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「はぁ……疲れた、」
深山 綉は疲れた体をソファに沈め、大きくため息をついた。
嫌味な上司にこっぴどく叱られ、彼女とデートらしい同期の代わりに残業。
帰ったら電気は止まってるし、まじ意味わかんねえ!!
いや、、意味はわかる。
上司に叱られたのは、寝不足でミスした俺のせいだし
同期の理不尽な頼みを毎回引き受けてしまう弱い俺が悪い
電気代払うのだって、忘れなければいいことだ、
つくづく自分が嫌になる。
綉は食事もとる気になれず、真っ暗闇でシャワーだけ浴びてすぐに寝ることにした。
豆電球じゃないと眠れない綉は真っ暗なベッドの上でじっと目を瞑っていた。
俺の人生は負け組そうで、そうでもない、平凡だ。
両親がいて、まあかわいい妹がいる。金持ちでは無いが貧乏ではない家で、そこそこ愛され育って、
高校入学して、あたりまえのように反抗期がきた。友達も多いわけではないが、ある程度居て、彼女もいた。帰宅部のくせに運動はそれなりにできて、勉強もやればできる程度。
大学の4年間では、ちょっとだけ女の子と遊んだし、お酒もノリも少しだが経験してきた。
不自由なく平凡な人生。
それでも、満員電車でおっさんの足を踏んで怒られたり、適当な食生活のせいで体調を崩したり、上司に怒られたり、同期に利用されたり、……
俺の人生で起こる不幸の元は結局俺自身だ。
本当に負け組なら、誰かに心配されて、誰かに優しくされて、悲劇のヒーローにでもなれたのかな、
ああ、まあでも
ここ最近見る悪夢は俺のせいではないか。
何かに追いかけられたり、暗い部屋にひとりっきりだったり、周りの人が殺されたり、毎晩毎晩悪夢にうなされるのは、俺のせいじゃないから、な…
しょうがないよな…
寝るしか…ない…よな、、