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あれから歩くこと三〇分。
出口にたどり着いた。
「「ええ?」」
レモンと声が重なる。
だって、だって……。
「氷の街?」
レモンが呟くとおり、すべてが凍り付けになっている。
民家も教会もすべては氷の中。
天井を見渡せば、光ゴケの淡い光が。
氷が反射して明るくなっているんだ。
「な、出口じゃないだろ」
ホイヤーさんが得意げに言った。
何当たり前のように、肩を抱いているのよ。
肩を抱く手を払い、レモンの腕に絡みつく。
「人はいないのか?」
そう言えば、氷にばかり気を取られていた。
レモンの言うように、人の気配はないよ。
ホイヤーさんは手のひらを上に向けてのジェスチャー。
きっと知っているんだ。
「とにかく、行ってみよう」
「うん」
レモンの腕にしっかり絡みついて、街に足を踏み入れる。
「な? ピンク色だろ?」
「本当だ。おっぱいが見えないのが残念ね」
は、マイヤーとアイヤーの声。
何見てるのよ?
振り返ると、私の足元を見ていた。
「何?」
私も見てみると、床全体が鏡のように写しだしている。
当然私のパンツも下から覗いたように写ってる。
「キャ~、何見てるのよ」
私は必死でスカートを押さえるけど、どう押さえても見えちゃう。
「どうした? ミカン」
「床が……」
「床がどうした? おお」
しまった。レモンにも見られちゃった。
こんなコトならもっと可愛いの履いとくんだった。
……じゃない。
「レモン見ないでよ」
涙目で上目遣い。
レモンの顔を見る。
「わ、わりぃ」
顔を逸らして、ポリポリと頬をかく。
照れ隠しの癖だ。
レモンはこれでよし。問題は……。
「ミーちゃん、可愛いパンツ履いてるね。まるでボクを誘っているようだよ」
「誘ってねーよ」
不機嫌そうにレモンが答える。
そうそう、誰がホイヤーさんを誘うもんですか。
あんなグロテスクなモノ。
ボッ
お、思い出しちゃったじゃない。忘れたいのに。
ブンブンと頭をふって、ホイヤーさんのアレを頭から追い出す。
「あ、」
思ったより滑りやすい。……と思う矢先に天地が逆になる。
「おっと」
「アン」
支えてくれたレモンの手が、私の胸を鷲掴みに。
「事故だぞ、事故。触ろうと思って触った訳じゃないからな」
顔を真っ赤にして、必死に弁解するレモン。
可愛い。
「うん、わかってるよ。ありがとう」
体勢を立て直して、今度はしっかり氷の上に立つ。
ぎゅっと胸を押しつけるように、レモンの腕に絡みつきながら。




