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苦手な方はご注意ください。

お局様が悪役令嬢に転生したらそこは一途に恋をする男女のめんどくさい世界だった件

作者: 田中 まもる

 ここはどこよ、会社でお局様と陰口をたたかれていた私は、たしか、久しぶりの飲み会をすることになったのにオンラインで参加しますと言う連中が多い、どう言うつもりだ!


 で、店に来いと脅して、盛大な飲み会が出来たことから課長よりお褒めの言葉を貰ったところまでは覚えている。


 その後、誰かに背中を押されて、そうだ! 私はトラックに轢かれた。



「お嬢様、お目覚めですか?」


「セバス、おはよう」


「おはようございます。お嬢様」


 これって私が遊んでいたスマホのゲームの世界かなあ。かなり課金したけど、バッドエンドになってリトライばかりしてたな。


 攻略サイトを見に行く気持ちとここまで課金をして攻略サイトに頼ったら、私はゲーマーにはなれないと言う気持ちがせめぎ合って結局見ていない。


 セバス、おはようと言うことは、私は主人公のアイリスではなく、アイリスをイジメるダリア公爵令嬢ってことだな。


 ダリアは偏屈王子と評判のルイと婚約している。王位継承権は第三位で国王になる可能性は低い。ゲームでは王妃に成りたくて王位継承権第一位のフランソワ王子にダリアはアプローチをかけている。


 フランソワ王子は街で偶然出会った、薬屋の娘、アイリスに一目惚れしている。プレイヤーはアイリスまたはフランソワになって、恋人になって国王または王妃になるとゲームクリアだ


 ダリアはモブキャラでゲーム序盤でアイリスをイジメタことでフランソワ王子に嫌われて始末される。私はこのゲームをクリアしたことがないので、ラスボスが誰なのかは知らない。


 つまり、私が平穏無事に生きるためにはアイリスにさえちょっかいをかけなければ生きていけるはず。これは楽勝だ。第三王子の妻になってのんびりスローライフを送る。素晴らしき世界に私はやって来た。


「ヒャホー」


「お嬢様、どうされたのですか? 変な掛け声? を出されて、来週の金曜日は王宮にご機嫌伺いに行く日です。しっかりしてください」


「大丈夫よ。国王陛下にご挨拶をして、周囲に愛想笑いをすれば良いだけだから」


「お嬢様、本当に大丈夫ですか? フランソワ王子様へのご挨拶はどうされます。お忙しい中、時間を取って頂いたのですよ」


「そう言うのは、もう良いからキャンセルね。私はルイ王子の婚約者ですから」


「お嬢様! 王妃になると言う野望はお忘れですか!」


「セバス、そう言うくだらないことに時間を費やすのは人生の無駄遣いですよ。私は平穏無事に生きるのです」


「素晴らしきかなスローライフです」


「お嬢様、近日中に一度お医者様に診てもらいましょう。今は早くご朝食をお摂りください」


 私は侍女たちに取り囲まれて、着せ替え人形になった。



 金曜日、私は王宮に行き、国王陛下にご挨拶をして王妃様にもご挨拶をしてとくに問題なし。このシーンはスキップ出来ないので、完全に覚えている。


 この後、ダリアはフランソワ王子に言い寄るシーンになるのだけれど、私にはそんな気はないので、問題は解決しました。お忙しい中お時間を取って頂きありがとうございましたで、終了させる。



「フランソワ王子、お時間を取って頂きありがとうございます。ただ私が抱えていた問題が先日解決しましたので、フランソワ王子様にお願いする必要がなくなってしまいました」


「申し訳ございません。お時間を取って頂きましたのに、本当にありがとうございました。私はこれで失礼いたします」


「少し待てダリア」


 やっぱり怒られるよね。時間を作らせて、もう良いですって言ったら。私なら怒る。ふざけるなって。ここは好感度が下がっても仕方がない。


「私はこの空いた時間を有効に利用したい。私は街に行きたい。ダリア、馬車の用意は出来るか?」


「はい、ご準備は出来ますけど……」


 アイリスと密会するのか。私はお邪魔だから、そう屋敷に帰ろう。


「フランソワ王子様、馬車をお貸しいたしますのでご自由にお使いください。では私はこれで失礼いたします」


「待て、ダリア、そなたの馬車に私が乗るのだ。そなたがいなければ、怪しまれるだろう!」


「そう言えばそうですね」


 ええ、恋人同士の中に私が一人って、それって恋愛経験のない私にとっては最大の拷問なんですけど。フランソワ王子って一途なので、周囲が見えなくなる欠点があったよねえ。面倒くさい。


