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この地下世界は本当に不思議だ。
昼間は太陽光の様な明かり、そして今は夜?
すっかり真っ暗になっちゃって、しかもお星様が見えている。
何でもあれはお星様ではなくて、発光石の結晶だとか?
発光石……魔法のランプの材料だよ。
でもこんなに沢山、お星様のように見える場所は知らない。
「ミカン、ここにいたのか? 明日は早いぞ。早く休もう」
「うん、でもこの景色。なんだか寝るのがもったいないにゃ」
満天の夜空。本物よりきれいかも。
「いつでも見れるだろ? それとも、家が恋しくなったか?」
レモンは冗談っぽく笑うと、私の横に腰を下ろした。
「確かにきれいだな」
「うん」
私はレモンの肩に頭を置いた。
「こうして二人で夜空を見るのって、久しぶりだにゃ」
小さい頃はよく家を抜け出して、夜空を見にいって怒られたっけ。
「そうだな」
レモンは私の肩に手を回す。
「でも……」
レモンの言葉がとぎれる。
「でも?」
私はレモンに視線を移した。
ドキンっと胸が高鳴る。だってレモンが真剣な顔して私を見ていたから。
「ミカンはもっと綺麗だ」
え?
レモン、今なんて?
お世辞を言うような性格じゃないレモン。お世辞じゃないよね?
自然とレモンの顔が近づいてくる。
「レモン」
なぜだか私は目を閉じた。
フワリ、唇に暖かで柔らかいものが触れたのがわかった。
「ん、んん~」
重なった唇から、うごめく生物の様な者が進入してきた。
そう、それはレモンの舌。
私は目を開ける。
キスはだんだん激しくなる。
私はレモンの首に腕を回した。
「お~っとそこまでだレモン君」
激しく求め合うキスを邪魔する声が響く。
ホイヤーさんだ。
「あんまり遅いから迎えにきたよ。ミーちゃん」
ホイヤーさん、今いいとこだったのに。
ちょっと膨れてみせるけど、この暗さじゃわからないだろうね。
「さ、部屋に行こう」
ホイヤーさんは私の手を握った。
「そうだな。部屋に行くか」
レモンが立ち上がる。
仕方なく私も立ち上がった。
「さ、行こう。ミーちゃん」
ホイヤーさんの手が私の肩を抱く。
「なにするにゃ」
するりと抜け出し、レモンの腕に絡みつく。
「行くぞ」
レモンの言葉でその場を後にした。




