第41話 スキル書き換えの押収
「ふっふっふっ、面白いことに展開されたステージは天空、これは君がやっていたVRMMOゲームのラスボスステージ魔王城クリア後のエンディング後ストーリーの最後の裏ボスのステージといったといったところかな」
「よくしってるじゃねえか」
「これでも僕は結構なゲーマーなんだよ。君との対峙は初めてだよね。どんな戦いになるか僕を楽しませてくれえええ!」
αは空間にノイズをしのばせてゆがませてきた。
空間のゆがみがこちらにまで来る。
「なんだこれ」
「仮想領域でのβの戦い方が法則の書き換えなら、αウイルスの僕は構造の書き換えだ。同じルールの書き換えでもモノが違うんだよ。さらに今の僕はΩウイルスの出力も備えてる。γウイルスですら今の僕には取るに足らない存在なんだよ」
αは次々に構造物を出現させて俺にぶつけてきた。
「ははは! これをかわしてごらんよ」
「かわす必要がない」
「何!」
構造物は俺に触れた瞬間はじけ飛んだ。レベル100スキル反発である。
続いてレベル100スキル「スナイプ」と、レベル100スキル「魔弾」をぶつけた。
「なんだ実態がないのか?」
しかしαの体は実態がないのか、現実世界のようにノイズが走りすり抜けた。
「忘れたのかい? 現実世界で実態がないってことは、このゲーム世界でも僕の実態は消える。攻撃はあたらないんだよ」
「でもそっちの攻撃もあたらない」
αが構造物を俺にぶつけ続けたが全て外れた。
「ちっ、はあ、そうだった。純粋に君と戦っても勝てないよね。そりゃあ。でも君も有効打がない。そして今この瞬間にもΩウイルスは全ての進行をはじめてるのさ。君たちはなすすべもないということだ」
「……」
Ωの進行と、実態のαへの攻撃、この2つの攻略は穂美香さんと沙月さんが握っている。とにかく今の俺の役割はαの奴の気をひくことだ。
「これならどうだレベル100スキル「雷」、「炎」、「水」」
3属性の高出力のスキルをαにぶつけた。
「だから実態のない僕に攻撃を仕掛けても無駄無駄。全てはノイズが走って終わるだけだって」
「でも俺は一回お前を殴ったことはあるぞ」
「あれはαが適合前だったからね。流石に現実世界での拳は初めてだったけど。あの後すぐに適合した。こっちのゲームではもとより備わってるさ」
「そうかよ、レベル100スキル「針」」
今度は針を無数にαにぶつけた。
「残念、針も意味ありませんでした」
「……」
「ははは、手詰まりのようだね」
「そっちも同じだろそれは」
「それはどうかな?」
「何!」
αはボールをぶつけてきた。
「そんなの反発で、ぐはっ!」
「春樹!」
「はははは、今回僕が生み出したのは反発されると更に強い勢いで突き返すボールさ。つまり君はスキルを解かないと無限にボールに蹂躙されるんだよ」
「ドカドカドカ」
「ぐはっ」
厄介なボール使いやがって。レベル100スキル消滅。
「ボウ」
ボールは消滅した。
「やるねえ、スキルの手数も中々の物だ。僕の構造の書き換えは無限だけどね。いつまでもつかな? ダメージくらってるけど?」
「ダメージ? レベル100スキル「自動ヒール」、これでダメージはないけど」
「はっはっはっ、君も相当狂ってるね。面白くなってきた」
「どっちが先にばてるかな?」
「僕の能力は体力を消耗しないし、体力切れなんてつまらない結末にならないよ」
「じゃあ、試してみるか?」
「やってみろよ!」
「-」
俺とα、無数のスキルと、構造の書き換えの押収が始まったのだった。
ここはΩウイルス対策事務局。遺伝子操作ライズの天才集団を内村礼が仮想領域で葬ったとしていたが、その人員の大半は別の方法で生存ルートを確保していた。そして天才ハッカー集団によるΩウイルス対策事務局をNo1の国城穂美香が立てていた。
「さあて、みんなに来てもらったのは、話会いをするためだよ」
緊急会議だ、最強ハッカー国城穂美香の提案にライズの各地に散らばっていた残存メンバーが集結する。
「これより対象、Ωウイルスを迎撃する、作戦は急を要するので、今すぐ協力をしたいものは手を上げてくださいます?」
「……」
無反応……まあ想定通りといったところかしら。どいつもこいつも自分の保身のことしか考えてない、つまりはその程度の人員しかいないといったところでしょうね。
「皆様の意見はよくわかりました。ここからはわたし単独での行動となります。それで聞いてください」
はあ、どいつもこいつも主体性がない。そんなんだから礼に後れを取るんだわ。ならば次の手を使うまで。
「わたしはΩウイルス破壊を推奨します。これに反対するものはこの先の世界にいりません」
「何を言ってるんだ穂美香は!」
「そもそもあんなΩウイルスに対抗して命を落としたら元もこもないじゃないの」
「そんな危険な作戦にのれるか!」
「はあ、みなさん自分の立場分かってるんですか?」




