう一度幻影魔法を唱えた。
幻覚が現れた時、さすがにコッケラーも足を止めた。
私が創った幻影。それはコッケラーそのものだったからだ。
私の幻影は動かすことができない。
しかし、コッケラーは自分の縄張りに別のコッケラーが現れたと勘違いしてくれるはず。
じっと行方を見つめる、私とレモンとフーリクスさん。
この作戦がしっぱしたら、再び戦いが待っている。
レモンは私を庇うように前に出る。
フーリクスさんもそれに倣う。
コッケラーは幻影のコッケラーとにらみ合いを行い、羽毛を逆立てて威嚇する。
厳格のコッケラーは全く動こうとしない。当たり前だけど。
コッケラーはついに動き出した。
鋭いくちばしで、幻影に攻撃を仕掛けたのだ。
本来手ごたえがあるはずのものがない。
コッケラーも不思議に思ったに違いない。
二~三度攻撃を繰り返すも、手ごたえがないため幻影に体当たりをしてきたのだ。
当然すり抜けてしまった。
「やばい! 突破された!」
レモンとフーリクスさんが駆け出した。
「あった、あったぞ!」
ほぼ同時にホイヤーさんの声が聞こえた。
「レモン」
「ああ、わかってる。フーリクス行くぞ」
そう言い残してレモンとフーリクスさんはコッケラーに向かっていった。




