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「なにこれ~」
拳をアゴに当てて腰をフリフリ。
注文の服に着替えた私の声が店中に響きわたった。
だってだって……。
「ミカン、可愛い。似合ってるって」
笑顔でレモンが言った。
「でもこの服、猫メイド服だよ~」
耳もついてるし、動きやすいように、ミニスカートなのはいいけど……。
「まあ、マントよか何倍もいいじゃないか」
「ぐ、それはそうだけど……」
ここまで来るのに恥ずかしいったらなかったんだからね。
思い出しては、顔から火が出そうになる。
「ま、今はこれしかないんだから、我慢しろよな」
レモンは私の頭にポンと手を乗せた。
「う~ん、仕方ないか」
荷物が全部なくなったのは痛いよ。
「レモン、薬草買いに行きたいんだけど……」
支払いをしているレモンの袖を引っ張る。
もちろん、私は無一文だ。
「ああいいぜ。ミカンの魔法も必要だからな」
良かった。
私たちは服屋を出て、薬草屋へと向かった。
扉を開けると、カランカランとベルが鳴る。
薬草屋の店内は薄暗い。
薬草が痛まないようにするためだ。
「え~、こんなにするの?」
薬草は相場の三倍の値段が付いている。
ただでさえ、魔法に使う薬草は希少で高いのに、これじゃ手が出ないよ。
レモンも薬草の値段を見て驚いている。
一応欲しい薬草はそろっているけど、一つづつ買っても銀貨一〇万枚には成っちゃう。
レモンは財布の中身を確認してるし……。
ええい、当たって砕けろだ。
「おじさん、この薬草なんだけど……」
「はい、いらっしゃい可愛いお嬢ちゃん」
満面の笑みで薬草に視線を移した。
「ま、まけてくれないかな?」
おじさんの顔が険しくなった。
「この薬草は希少なんだよ。銀貨で一〇万枚の価値がある。
このあたりじゃ採ることも出来ない品だ。
可愛いお嬢ちゃんの頼みでもね~」
う~、そうだよね。
「お願い、お願い」
アゴに拳を当てて腰をフリフリ。
だ、ダメかな?




