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「知り合いなら、そう言ってにゃん」
どんな人かドキドキしてたんだから。
「俺様もこいつと尻あい」
「きゃ」
またもやお尻をナデナデされた。
マイヤーは、悪びれる様子はない。
「おでに何か用か?」
巨人族のドリアンさんの声は地面のそこから響いてくるような低い声だった。
頭はぼさぼさで、手入れした様子はないし、髭も伸びきっている。
お世辞にも、紳士とはかけ離れている風貌だ。
「積もる話もあるからね。先ずは坑道に行ってからにしよう。ドリアン君」
ホイヤーさんの言葉で、ドリアンさんの坑道に移動することになった。
ドリアンさんの坑道の前には、井戸があった。
けどそんなことに驚いては居られない。
なんと、コボルトが一体、料理を作っていた。
「こ、コボルト!」
剣に手をかけるレモン。私も薬草を取るためポーチに手を伸ばす。
「ダメー」
「きゃん」
アイヤーが私の胸を揉む。
レモンの前には、ドリアンさんが立ちふさがった。
「傷つけちゃダメなんだから」
「どういう……アン、ちょ、アンやめ」
必死で訴えるアイヤーは、私の胸を鷲掴みにする。
「おちついて、レモン君、ミーちゃん」
ホイヤーさんが一括した。
「久しぶりだね。ギャリさん」
ホイヤーさんが歩みでる。
「コボコボ」
料理の手を休めてギャリさんと言われたコボルトが近づいてくる。
……エプロン姿で。
「どうなってるにょ」
アイヤーをふりほどいて、服を直す。
「コボコボ」
「ギャリはおでの仲間。戦闘はしない」
「え? ドリアンさんの仲間にゃ?」
訳ありってこういうこと?
ガサガサガサ。
森の中から、槍をもったコボルトが出てきた。
「また……」
「久しぶり、フーリクス君」
手には川で取ってきたであろう、魚が網の中で跳ねていた。
「ホイヤーさん、説明をしてにゃ」
今回コボルトが坑道を襲っているんじゃないの?
「ああ、この二人はドリアン君と生活をともにしているんだよ。人に害は与えない。信じてくれるよね? 二人とも」
いきなり信じろっていっても……。
レモンの顔に視線を移す。
レモンも同じみたいで目があった。
「フーリクス君もギャリさんも怯えなくていい。協力して欲しいんだ」
ホイヤーさんがコボルトに向かって話しかける。
「「コボコボ」」
コボルトはこちらの言葉が理解できるようだ。
「まず紹介するね。こっちがレモン君。野蛮に見えるがその通りだ。ミーちゃんの護衛だよ」
「てめ……」
レモンが反論しようとしたけど、腕を掴んで止めさせた。
ここは、ホイヤーさんに任せようよ。
レモンは私の意図を察してくれた。
「で、ミーちゃんって言うのがこの子。ボクの婚約者だよ」
「ちがうにゃ」
誰がホイヤーさんの婚約者ですか!
「そうだ、勝手なことを言うな。ミカンはオレのだ」
私はレモンの腕にからみついた。




