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過去編  作者: さくらもち
ひまわり編
20/37

ひまわり編・5話

ひまわり編5話です。

この回は作者の中ではかなり大切な回なんですよね。

「大丈夫?」


ひま「…あ、ありがとうございます…」


精一杯ニコリと笑ってみせた。

女の子は僕の傷口に目を移す。


「どういたしまして!それ…いたいよね。」


ひま「もう、なれました」


「…そう言えば!あなたの名前は?」


言いたくない…。僕、自分の名前好きじゃないんだけどな…。女の子らしいから好きじゃないのだ。見た目だけでなく名前まで女の子らしいのが嫌なのだ。


でもまあそんなことも言ってられないので、渋々と答えた。


ひま「_ひまわり。ぼくはひまわりと言います。」


「ひまわり!」


ひま「…えっと…」


「さくはさくらって言うの!」


ものすごく元気に答えたくれた。

さくら…って言うのか……。


ひま「さっきは本当にありがとうございました。…すごかった…」


いじめっ子達がすぐに逃げ出すほどに…


ひま「ぼくもあんなに強かったら…」


そしたらもう虐められないだろうか。

楽しく、何も考えずに外を歩けるだろうか。


でも、変身魔法もろくに使えないような……こんな僕なんかに…


さく「なれるよ!強く!」


僕の気持ちをかき消すように、またよく響く声でそうさくらさんは答えた。


ひま「ほんと?」


さく「ほんと!」


さくらさんはニカリと笑いながら親指を立てた。


さくらさんに武術を教わったら強くなれるのだろうか…。

こんな……僕でも……


ひま「…えっと……」


さく「なに?」


ひま「…今度さくらさんのところヘあそびに行ってもいいですか?」


さく「もちろん、いいよ!」


ひま「お家ってどこに?」


さく「あそこ!あのでかいやつ」


そう言ってさくらさんが指さしたのは王宮だった。


ひま「え…まさかさくらさんって…王女か何かですか?」


さく「うん、そうだよ。よろしくね、ひまわり」


ひま「…よろしくおねがいします」


そ、そんな凄い精霊がなんでこんなところに……?

謎が色々頭に浮かび始める。


その瞬間、さくらさんは僕の背中に手を回した。


僕は驚いて硬直してしまう。


さく「へへ、よろしくねのぎゅう」


さくらさんは耳元でそう言った。


ぎゅう……。

ああ、ハグのことか…。

1度もされたことが無かったからピンと来なかった。


…それに、変な感覚だ。


こんな寒い日なのに、何故か温かかった。

単に彼女の体温が高かったからでは無い。

心が、温かかった。


何かは分からないけど、初めての感覚だ。


そして、ただ心がじんわりと温かいだけなのに、自然と笑顔になってしまう。


ただ背中に手を回されているだけなのに、

とっても嬉しい。


そして温かくて苦しかった。ギューっと胸まで締め付けられるように。


でも、嫌な苦しさじゃない。


…もっと、もっと、この時間が続いても良い。



僕もさくらさんの背中に手を回した。

あ、ちょっと救われた…。ひまわり、良かったね…。


読者の皆様の思ったこと代弁してみました。


ここまでご覧頂ありがとうございましたm(_ _)m

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