表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/312

 


 あれから歩くこと三〇分。


 出口にたどり着いた。


「「ええ?」」


 レモンと声が重なる。


 だって、だって……。


「氷の街?」


 レモンが呟くとおり、すべてが凍り付けになっている。


 民家も教会もすべては氷の中。


 天井を見渡せば、光ゴケの淡い光が。

 氷が反射して明るくなっているんだ。


「な、出口じゃないだろ」


 ホイヤーさんが得意げに言った。


 何当たり前のように、肩を抱いているのよ。


 肩を抱く手を払い、レモンの腕に絡みつく。


「人はいないのか?」


 そう言えば、氷にばかり気を取られていた。

 レモンの言うように、人の気配はないよ。


 ホイヤーさんは手のひらを上に向けてのジェスチャー。


 きっと知っているんだ。

 

「とにかく、行ってみよう」

「うん」


 レモンの腕にしっかり絡みついて、街に足を踏み入れる。


「な? ピンク色だろ?」

「本当だ。おっぱいが見えないのが残念ね」


 は、マイヤーとアイヤーの声。

 何見てるのよ?


 振り返ると、私の足元を見ていた。


「何?」


 私も見てみると、床全体が鏡のように写しだしている。

 当然私のパンツも下から覗いたように写ってる。


「キャ~、何見てるのよ」


 私は必死でスカートを押さえるけど、どう押さえても見えちゃう。


「どうした? ミカン」

「床が……」

「床がどうした? おお」


 しまった。レモンにも見られちゃった。


 こんなコトならもっと可愛いの履いとくんだった。


 ……じゃない。


「レモン見ないでよ」


 涙目で上目遣い。

 レモンの顔を見る。


 

「わ、わりぃ」


 顔を逸らして、ポリポリと頬をかく。

 照れ隠しの癖だ。


 レモンはこれでよし。問題は……。


「ミーちゃん、可愛いパンツ履いてるね。まるでボクを誘っているようだよ」

「誘ってねーよ」


 不機嫌そうにレモンが答える。


 そうそう、誰がホイヤーさんを誘うもんですか。


 あんなグロテスクなモノ。

 

ボッ


 お、思い出しちゃったじゃない。忘れたいのに。


 ブンブンと頭をふって、ホイヤーさんのアレを頭から追い出す。


「あ、」


 思ったより滑りやすい。……と思う矢先に天地が逆になる。


「おっと」

「アン」


 支えてくれたレモンの手が、私の胸を鷲掴みに。


「事故だぞ、事故。触ろうと思って触った訳じゃないからな」


 顔を真っ赤にして、必死に弁解するレモン。


 可愛い。


「うん、わかってるよ。ありがとう」


 体勢を立て直して、今度はしっかり氷の上に立つ。


 ぎゅっと胸を押しつけるように、レモンの腕に絡みつきながら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