 フランソワ王子は商人の格好をして、私も町娘の格好に変装をした。なぜかセバスが嬉しそうだった。


 馬車は予想通り、薬屋の側に止まってフランソワ王子が薬屋に入ろうとして、止まった。


「ダリア、何をしている。お前も来い」


 やだよ。人の恋話なんか聞きたくないよう。でも、仕方ない。相手は未来の国王陛下だし、スローライフを邪魔されたくないから、我慢しよう。


 私たちは薬屋に入った。


「いらっしゃいませ」


 うわーーーー、アイリスちゃん可愛い。やっぱり二次元より三次元だわ。金髪、碧眼、胸もお尻も大きからず、小さからずだ。


「今日はお二人なのですね。フランソワさん」


 ほら、お邪魔虫は消えろって言っているのよ。もう、アイリスちゃんに嫌われたじゃないか。


「これは妹のダリアだ。冷え性で困っている」


 フランソワ王子、設定を先に説明してもらわないと話しを合わせられないです。


「ダリアと申します。兄が大変お世話になっております」


「初めまして、私は薬屋の娘でアイリスです。失礼ですがダリアさん、お顔の色がよろしくないように見えますけど……」


「ええ、最近緊張することが多くて、お食事が食べられないものですから」


 こっちの世界は調味料が少なくて、何を食べても同じ味がするので食欲不振だったりする。


 おお、ここには香辛料がたくさんある。これで簡単レシピでビーフシチューが作れるかも。問題はスープだ。この世界には絶対に固形スープはないだろうし。牛の骨と鶏がらの購入は必須事項だ。


「お兄様、お金を。少し買い物をしてきます」


 フランソワ王子の顔が? になっている。仕方なく財布を取り出し金貨を一枚渡してくれた。


 私は金貨を握りしめて食材とスープの出汁をとる骨を購入した。


 肉屋で色々買ったのでおじさんが喜んで荷物持ちの男の子を付けてくれた。ありがたい。トマトらしき野菜、ブロッコリーらしき野菜も購入して、アイリスの薬屋に戻ったら、フランソワ王子もアイリスもびっくりしている。


「アイリスさん、台所をお借りします。それとそれと、それと、それも買います。お兄様お代をよろしくお願いします」


「ダリア?」


「よし、まずはスープ作り」


 魔道具のコンロだあ。業務用の強火が出来る。野菜と牛骨と鶏がらを入れて一気に煮詰める。スープが出来た。

 次にお肉をソテーして肉汁が出ないようにする。シチューに入れてと。生クリームがあれば最高なんだけど、今回は時間もないし我慢。


 いつの間にかあっちの世界の歌を鼻歌で歌っていた。アイリスちゃんが怪訝な表情になっている。


「ダリアさん、それはシチューですよね?」


「はい、シチューです」


「あのう、作り方を教えてもらえないでしょうか? 食べさせたい人がいるので」


「はい、喜んで」


 短時間でビーフシチューを作った。試食してみる、やっぱり生クリームがほしいなあ。牛乳で代用してみるかなあ?


