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第53話 予兆

後編


「こんにちは里音ちゃん」


「早速戻ったわね。みんな待ってるわ」


「ええ、楽しみにしてる」









「春樹! あなたが先に歓迎の言葉を言いなさいよ」


「いや俺が言うと緊張で言葉が詰まるから麗美が言ってくれよ」


「いいよ! 私に任せてね!」


「ちょっと麗美! あんたいつもそうやって春樹を甘やかす!」


「いつもじゃないよ。困ったときはお互い様、私が助けて欲しい時はしっかりと春樹君に頼むもの」


「ああ! いつでも麗美のお願いを聞くぜ!」


「はあ、何調子に乗ってるのよ!」


「そろそろ来るぞ夏菜!」


「分かってるわよ」


 俺たちは里音先輩の家で、とある人物の歓迎会を行っている。


 その人物はゲーム世界に閉じ込められていた里音先輩の親友、由愛である。


「初めまして! 私は由愛だわ、みんな宜しくね!」


「よろしく由愛ちゃん! みんなを代表してあなたを歓迎するわ」


「ありがとう!」


 麗美のおかげで俺たちは由愛への最初の歓迎の言葉うまく言えた。







「だからね、私は里音ちゃんとはいつもこうしてるのよ」


「私はそんなことしてない由愛」


「人生には重要な局面があるだろ? そんな時にこのゲームで大事なのがアイテムカードを使うことだ」


「はあ!? 何よそのアイテム。アンタいつの間に持っていたの?」


「よし由愛ちゃん! チャンスよ、このまま畳みかけましょう」


 俺たちはボードゲームで親交を深めることになっていた。


「ごめんね、みんな私には全ての運命が見えているの。ここではアイテムカードではなく、普通にサイコロを振るわ」


「なーに言ってんの由愛、どう考えてもチャンスカードを使えば莫大なポイントゲットでしょ」


「夏菜ちゃん、普通はそう思うよね。でもね、必ずしもチャンスカードが通るとは限らない。そーよね里音ちゃん」


「何が言いたいの?」


「ふふふ、みんな見ててね。今からサイコロを振るよ」


「何やってんだよ由愛!」


 そういいながら6までの全てのマスを俺は確認すると衝撃の事実に気づいた。


 仮に由愛が3を出した場合、確変モードになる。確変モードは互いの手札シャッフルカードだ。今圧倒的に戦闘に立つ由愛に逆転する方法は、アイテムカード使用時、妨害札をだし、かつサイコロ2倍カードを使って6を2回出すことのみ。そして今アイテムカードを2枚持っているのは里音先輩だけである。


「さあ、出ました3ですよ~」


「嘘でしょ!」


「どうしたの里音さん」


「私の妨害札がよまれた……」


「まさか里音先輩が持っていたカードって妨害札とサイコロ2倍カード?」


「ええ、そうよ!」


「え? すっごーい! 由愛ちゃんなんでわかったの?」


「私には運命が見えるのよ~。はい、これでおしまい!」


 ゲームに勝利したのは由愛だった。


 それから何回かゲームをするものの、全て俺たちの戦略は由愛に読まれて、どのゲームも由愛が勝ったのだ。


「ねええええ! 由愛! アンタ強すぎるわよ」


「強すぎるっていうか、全部俺たちの手をよまれちゃってるじゃんか! こんなんお手上げだわ」


「すっごおおおおお! どうやってるの由愛ちゃん」


「……」


「里音ちゃんはもう気づいてるわ」


「里音先輩」


 ふと里音先輩の表情を見ると、青ざめているのが分かった。


「由愛……あなたβウイルスの運命が見える力が引き継がれてるの?」


「えへへ、流石にばれちゃったか! ええ、そうみたい。私の運命を見る力は健在よ」


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