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「ところで皆さんは、ここに何しに来たべか? やはり龍の髭を求めに?」
「龍の髭? なんにゃ?」
ユータの言葉にハテナマークを浮かべる私たち。
「あれ? てっきり外界の人が来るのは龍の髭を求めてくる人ばかりかと思ったべ」
ユータの方が驚いている。
「龍の髭ってなんにゃ?」
「「お代わり」」
マイヤーとアイヤーが同時に叫んだ。
今それどころじゃないのに……と思いながらお椀にお代わりをついであげる。
「ところで、龍の髭ってなんだ?」
レモンも気になっているようだった。
「龍の髭っていうのは、超命水のことだよ」
「超命水? なんにゃそりゃ?」
「ホイヤーさん知ってるのかにゃ?」
私はホイヤーさんが知っているという方に驚きを隠せなかった。
「超命水とは、本来あってはならぬモノじゃ」
ズズズとスープを飲みながら、いつの間にか老婆が座っていた。
「あなたは確か……」
この村の住人なんだけど、昨夜会ったよね?
「砂かけ婆、驚くでねえべ」
「すまんすまん、ついのお。この鍋の匂いにつられてのお」
「あ、よろしければどうぞにゃ。たくさんあるから」
砂かけ婆にお椀を取られてしまった私は、新たなお椀にスープをついだ。
「ところで、その超命水ってなんなんだ?」
レモンはピーマンを私のお椀に入れながら、砂かけ婆に質問をする。
「レモン、好き嫌いはダメにゃ」
ピーマンをレモンのお椀に戻す。
チェット舌打ちが聞こえたけど、それは無視することにした。
「本来この世にあってはならん神水のことじゃよ」
「どうしてこの世に合っちゃいけないんだ?」
前のめりに砂かけ婆に問いただしながらも、レモンはピーマンを私のお椀に入れる。
そうまでしてピーマンを食べない気?
「レモン、好き嫌いはダメっていつも言っているにゃ」
レモンのお椀にピーマンを戻すと、ついでに私の苦手な人参も一緒に添えておいた。