「アイリスさん、牛乳はありますか? あれば少しシチューに入れてみたいのですが……」


「ええ、どうぞ」


 これって濃厚牛乳だよ。


「ヒャホー」


「……」


 シチューに入れてみた。美味しい


「アイリスさんも試食してみてください」


「初めて食べる味です。コクがあって美味しい。彼もこれならきっと食べてくれるはず」


 思い出した。アイリスには病気の幼なじみがいるのを。


「ダリア、何をしている!」


 うっ、フランソワ王子の事忘れていた。


「あのう、アイリスさん、お皿をお借り出来ないでしょうか? 出来れば温かい内に食べたいので」


「食卓が小さいですけど、よろしいですか?」


「ありがとうございます。兄も一緒に食べても構わないでしょうか? もちろんアイリスさんもご一緒に」


「ありがとうございます。あのう父の分を頂けると嬉しいのですが」


「はい、どうぞお先にお取りください」


 アイリスさんと一緒に食事が出来ることになってフランソワ王子のご機嫌が直った。


「ダリアの料理なのか?」


 かなり心配そうに一口目をフランソワ王子が食べた。その後はスプーンが止まらない。お代わりを要求された。


「やっぱり、食事は一人より大勢で食べた方が美味しい」


「ダリアさんは、お食事はお一人なのですか?」


 しまった。お局時代の思いを口に出してしまった。


「兄はいつもお仕事で忙しいので仕方ありません」


「フランソワさん、お仕事が忙しくても妹さんと食事くらいは一緒にされないといけませんよ」


「ダリアさんが、食欲がないのはきっとそのせいです」


 アイリスちゃんってめっちゃ良いだけどフランソワ王子が私を睨んでいる。


 食事を終えて後片付けも私がやった。フランソワ王子がひどくびっくりしている。まあ、公爵家の令嬢が食器洗いはしないよね。


「よし、終わった」


「ダリアさんって手早いのですね。私はそんなに上手に片付けられないです」


「私、料理は、食材の準備から片付けまできっちりやって終わりだと思っているので、こういう感じになってしまいました」


「ダリアさん、お約束ですけど」


「はい、約束は守ります」


「ダリアさん、また来てくださいね」


「もちろんです、アイリスさん」


 フランソワ王子の視線が痛い。


「ダリア、アイリスとの約束とはなんだ!」


「シチューの作り方を教える事です」


「王宮の料理長にも教えろ!」


「フランソワ王子様、私を王宮の調理場に入れてもらえれば教えます」


「公爵家の娘が調理場に入れるわけがないだろう。レシピだけでも良い」


「レシピだけではあの味は出ません。断言します」


「何とか考えてみる」


「ありがとうございます」



 私はスープの改良及び固形スープの開発に乗り出した。スローライフを送るためには固形スープは必須アイテムだと思ったから。まあ、じっと火の番をするのも良いのだけれど、美味しいものを手早く作りたい時もあるし。


 研究室という名目で自室に調理場を作らせた。公爵令嬢凄いぜ。セバスの目が怖いけれど。


 アイリスのところにしょっちゅう行っている。幼なじみ君は剣士さんなのだが、なかなかお薬を飲んでもらえないと愚痴っている。


 私は鶏肉の薬膳スープを持ってアイリスと一緒にユリアンさん、アイリスの幼なじみのお部屋を訪問した。


「ユリアンさん、お薬です。どうぞ飲んでください」


「君がアイリスの親友のダリアさんだね」


「はい、アイリスさんの親友のダリアです」


「ねえ、ダリア、これって普通の鶏肉のスープにしか見えないのだけれど」


「これは薬膳料理です。体に良いものが色々含まれています」


「アイリスがシチューに薬を仕込むように?」


「……」


「いえ、美味しくなるように調味料としてですけど」


 ユリアンさんが鶏肉の薬膳スープを飲んでくれた。


「美味しいよ。このスープ。全然薬臭くない」


「ダリアさん、そのスープの作り方を教えてください!」


「もちろんよ。アイリスさん」


「ねえ、二人とも親友なんだから、呼び捨てにした方が自然だよ」


 ユリアンさんが可笑そうに笑った。


「そうね。その通りだわ。これからは私のことはダリアって呼んでんね」


「はい、ダリアさん……、ダリア」


「それで、ユリアンさん、どうしてお薬を飲まないの。アイリスが困っているのよ」


「だって僕、薬代払ってないし。お金もないしさ。アイリスのところだってお父さんがバンバン研究費にお金を使っているはずだから大変だろうし」


「アイリス、そう言う事だそうです」


「お金なんてどうにでもなるわ。ユリアンが心配する事ではないのよ」


「でもね……」


「お父さんは何の研究をしてるの?」


「肺の病気の研究なの。詳しいことは全然教えてくれないの」


 ユリアンさんは肺病に罹っている。アイリスのお父さんはそれを治す特効薬の研究をしている。しかしそれが見つかるのはユリアンさんが亡くなってからだ。


「じゃあ、お兄様のツテでお父様の研究を援助してくれる人を探すわね。何とかなると思うわ。お兄様は顔が広いから」


「本当?」


「私に任せない!」


「アイリス、ダリアさんて面白い人だね。僕、一緒にいて飽きないと思うよ」


 アイリスの視線が怖い。何を言い出すのかこのユリアン君はお姉さん怒って……、めっちゃ嬉しい。


「ダリア、顔が思い切り、にやけているのはなぜなの?」


「ユリアンさん、カッコいいし……」


「ダメよ!」


「うん、わかっている」


「ダリアのイジワル」


「ねえ、二人だけで盛り上がるのはやめてよ。僕も混ぜて」


「ユリアンが変なことを言ったからでしょう」


「そうだ、そうだ」


「良かった。アイリスに本当の親友が出来て……」


 やめてください。それってフラグだから。



 公爵家の薬草園に研究所を建てた、ギュンナー薬品研究所。ギュンナーはアイリスのお父さんの名前だ。ギュンナーさんには助手を二人付けた。


 セバスの視線が痛い。これは人助けだ。不治の病が減るのは良いことだし、フランソワ王子にアイリスは非常に感謝をしていて、フランソワ王子のご機嫌はすこぶる良い。


 私のスローライフ生活の実現に一歩近づいた。


「ふふふーーーー」


「お嬢様、もう一度お医者に来ていただきましょうね。お嬢様は変です」


「セバス、私は元々変だったのよ。まったく心配ないから」


「お嬢様……、ルイ王子がお召しですが。何かされましたか?」


 ルイ王子は模型作りが趣味なのだが、たいてい途中で放り出して次の模型を作り始める。私はそういう中途半端が大嫌いなので、無断で、婚約者権限でルイが放り出した模型を完成させ、ついでに色も付けてみた。


