表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/312

     3


 森の中は暗くなるのが早くなる。


 獣道に毛が生えた程度の道ではなおさらだ。


「今日はこの辺でキャンプをしようか?」


 キター。いよいよね。


「う、うん。そうしましょ」


 レモンは薪を拾いに、私は夕食の準備を始めた。




『レモン、デザートあるんだけどた・べ・る?』


『ああ、もらおうかな』


『はい、お誕生日おめでとう。デザートは、わ・た・し』


『そうか、ミカンの味を隅々まで堪能しようかな』


『レモン』


『ミカン』




「なんちゃって、なんちゃって、なんちゃって」


「痛い、痛い。どうしたんだよミカン」


 レモンの顔見たら、ボッと顔から火が出そうになった。


「何でもないよ。何でも」


 極力平静を装った。 

「ごめんね。夕食焦がしちゃった」


「ミカンが焦がすなんて珍しいな。いいよ。気にするな」


「でもね、で、で、で……」


「で?」


 不思議顔のレモン。


「デザ……」

「「あ~ああ~」」


「な、なんだ?」


 ツタをロープ代わりに現れた二つの黒い影。


「俺様のケツゲット」

「私のおっぱいゲット」


 その二つの物体は、私のお知りと胸にかじり付いた。


「きゃ~、レモン助けて」


 何よこの子たち。


 身長一二〇センチくらいの子供が二人まとわりついてきた。


 ゴンゴン


「ミカンに何するんだ。剥がれろ」


 レモンは子供たちの頭にこぶを作ると、私から引き剥がしてくれた。


 あれ? この子たち……。


「エルフ?」

「そうだ、俺様たちはあの光輝なエルフだぞ」

「まいったか」


 二人そろって胸を張っている。


 確かに耳がとがっているし、強い魔力を感じる。


 エルフに間違いない。


「それはともかく、何でこんなところにいるのよ」


 しかも、子供二人きりで。


「俺様はそんなに口は軽くないぞ」

「軽くないぞ」


 腕を組んで座り込んでしまった。


「う~ん、どうする? レモン」


「う~ん」


 さすがのレモンも黙り込んでしまった。


「あなたたち名前は?」


「俺様は口が堅いんだ」

「名乗ったらご飯くれる?」


 ぐ~とお腹の虫がなっていた。


「いいわよ。今よそってあげるね」


 スープをよそって差し出した。


 バクバクバクバクともの凄い勢いで食べ始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