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怪鳥コッケラーは背中のヤリが抜けると、今度はフーリクスさんを襲い始めた。
しかし、森の中では一日の長があるフーリクスさん。上手く攻撃をかわしながらコッケラーを誘導する。
私はただ見ているだけ。
コッケラーがいくら鳥目だからと言っても、油断はできない。
鋭い爪やくちばしのダメージは、一撃で致命傷になりかねないからだ。
「宝玉はまだか?」
レモンが叫ぶ。
「今マイヤーたちが巣に入ったにゃ。もうしばらく持ちこたえて、レモン」
「早めに頼む!」
レモンの悲痛な叫びだ。
マイヤー、アイヤー早く……。
私には祈ることしかできない。
そんな私の肩をやさしく包むホイヤーさん。
「そんなに振るえないで、大丈夫うまくいくよ」
「そうだよにぇ」
目の前のことに指をくわえてみているしかない私の焦りを、ホイヤーさんは感じ取ってくれたみたいだ。
私は手を合わせて祈る。今はそれしかできないから。
「今のうちだ、ドリアン下がれ!」
レモンの怒声が響き渡る。
フーリクスさんに注意が向いている今なら、ドリアンさんは距離を開けることができる。
もともと、坑夫だったホイヤーさんは戦闘向きじゃない。
いくら巨人族で体が丈夫でも、満足に戦えないのだ。
「ドリアンさん離れるにゃ。回復するから」
私も叫びながら、ドリアンさんの方にかけていく。
同じ過ちは繰り返さない。コッケラーの攻撃範囲には近づかない。
案の定、ドリアンさんは体中傷だらけだ。
私は薬草を握り、回復魔法を唱える。
緑色の霧がドリアンさんを包み込むと、傷が消えていく。
「コボコボ」
「フーリクス!」
フーリクスさんとレモンの声だ。
振り向くと、なんとコッケラーが二人に目もくれず、巣に戻ろうとしていた。
何で?
巣穴を見ると、マイヤーとアイヤーがランタンのシャッターを開けて、宝玉を探しているのが見える。
これはコッケラーでも見えているんじゃないかな?
レモンもフーリクスさんもコッケラーを足止めしようと、攻撃を激化させる。
しかし、コッケラーは巣穴に戻ろうと必死に二人を振り払っていった。