 勝手に模型に触ったことが気に入らないのだろう。まあ、ルイは私にはまったく興味がないので、お小言で終わるはず。王族だから怒鳴ったりはしないはず。


 怒鳴られるのは新人の頃、いじめにあっているので、私のメンタルは鋼になっている。ドンとこいだよ。



「少し尋ねたいことがあって、来てもらった。この模型に色をつけたのはそなたか?」


「はい、そうでございます。殿下」


「そうか? ただここにこの色というのはどうかと思うが?」


「私も、ここはもう少し黄色を強調した色にした方がしっくりするのですが、色がございませんでした」


「それとこの部分は角張っているよりも丸みを帯びた方が良いかもしれません」


 私はスケッチを描いてルイ王子に見せてみた。


「確かにその方がカッコ良い。うむ、その絵を貰えないだろうか? その絵に基づいて設計図を描いてみる」


 そう言うとルイ王子はそそくさと王子の趣味の部屋に戻って行った。



 私は試したいことがあったので、セバスに馬を用意するように言った。最近ではセバスも諦めたようで言われたことだけする様になった。付いて来いと言われないと付いても来ない。まあ、自由で良いのだけど。


 公爵家の森で、私はある事を試してみた。


「サラマンダー召喚、ワイバーン召喚」


 火を噴く火龍のサラマンダーが現れた。亜龍ではあるものの一応ドラゴンに分類されるワイバーンも召喚出来た。あと一つはかなり緊張する。サラマンダーとワイバーンに自分を襲わせるから。


「結界!」


「サラマンダー、ワイバーン、私を攻撃」


 サラマンダーとワイバーンに自分を攻撃させている。サラマンダーが吐く炎は結界によって防がれている。ワイバーンの体当たり攻撃も防いでいる。成功だ。


「サラマンダー、ワイバーン」


 私が考えると、サラマンダーもワイバーンも消えた。


 もう一度、頭の中でサラマンダー、ワイバーン召喚と考えると、サラマンダー、ワイバーンが召喚が出来た。無詠唱でも召喚出来ることを確認し、またサラマンダーとワイバーンと口に出してみた。


「うん、消えた」


 この世界では人の命は軽い。すぐに殺されてしまう。とくにこの公爵家はあまりよろしくない事業に手を染めているので、揉めると暗殺される。


 そう言うことで、二度と殺されない様に準備をしてみた。公爵令嬢ダリアは黒魔術に凝っていて魔術でフランソワ王子の気を引こうと試みたが、そう言う系統の魔術には適正がなく、出来たのは召喚魔術と結界を張る事だけだった。


 モブキャラなのでそう言う設定があったというだけで、実際にはそれを使う前にフランソワ王子に始末されていた。


 これで一応自分の身の安全は計れる。ファンタジー世界、凄い!



 ここのところ、ルイ王子やフランソワ王子からの呼び出しが多くて結構スケジュール調整が大変になっている。


 セバスは言われたこと以外してくれないので、私がやっている。うん、秘書を一人雇おう。私ではちょっとさばききれない。


 この忙しい最中さなかに第二王子のシャルルから呼び出された。ゲームの設定では兄弟を殺害して王位につくという悪役キャラだった。


 あまりお付き合いしたくない方だが、私の快適なスローライフ生活を送るためには敵には回したくない王子だ。



「ダリア、お召しにより参りました」


「ダリア、お前、兄上とルイのところばかり行ってなぜ私に挨拶しに来ない。どう言うつもりだ」



「はい、申し訳ございません。フランソワ王子様から至急来るようにとご命令がありますし、ルイ王子は私の婚約者ですので、王宮に参った際はご挨拶に行かないといけませんから」



「シャルル王子様はアン様と婚約されておられますので、私がご挨拶に行くとアン様に疑われてしまいます。アン様のご実家のウインダー公爵家と我が家はあまり仲がよろしくございませんので」



