第41話:四人目の仲間
いつも読んでくださりありがとうございます!
最新話をお届けします。
楽しんでいただけると嬉しいです。
それでは、どうぞ!
『第七の鐘』のアジトを壊滅させた翌日、俺はリリアと共に、再び騎士団の留置所を訪れていた。
アレスに、昨夜捕らえた神官と闇ギルドマスターの身柄、そしてアジトで発見した人身売買の証拠書類一式を引き渡す。
「まさか教会と闇ギルドが繋がっていたとは…」
アレスは、書類に目を通すと、悔しそうに顔を歪めた。
「ヴァル、感謝する。お前がいなければ、我々はこの闇に、永遠に気づけなかったかもしれん」
俺は、彼の計らいで、カインを独房から連れ出した。
「カイン、行くぞ。お前の妹を助けに」
「…ああ」
まだ、彼の琥珀色の瞳には、戸惑いと苦悩の色が浮かんでいる。俺たちは、スラムの片隅にある、カインとサラが暮らす小さな隠れ家へと向かった。
扉を開けると、そこには、小さなベッドの上で、か細い呼吸を繰り返す少女の姿があった。日に日に衰弱していく妹を前に、カインはただ、唇を強く噛みしめる。
「本当に、助けられるのか…」
彼の、すがるような視線。
俺は、何も言わずに、眠るサラにそっと手をかざした。
そして、昨夜、あの神官から奪い取った『呪いの聖印』を、彼女の額へと近づける。
「《コード・アナライザー》、起動。対象『聖痕の呪詛』の術式構造を、聖印を触媒として逆変換作業。対抗呪文を、即時構築する」
俺の脳内で、禍々しい紫色の術式コードが、凄まじい速度で解析・分解されていく。
《熟練度が一定に達しました。スキル《思考加速(Lv.1)》がレベルアップします》
そして、その呪いを無効化するためだけの、全く新しい、青白い光の術式が編み上げられた。
「――喰らえ、偽りの祝福」
俺が、構築した対抗呪文を、サラの魂へと流し込む。
《熟練度が一定に達しました。スキル《解呪魔法(Lv.1)》を獲得しました》
すると、彼女の体を蝕んでいた、淀んだ紫色のオーラが、まるで朝霧が晴れるかのように、光の粒子となって消えていった。
血の気の失せていた彼女の頬に、ゆっくりと、温かい赤みが戻ってくる。
「……ん…」
数分後。
サラの瞼が、ぴくりと動いた。そして、長い間、閉ざされていた瞳が、ゆっくりと開かれた。
彼女の視線が、ベッドの傍らで固唾を飲んで見守っていた、カインの姿を捉える。
「…おにい…ちゃん…?」
その、か細く、しかし確かな声を聞いた瞬間。
カインの瞳から、堰を切ったように、大粒の涙が溢れ出した。
「サラ…! サラッ…! よかった…本当に、よかった…!」
彼は、妹の小さな体を、壊れ物を扱うように、そっと抱きしめた。
「ごめん…ごめんな、サラ…! 俺が、俺がもっとしっかりしていれば…!」
「ううん…お兄ちゃん、ずっと、そばにいてくれたもん…ありがとう…」
兄を気遣う、優しい妹の言葉。
その光景に、俺の隣で見ていたミアとリリアも、静かにもらい泣きしていた。
俺は、そんな彼らの邪魔をしないように、静かに部屋を出ようとした。
その時だった。
「――待ってくれ!」
カインが、俺を呼び止めた。
彼は、涙でぐしゃぐしゃになった顔のまま、俺の前に、深々と膝をついた。
「俺は、あんたに、どうやってこの恩を返せばいいか、分からねえ。金も、力も、何も持ってねえ」
彼は、地面に額をこすりつける。
「だが、この命だけは、もう俺のもんじゃねえ。あんたが、俺と、サラを救ってくれたんだ。だから…!」
彼は、顔を上げた。その琥珀色の瞳には、もう迷いはない。
あるのは、絶対的な信頼と、生涯を懸けた忠誠の光。
「俺のこの牙と爪、この炎を、あんたのために使わせてくれ。いや、使わせてください…! 俺を、あんたのパーティに入れてくれ、ヴァル兄!」
「…兄貴、か」
俺は、思わず苦笑した。
「柄じゃねえな。だが…」
俺は、彼の手を取って、立ち上がらせる。
「よろしく頼むぜ、カイン」
「! ああ…! よろしくお願いします、兄貴!」
こうして、四人目の仲間――炎の理を継ぐ、心優しき獣人カインが加わった。
彼の存在は、これからの戦いにおいて、俺たちの何より熱い、切り札となるだろう。
その日の午後、カインの罪は、アレスの尽力により不問とされ、正式に釈放された。
だが、その裏で、王都の、そして教会の、巨大な歯車が、俺たちを捕えるために、すでに動き出していることを、俺はまだ知らなかった。
________________________________________
【個体名】ヴァル
【種族】ヴルム・ドラコ(竜蟲)
【レベル】62
【称号】アルトハイムの英雄
【HP】 5750 / 5750
【MP】 4980 / 4980
【攻撃力】3180
【防御力】3350
【素早さ】2430
【魔力】2810
固有スキル:
《コード・アナライザー》
《古代竜の叡智》
-竜の咆哮
-インフェルノ・テンペスト
-竜牙の剣
-スケイル・アーマー
固有特性:《竜の因子》
スキル:悪食(Lv.9)、栄養吸収(Lv.1)、粘糸(Lv.1)、剣術(Lv.1) 、魔力感知(Lv.6)、魔力操作(Lv.6)、生態探知(Lv.1)、火魔法(Lv.MAX)、風魔法(Lv.4)、解呪魔法(Lv.1)New!、幻術(Lv.1)、隠密(Lv.8)、超再生(Lv.1) 、俊敏強化(Lv.3)、物理抵抗(Lv.2)、魔法抵抗(Lv.1)、麻痺耐性(Lv.3)、酸耐性(Lv.3)、火炎耐性(Lv.2)、毒無効、電撃耐性(Lv.1)、ステータス偽装(Lv.1)、空中歩行(Lv.1)、滑空(Lv.1)、遠目(Lv.2) 、思考加速(Lv.2)、言語理解
________________________________________
お読みいただき、本当にありがとうございましたm(_ _)m
今後の展開に向けて、皆さまの応援が何よりの励みになります(>_<)
少しでも「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、ぜひ**【ブックマーク】や【評価(★〜)】、【リアクション】、そして【感想】**で応援していただけると、作者が泣いて喜びます(そして執筆が捗ります)(#^.^#)
誤字脱字報告も大歓迎です。
皆さまの声が、皆さまが考えてる100万倍、私の創作活動の大きな原動力になります。
次回更新も頑張りますので、引き続きお付き合いいただけますと幸いです(*^ω^*)




