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第27話 3次元化VRゲーム

「これが奴の名刺」


 俺は内村礼の名刺を見ながら、怒りの表情で手を握り締めた。


 辺りはすっかり暗くなっていた。しかし俺は構わずに名刺の住所に向かった。


「ブルルルルルル」


 夏菜からの電話か。残念ながら彼女をもう巻き込みたくない。この電話には出ることはしなかった。


「ブルルルルルル」


 次は里音先輩からの電話か。里音先輩は確かに強い。けどもう誰かが犠牲になるのは見たくない。から電話に出ることはしなかった。


「待ってろよα」







「ここはなんだ」


 マジッククラブ? 夜になって開店しているようであるが……。


「お客様、ご入場の際には入場チケットをお持ちください」


「これじゃだめですか」


 俺は琴音沙月からもらった内村礼の名刺を出した。


「これは、オーナー指定の方でしたか。どうぞお通りください」


「はい、分かりました」


 本来琴音沙月が招待された客、俺は招かれざる客なのであろうが、そんなことは関係ない。


「ポーカー、ルーレット、スロット、ビンゴ、多彩なゲームが揃っているようだが」


「君が特別招待客かな」


「ええ、そうです」


「私はここの店長を任されているものだが、今オーナーは席を外していてね。少々30分ほどお時間をいただきたい」


「分かりました」


 内村礼の奴にであったらどうしてやろうか。今の俺ならいきなり手が出そうであるが、ここでそんなことをしたら刑務所行きになる。慎重に行動しなくちゃいけない。


「そうはいってもどうしたものかね」


 時間を潰す場所はいっぱいあるようだが、あいにくギャンブルには興味がない。


「はーい、お兄さん、ずいぶん暇そうにしてるわね。もしかしてここは初めて」


「まあ、そうですね」


 じっとしてる俺の元にバニーガールが寄ってきた。


「そんなに退屈ならこれでもやってかない?」


「なんですかそれ?」


 バニーガールはタブレットを俺に見せてきた。そこには3次元化VRゲームと書かれていた。


「ここのクラブの裏メニュー試作品よ。なんとゲームの世界に入れたりするんだって」


「そんなことがあるわけじゃないですか」


「私も驚いたのよ。昨日オーナーが私にこの新機能を説明したわ。君みたいな高校生がクラブに来たらこれを試してみて欲しいっていってたのよ」


「何?」


 衝撃の情報である。まさか内村礼を想定したのであろうか? つまりこれは罠?


 たとえそうだとしたら、奴が俺の前に現れることはないし、たとえ罠だとしてもねじ伏せる自身がある。


「いいですよ、その裏メニュー試作品とやらに乗ってやりますよ」


「ふふふ、決まりね。それじゃあスタート」


「――」






「はっ」


 これが裏メニューのゲームの世界? 情景は俺の知ってるMMO世界とは別者で別のゲーム? もしかしてここは仮想領域じゃない? ステータスも引き継がれな……。


「-」


 俺は背後から何者かに鈍器で殴られた感覚になり意識を失った。









「どういうことよ!」


「私も分からないわ。春樹と連絡が途絶えたの」


「それは私も同じよ。春樹の奴いったい何があったのよ」


「私たちは春樹をもう少し気に掛けるべきだったのかもしれないわね」


「もしかしたらαの奴にはめられたとか?」


「分からないわ。ただ春樹が使ってたパソコンの履歴を見ると、堀本凜という人物に接触したようね。具現化するゲーム世界を追うサイト、よくこんなもの見つけたものだわ」


「そんなサイト怪しすぎるわ。嘘に決まってる。これαが仕掛けた罠に違いないわ」


「その可能性もあるわね。私たちも学校を休んで春樹の捜索をした方がいいかもしれない」


「言われなくても分かっているわよ。アンタ欠席数は?」


「0だけど? 当然でしょ」


「ふん、それなら卒業要件は安心して満たせるわね」


「貴方の方はどうなのよ」


「0に決まってるじゃないの? 先輩だからってこの夏菜をなめるんじゃないわよ」


「はあ、まあ別に欠席数0は誇るほどのものではないけどね」


「ふん、それじゃあ、この堀本凜についての調査を開始しましょうか」


「当然でしょ!」











「うん? ここは」


「ふふふふふ、やっぱり君だったか」


「お前はα?」


「そうだよ。僕はα、君の大好き麗美ちゃんを奪った元凶だ」


「てめえα! 許さねえ! 何?」


 体は拘束されて、椅子に縛り付けられて動けなかった。


「ふふふ、ここは現実世界でも君の得意なMMO世界の仮想領域でもないよ。僕のαが覚醒して作り出した新たなゲームの具現化世界だ」


「そんなことが」


「あははははは、この世界での君は無力何もできない。随分と思い上がってたんじゃない」


「俺が無力……」


 そうだ、俺はMMO世界のレベル100ステータスがなければただの一般人だったのである。

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