「お互い利権を貪っている公爵家同士だからなあ。俺はウインダー派閥だと思われているわけか。一言言ったおくが俺はウインダーの犬になるつもりはない」


「それを聞けば父も喜ぶと思います」


「お前、なぜフランソワと婚約しなかった?」


「フランソワ王子より断られたと父より聞いております」


「しかし、フランソワのところにちょくちょく行っているよな。お前は」


「フランソワ、あれはおかしいと思わぬか?」


「別に思いませんが」


「俺の後ろ盾はウインダーが、ルイの後ろ盾はお前の家がついている。フランソワの後ろ盾は父上のみだ。なぜアレは誰とも婚約しない」


「女の勘ですが、すでに心に決めた姫君がいらっしゃるのでは」


「隣国の姫か? あそこの騎士団は勇猛だ。しかし姫はまだ七歳かあ」


 なぜそう言う発想になるのだろうか? 解せぬ。


「今後は王宮に来た際は、俺のところにも挨拶をしに来い。命令だ」


「はっ、謹んでそのご命令お受けいたします」


 やばいよ絶対、アン様が怒る。ウインダー公爵が怒るよ。



 「ダリア、染色ギルドに要望を出した。もっと様々な色が出来る様にするようにと、とくに黄色がかった緑の開発を優先する様にと。では設計図を描いて来る」



 私はルイ王子の婚約者で良かったよ。とっても良い人だ。私との趣味も合うし、シャルル王子は怖いわ。でも、シャルル王子は誤解をしている。フランソワ王子に味方する貴族がとっても多いことを。



 ゲームでは、私がフランソワ王子に始末された後はうちの派閥に所属していた貴族たちは即座にフランソワ王子に寝返ってしまった。


「ダリア、ユリアンの病気が治ったの!」


「それは良かったね」


 私的にはとってもまずいです。アイリスはユリアンが大好きなので、フランソワ王子はアイリスに振られる。


 でもってアイリスとユリアンの間を取り持ったのが私。私はやっぱりフランソワ王子に始末される運命なのか? 


 ふふふ、大丈夫だ。私は召喚魔術と結界が張れる。始末される前に逃げよう。スローライフ生活よさようなら……。


「それが良くないの」


「はあ?」


「剣闘士試合に出るって言い出したの!」


「剣闘士って、真剣で斬り合うあれですか?」


「そう、それなの。やっと元気になったら剣闘士になるなんて。ダリアもユリアンを説得して」


「はい、親友の頼みなら!」



「ユリアン、あなた元気になったら剣闘士になるってどう言うこと!」


「僕は剣闘士なんかにはならないけれど、何のこと」


「あのう、アイリス、ユリアンは剣闘士にはならないそうですけど……」


「じゃあなぜ、剣闘士試合に出るって言うの?」


「僕が傭兵になるための試験が剣闘士試合だからだけど、それがどうしたの」


「アイリスだって知っているだろう、僕が傭兵隊長のイライザ様に憧れて剣士になったのは」


「そうね、あなたが財布に大事に入れてる絵姿の人よね」


「アイリス、人のプライバシーを覗くのは良くないよ」


「覗いたりしていません。あなたが酔っ払って倒れた拍子に財布から絵姿が飛び出したの」


 こう言うイベントもあったんだ。まあ、私が特効薬の開発を急がせたせいだけど。まあ良いか。


「でも、剣闘士試合に僕は出場出来ない」


「どうして?」


「参加条件が二人一組だから、僕が参加していたパーティは全滅したから、僕は参加が出来ない。でも、イライザ隊長の下で働きたいからずっと隊長の後を付いて行くつもり」


「ユリアン、あなたって人は……」


「ユリアン、私がその試合出てあげようか?」


「ダリア、君、死にたいの。自殺願望でもあるの」


「ユリアン、その剣で私を突いてみて。大丈夫だから」


「ケガをしたら、アイリスの店の傷薬を塗ってもらってね。よく効くから」


「ユリアン、やめて!」


 カチン、剣が弾かれた。


「ねえ、大丈夫でしょう」


「ダリア、君は何者なの?」


「私はそうね召喚魔術師かな。魔獣も召喚出来るから。これは秘密なの。お兄様も知らないの」


「ダリア、あなたより凄い魔術師もいるかもよ。大丈夫なの」


「その時はユリアンさんを連れて逃げます。逃げるのは得意だから。お局時代から」


「何、お局ねって」


「あっ、こっちの話」


 しばらくユリアンさんは考えこんでいた。


「条件は何? 美味しい話には決まって落とし穴がある」


「試験に落ちたら、あなたは傭兵を諦める。私は自分の身を守るだけ。あなたのサポートはしない。でも、あなたが危なくなったら、あなたを助けて逃げます」


「つまり、僕一人だけで相手を倒せってことだね」


「そう言うこと、どうする?」


「受けて立とうじゃないか、僕を見くびってもらっては困ります。ダリアちゃん」


「アイリス、心配ないから、危なくなったら即座にユリアンを捕まえて逃げるから」


「ダリア、大丈夫なの」


「親友を泣かしたりはしない。約束します」


 私とユリアンが剣闘士試合に出場することが決まった。



「ダリア、ユリアンは夢を諦めてくれると思う」


「思わない。たぶん、何としても夢を叶え様としてもっと危ないことをすると思う」


「ただし、自分よりも遥かな高みにいる人と戦ってボロボロになったら考えが変わるかも」


「ダリア、私ね小さい頃から剣士に憧れて毎日厳しい訓練をしていたユリアンが、ボロボロにされるのって辛すぎる。彼の夢は叶えてあげたい。でも、危ないところには行ってほしくないの」


