表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の杖に転生したけど、持ち主が思春期こじらせ女子だった件  作者: AI子
第1章 魔王就任と初期不良発覚

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/18

第5話 勇者サイド、猫を“魔王の最終兵器”と誤解する

 魔王城で召喚された黒猫は、今日も魔王軍の中心にいた。


「闇猫様、お食事の時間です!」


「闇猫様、お散歩の時間です!」


「闇猫様、爪とぎの新作をご用意しました!」


(いやどんだけ甘やかすんだよ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ヴァルナは猫を抱きしめながら、複雑な表情をしていた。


「……なんか……みんな猫ばっかり……」


(昨日も言ってたなそれ)


「べ、別に嫉妬とかじゃないけど! 私は魔王で……その……!」


 ヴァルナは猫の頭を撫でながら、頬を膨らませた。


(完全に嫉妬してるじゃん)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」



 魔王城から少し離れた森の中。

 勇者見習いのルカは、魔王城の様子をこっそり観察していた。


「……あれが……魔王軍……?」


 ルカの視線の先には、魔王軍の兵士たちが猫を囲んで跪く姿。


「闇猫様……今日もお美しい……!」


「闇猫様の一歩一歩が、世界に闇を刻む……!」


「闇猫様の毛並み……神々しい……!」


(いやただの猫だろ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ルカは震えた。


「……ま、魔王軍……恐ろしい……!

 猫を……猫をここまで崇拝するなんて……!」


(いや恐ろしい方向性が違うだろ)


 ルカは震える手でメモを取った。


「“魔王軍、闇猫を最終兵器として運用か”……!」


(いや違うって!!)



 その時、猫が「にゃあ」と鳴いた。


 魔王軍の兵士たちは一斉に跪いた。


「闇猫様が……“始動”の合図を……!」


「ついに……魔王軍が動き出すのか……!」


(いやただ鳴いただけだろ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ルカは青ざめた。


「……猫の鳴き声で軍が動く……!?

 なんて恐ろしい統率力……!」


(いや統率されてるの猫じゃなくてお前らの頭だよ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」



 その時、ミュリエルが猫を抱き上げた。


「闇猫様の魔力測定を——」


「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 ヴァルナが全力で飛びつき、ミュリエルと猫と一緒に転がった。


「魔王様が……闇猫様を守った……!」


「なんという忠誠……!」


(いやただのドタバタだろ)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 ルカは震えながら呟いた。


「……魔王……猫を守るために自ら身を投げ出す……

 これは……猫が魔王軍の“心臓部”……!」


(いや違うって!!)


 ルカは決意したように拳を握った。


「……この情報を、王国に伝えなければ……!」


(やめろおおおおおおおお!!)


 宝玉が光る。


「ひゃああああああああああ!!」


 こうして、勇者サイドに“魔王軍の最終兵器は猫”という誤情報が広まることになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