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滑らないように、滑らないように。
ここは、パンツのことはあきらめよう。転ばないのが先決だね。
「やっぱり人の気配がない」
レモンが呟いた。
「すでに死んだ街なのかな?」
足元を見ながら答える。
「どうなんだ?」
レモンはホイヤーさんに訪ねた。
「それを調べに来たんだろ?」
ぐ、ホイヤーさんの言うとおりだけどさ。ちょっとくらい教えてくれてもいいじゃない。
ふと視線をあげると、洋服屋が目に入った。
あそこなら、可愛い下着があるかも。
「ねえ、レモン。あそこのお店入って見ようよ」
言うが早いか、レモンの腕を引っ張っていた。
「あんまりはしゃぐと、また転ぶぞ」
仕方ないなという顔で、私に引っ張られるレモン。
カランカラン
扉を開けるとベルが鳴った。
誰か居るのかな?
店の中も氷付け。
でも、洋服は凍ってないよ。
何でだろ?
「洋服屋か、誰か居るのか? ホコリも落ちてないな」
本当だ。気づかなかった。
「お、見て見ろよこのパンツ。九〇点だな」
「え~、六五点だよ。布が少ないもん」
マイヤーとアイヤーが下着コーナーでなにやら言い争ってる。
「レモン。ちょっと服見ていかない?」
「遊びに来てるんじゃ無いぞ」
「わかってるって」
迷わず下着コーナーへと向かった。
レモンはどんなのが好みかな?
可愛い系かな?
それともセクシー系?
ポイポイ下着が飛んでいる。
マイヤーたちがあさっているんだ。
「わ、これすごい」
ほとんど布ないよ。
「それ九〇点な。こっちは八五点」
どれどれ?
「?」
何で女性用下着に穴が開いてるの?
これじゃお尻丸見えじゃない。
やっぱりここは可愛い系かな。
二~三点見繕って、試着室に入る。
「ん~、どれがいいかな?」
リュックを置きながら、鏡に写して見比べる。
「こっちのフリル付きから試してみよう」
うんしょ、履いてるパンツを脱いでっと。
「これは俺様がもらっておく」
「うん?」
振り返るとマイヤーが私のパンツを懐にしまおうとしていた。
「何やってるのよ。マイヤー」
ゲンコツでコメカミをぐりぐりする。
「どうした? ミカン……」
パタッと鼻血を出して倒れるレモン。
「キャ~、レモンしっかりして」
駆け寄って、止まろうとしたら転んでしまった。
「痛たた。は、レモンは?」
レモンの顔の上に座ったような形になってた。
「ミカン、その……履けよ」
え?
キャ~私今履いてなかった。
顔がトマトのように真っ赤になる。
「とにかく、どけよ」
は、そうだった。
私は飛び退いて、恥ずかしさのあまり、試着室に隠れた。
急いでフリル付きパンツを履いていると、床がパカッと開いた。
「え~? キャ~」
もちろん私は落ちていったのだ。