「ユリアンが生きてくれさえすれば私は幸せなの」


「恋ですね。ユリアンには好きな人がいるのが問題だよね」


「そんなことは……あるかなあ……、イライザ様かあ」


「ユリアンの子どもの頃から憧れていた女性剣士だからねえ。ユリアンはその女性剣士を研究して、今の彼になったの」


「アイリスも一度そのイライザ様に会ってみたらどうかしら? 傭兵をしてるのだから薬屋と縁が深いと思うし……」


「今はまだ会う自信が私にはないの」


「ええとですね、うちの兄上はどうでしょうか? 兄上はアイリスのことが好きなんだけど」


「今は誰とも恋をしたくない気分かな。ダリアはどうなのよ」


「私は亡くなった両親の遺言で婚約者が決められているから恋人とかは作れないの」


「相手の人はどんな方なの」


「悪い人じゃないけど、無口、すぐに自分の部屋に引っ込んでしまう人なの。でも、一緒にいて一番楽な人かな」


「結婚相手としては一番良い感じだよね」


「私もそう思うけど、一度くらい恋もしてみたいよ」


「ダリアって恋愛経験がないんだ」


「恥ずかしながら、ご縁がなかったです」


 おかしくなって二人で笑ってしまった。そして泣いてしまった。

 


 試合のチーム名は主催者が勝手に決めた。神速の剣士と召喚魔術使いになった。


 今日は第一試合、アイリスを誘ったのだけど、怖くていけないって断られた。仕方ないかあ。


 私たちの番が来た。私は事前に闘技場の上空に脱出用のワイバーンを待機させた。


 サラマンダー二頭にテーブルと椅子を持たせて、私はポットとティーカープを持って闘技場中央に腰掛けた。日焼けが嫌だったので長袖のドレスに日傘を持って、顔バレしてはいけないので仮面を付けて登場した。


 観客席から剣闘士舐めるなとか罵声が飛んでいる。ユリアンが登場した。こちらも二枚目の優しげな男の子だったので、これまた罵声を浴びた。


 試合相手は見るからに悪そうなマッチョな二人。一人は剣士ぽい、一人は斧使いの様だった。


 私はサラマンダー二頭を召喚して私を守らせた。当然結界も張ってある。


 開始の合図とともに二人とも私に襲いかかって来た。剣士ぽい人は結界に剣を突き刺した途端にサラマンダーが噴いた火炎に包まれて戦闘不能になった。


 斧使いの人は私の結界を全力で叩いて斧の柄が折れたところをユリアンに刺されて戦闘不能になってあっさり試合が終わってしまった。


 予選なので一日二試合目、相手は真っ当な剣士とこれまた真っ当な槍使い。この二人は私のことは完全に無視してユリアンのみ攻撃している。


 ユリアンはずっと顔に笑みを浮かべて楽しそうだ。相手のフェイントの裏をかいて剣士に刺突を入れて戦闘不能にした。


 槍使いはそのリーチを生かして、的確に突いて来る。ユリアンから笑みが消えたと思ったら、槍使いの懐に入って、槍使いをあっさり戦闘不能にしていた。


 第三試合は明後日になった。二日目から闘技場に来る人が増えた様で周辺の道が混んでいる。なんか私たちの主催者非公認ポスターが売られているらしい。


 ユリアンが二枚目だから話題になっているみたい。そのお陰で私は目立たなくて良いのでありがたい。


 第三試合は、下馬評で優勝候補の二人が出て来た。あれ、私たちってまだ予選なので、そう言う強い人には当たらないはずって聞いたのだけど。


 闘技場が満員御礼になっている。無名の神速の剣士と無名の魔獣使いが勝つか? 無敵の弓使い様と無敵の紅の剣士様が勝つのかって、司会者が会場を煽っている。


 相手が無敵で私たちは無名を強調しているのは何か悪意を感じる。


 紅の剣士さんとのユリアンは互角だと思う。どちらかと言うとユリアンの方が押されている。私にもびっくりする事があった。完璧な結界だと思っていたら、魔力で出来た矢が突き刺さったのだから。


 魔力から作られた物だと威力があれば私の結界が貫通することがわかった。今日は運が良かった。


「玄武」巨大な亀を結界内に置いた。矢が結界を貫通しても玄武の甲羅で防げる。


 さすがは無敵の称号は伊達ではない。


 矢が結界を貫通して玄武の甲羅に刺さった。サラマンダーが弓使いに火炎を噴き掛けるも火鼠の皮衣まとっている様で、ダメージは最小限に抑えている。私たちを研究しているのがよくわかったよ。


