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魔王の杖に転生したけど、持ち主が思春期こじらせ女子だった件  作者: AI子
第1章 魔王就任と初期不良発覚

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第9話 魔王、威厳を取り戻そうとして大暴走する

 初期不良の“第二段階”が発覚してから数日。

 魔王城は相変わらず猫中心に回っていた。


「闇猫様〜! こちらに新しい玉座をご用意しました!」


「闇猫様〜! 今日は特製の闇ミルクです!」


「闇猫様〜! 肉球の保湿クリームを——」


(いや魔王軍の仕事どこいった)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは猫を抱きしめながら、ついに限界に達していた。


「……もう無理……!

 なんで魔王軍が猫ばっかりなの……!

 なんで私より猫の方が人気なの……!」


(いや猫は強いからな)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


「やめてぇぇぇぇ!! 今の光るの恥ずかしいからぁぁ!!」



 ヴァルナは猫をそっと床に置き、ぎゅっと拳を握った。


「……決めた」


(お?)


「私……魔王としての威厳を取り戻す……!」


(いや無理だろ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


「なんで光るのぉぉぉ!!」


 ヴァルナは涙目になりながらも、真剣な顔で言った。


「魔王軍に……“魔王らしいところ”を見せるの!」


(いやその前に初期不良直せよ)



 中庭に魔王軍を集め、ヴァルナは玉座に座った。


「こほん……!

 魔王軍よ! 我は魔王ヴァルナ=ディアボロス!

 今より……魔王としての威厳を示す!」


 兵士たちはざわついた。


「おお……魔王様がついに……!」


「闇猫様の次に……!」


(いや順番おかしいだろ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは胸を張り、堂々と宣言した。


「我は……世界を闇に染める者……!」


 その瞬間。


 杖の宝玉がバチッと光り、背後の噴水が——


「……ぬるま湯になった……」


(いやまたかよ)


 兵士たちは感動した。


「魔王様……!

 世界を闇に染める前に……まず噴水を温めるとは……!」


「なんという慈悲深さ……!」


(いや違うって!!)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは顔を真っ赤にして叫んだ。


「ち、違うのぉぉぉぉ!!」



「つ、次は……闇の眷属を召喚する!」


(いややめとけ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは震える手で俺を構えた。


「闇よ……我が呼び声に応え……!」


(その詠唱やめろ恥ずかしいから)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


「召喚——!」


 バチッ。


 黒い煙が広がり——


「にゃあ」


 猫が出てきた。


「…………」


「…………」


「…………」


 沈黙。


(いやまた猫かよ!!)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 兵士たちは震えた。


「魔王様……!

 闇猫様の“兄弟”を……!」


「なんという偉業……!」


(いや違うって!!)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは膝から崩れ落ちた。


「……もうやだぁぁぁぁぁぁぁ!!」



「さいご……!

 闇の結界で……魔王の力を……!」


(いや絶対やめとけ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは涙目で詠唱した。


「闇よ……我を守り……!」


 バチッ。


 黒い光が広がり——


「……また……私だけ……閉じ込められてる……」


(いやだから言っただろ)


 兵士たちは感動していた。


「魔王様……!

 自らを犠牲にして結界を張るとは……!」


「なんという覚悟……!」


(いや違うって!!)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは結界の中で泣き叫んだ。


「なんでぇぇぇぇぇぇぇ!!

 なんで全部猫になるのぉぉぉ!!

 なんで私だけ閉じ込められるのぉぉぉ!!

 なんで魔王軍は猫ばっかりなのぉぉぉ!!」


(いや全部俺のせいだな)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」



 こうして、ヴァルナの“魔王らしさアピール作戦”は全て空回りし、魔王軍の猫信仰はさらに強まる結果となった。

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