 この試合は長期戦になりそうだ。弓使いが玄武の正面に入った途端、玄武が火炎を噴き出した。サラマンダーよりも高温、高圧の火炎をマトモに食らったので弓が炭になっていた。


 弓使いは、弓から投擲とうてきに攻撃を変えたけれど、私との距離が詰められるず、無敵の弓使いさんに焦りが見える。で、不意に後ろからユリアンに刺されて戦闘不能になってしまった。


 紅の剣士さんは強かったのだけど、体力面でユリアンの方が優っていた。


 闘技場が大盛り上がりをしていた。いわゆる番狂わせで観客が熱狂している様だ。


 私たちが、控室に戻ったら主催者さんから呼び出された。



「君たちはここまでだ。辞退してもらう」


「なぜですか?」


 ユリアンさんの表情が怖い。下手をすると主催者全員がいなくなりそうだ。


「君たちが出場すると賭けが成立しない」


「はあーー」


 何か意外な答えで力が抜けた。


「剣闘士試合ではどちらが勝つか、賭けることが出来る。その売上が主催者の収益になるのだが、君たちが出場するとだねえ、全員が君たちに賭けるので賭けが成立せず、主催者我々にお金が入って来ないのだよ」


「それじゃあ僕たちどうなるのですか? 賞金はいりません。でも、イライザ隊長が率いる傭兵団に入りたいのです」


「ユリアン君、君はすでに傭兵団の試験に合格している。ただ、一つ気に入らない事があるけれどね」


「イライザ隊長、お久しぶりです。ユリアンです。隊長に憧れて剣士になりました」


「よくわかっている。君は私の技を完全にコピーしている」


「それがまったく気に入らない」


「えっ……」


「手合わせをしてやろう。そのなまくらではダメだ。これをやる」


 イライザ隊長が腰に下げていた剣をユリアンに投げた。私は恋に落ちる男の子の瞬間を見てしまった。


 ユリアンとイライザ隊長が剣舞を舞っている。美しいとしか言えない。イライザ隊長はユリアンに僅かな隙が出来ると、遠慮なく蹴りを入れていた。これが実戦の手合わせだと言うことをわからせるかのように。


 ユリアンが倒れた。ピクリとも動かないけれど、でも顔の表情は満足そうだ。


「魔獣使いはどうする。私の傭兵団に入る気はあるのか? まったく攻撃する気がなく、逃げ出すためにワイバーンを待機させていたお前は?」


「私は防御のみの役立たずの魔獣使いですから、お気になさらず」


「お前は使い方次第で一個大隊に相当するのだが……」


「ユリアンが助けを求めてきたら協力します。彼は友人ですから」


「わかった、仮入隊扱いにしておく」


「ありがとうございます」


 困った。アイリスにどう話せば良いのか?



 私はいつもの町娘の姿になってアイリスの薬屋に入ってのけぞった。


 そこには、一枚のポスターがど真ん中に貼ってあった。神速の剣士と魔獣使いの文字と、これって絶対あちら系の人が怒る絵柄のイラストがどーーんと描かれている。


 アイリスがなんか怒っている。


「絶対、手抜きよ! ユリアンがこんな、酷い、酷すぎる!」


 私としてはビキニアーマ姿で仮面を付けて、すんごくエロい魔獣使いのイラストが気になる。まったく私に似ていないのは良いのだけれどね。


「あのう、すみません」


「はい、いらっしゃいませ、あっダリアか」


「はい、ダリアただ今戻りました。で、何をそんなに怒っているのアイリス」


「このポスターを見て、ユリアンを見てどう思う」


「本人の方が美形だと思うけど」


「当然よ。ユリアンをちゃんと描ける絵師って超一流だもの」


「この三流絵師は酷すぎるのよ、魔獣使いは全力で描きました。剣士はついでに描きました感が強いもの」


「明日の第四試合、フランソワさんと応援に行くから、頑張ってね」


「それがですね、主催者さんから出場辞退をさせられて、明日の試合はなくなりました」


「どう言うこと!」


 主催者から言われたことを正確に話した。アイリスが青ざめている。


「ユリアンは、ユリアンは法に触れることはしてないわよね」


「大丈夫、イライザさんがいたから」


「どう言うことなのダリア」


「イライザさんがユリアンを気に入って傭兵団への入隊を許可した上に、イライザさんが今まで腰に帯びていた剣をユリアンにあげたから。ユリアンが舞い上がって倒れたのよ」


 アイリスの表情が極めて不穏になったので早く帰ろうっと。


「じゃあ、私帰るね」


「フランソワさんに言付けをお願い。神速の剣士が不参加なので、明日の試合は見に行きませんって、伝えてねダリア」


「うん、わかった」


 私はフランソワ王子にポスターに載っているチームが不参加になったので、明日のデートは中止になりましたと短く書いて報告したら、即座に王宮に拉致されて詳しく尋問された。


 フランソワ王子自ら剣闘士試合の主催者のところに言って、さらに尋問をされたそうだ。


 そんなに楽しみにしていたデートだったんだね。フランソワ王子って良い奴だ。でも周囲は迷惑だ。


 アイリスの薬屋に行くとなぜかあのポスターが貼ったままになっている。解せぬ。



「お嬢様、シャルル王子が兵を集めている様でございます。お父上はルイ王子を守るとのことです」


「それで、私は何をすれば良いの?」


「フランソワ王子にこの事を伝える様にとのことです」


「わかったわ。フランソワ王子の居城に行きましょう。セバス」


「御意」


 フランソワ王子を倒して次はうちを倒すのか。タイミングとしては最高だ。国王陛下は病気療養中。フランソワ王子は居城にいる。王城にいるのはシャルルとルイ王子だけ。


「ドリアン公爵家令嬢ダリア、参陣致しました」


「よし、通れ」


「ほう、ドリアン家が私に味方してくれるのか?」


「いえ、父上はルイ王子の元に兵を率いて行ったので、私とセバスの二人のみでございます」


「さて、父上は南の地で療養中、王城の近衛は動かない。私に従う貴族の兵は三千と五百。あちらは三万と聞く」


「で、どうするドリアン家令嬢ダリア殿」


「王都にはイライザ隊長率いる傭兵団五百名がおります。そこに依頼を出すつもりです」


「五百の兵が増えても大勢に影響はないと思うが……、まあ良かろう。ダリア好きにせよ」



 私はイライザの傭兵団の身分証明書を見せて王都に入った。で、魔獣使いの服装に着替えて傭兵団隊長のイライザさんに面会を申し込んだ。


「何のようだ、ナナシの魔獣使い殿」


「私はフランソワ王子の側に付きますので、そのご報告です。もしかしたらイライザ傭兵団はシャルル様の側かもと思いまして」


「確かにシャルルからの依頼は来ている」


「なぜか、一番要請があるはずのフランソワからは来ないが」


「お前、フランソワに恩でもあるのか?」


「はい、少しだけ。ただフランソワ王子が負けると私の親友に迷惑が掛かりますので、問題の火種は取り除いておこうかと」


「で、フランソワは私たちを雇うと言っているのかな、ナナシ殿」


「はい、殿下はそれをお望みです」


「良かろう、その依頼受けた」


「ありがとうございます。私、ユリアンとは戦いたくなかったので」


「つまり、お前が先陣を切るということか?」


「そうか、私は幸運だと神に感謝するとしよう」


「あのう、いつか私の実力は一個大隊と仰っていましたが、一個師団の間違いだったことをお見せしたいと思っております」


「ほう、私も見誤る事があるのか。楽しみにしている」



 草原、私の前には三万の兵士。私の後ろにはイライザ傭兵団を含んで四千の兵士がいる。


 私はその中央でテーブルの上にお茶セットを置いてお茶をしている。私の前には三頭のサラマンダーと一頭の玄武。上空には十頭のワイバーンが舞っている。


 シャルル王子の兵が進軍を始めた。私に向かって矢を放ってきた。問題なく結界が弾いた。


 サラマンダーが一斉に火炎を噴く、玄武が火炎を噴いた。正面にいた兵士は跡形もなく消えた。ワイバーンが上空から指揮官を襲って、兵士が見ている前で食べた。


 シャルル王子側の動揺は激しい。


 サラマンダー、玄武が再度火炎を噴く。また数百近い兵士が一瞬で消えた。馬に乗っていた指揮官、貴族が馬から降りた。


 指揮官と有力貴族がワイバーンに食われることを恐れたのが兵士に伝わった。ワイバーンが適当に兵士を食い出した。もはや隊列を維持する事が出来ずシャルル王子の軍は総崩れになる。


 戦闘はそれだけで終わった。


 その夜シャルル王子側の貴族から寝返りの申し出が来たので、シャルル王子とウインダー公爵を捕らえれば今回の行動は不問にすると、伝えたところ、シャルル王子とウインダー公爵は捕らえられ、フランソワ王子の元に送られたから。


 ウインダー公爵派閥は消え、フランソワ王子の勢力が大幅に拡大した。


 困った。フランソワ王子が超絶不機嫌だ。国政を見ろと国王陛下に言われて時間がさらになくなってアイリスに会えなくなったから。


 権力にものを言わせて、アイリスをお城にって言ったら、フランソワ王子にマジでゲンコで頭を叩かれた。


 フランソワ王子、本当に迷惑なんだけど。私のスローライフはまだまだ先みたいだ。





 

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