ひまわり編・4話
ひまわり編4話です。
これは秋にあげたかった……
【当ひまわり視点】
4歳の秋、今日は初めて城から少し離れたところまでやってきた。
もしも、あのいじめっ子たちに会うことが無くなったら、これからはここまで来よう。
そこは向日葵と桜が同時期に咲く、不思議な場所だった。初めて見る光景に息苦しくなる。
色んな種族の精霊がいるから観光地とか何かなのだと思う。
僕がそんな風景に浸っていた時、
「お、見つけた!」
「今日も~遊ぼーぜ?」
いつものいじめっ子3人組が何故かここまで来ていた。
(なんで……)
わざわざいじめるために探しに来たのだろうか。
僕は俯いて気付かないふりをした。
「おい、きーてんのかァ?」
「無視すんなよーオレたち友だちだろ?」
そう言って強引に袖を引っ張ってきた。
人気の少ない所に連れていかれ、1発殴られた。
ひま「……やめてください。」
もしここで反抗して、
「なんでー?」
「ハハハ!」
もういじめられることがなくなったら_
ひま「…だから……もう本当に……
やめてください…!!」
…大声で叫んでしまった。
泣いてしまい、更には声が震えて、響くような声は出せなかったものの、思ったより大きい声を出した自分自身に驚く。
いじめっ子たちも少し驚いていたが、またすぐに怖い顔つきになった。
「…るせーなあ!」
「あはは!泣き虫ー!」
ああ、やっぱり逆効果だった。
ふと反抗すれば…と考えてしまった僕がダメだった。
また今日も俯き、彼らのなすがままにしようと覚悟した時だった。
「こら!やめなさい!」
女の子の声が狭い道に響いた。
僕もいじめっ子たちも肩を跳ね上がらせた。
「なんだこいつ?」
金髪の女の子はなにやら大荷物を抱えながらこちらにゆっくりと歩いてきた。
「それ以上この子をいじめたら許さないよ!」
(ま、まずその荷物何とかしたらどうなの……)
「うるせーなー!」
急な展開に頭が追いつかず呆然と見つめていると、いじめっ子たちは怒りだし、僕ではなく女の子の方に走りかかって行った。
(あ、危ない…!)
僕はともかく女の子にまで被害を与えてしまう訳には行かない…
女の子は持っていた荷物を乱暴に投げ出して、咄嗟に近くにあった木の棒を持った。
(うええ……その袋大丈夫なの……?なんか食べ物とか入ってそうだけど…。しかもそんな棒なんかで…)
しかし女の子はいじめっ子の攻撃を上手くかわしながら木の棒で殴っていった。
「…これ以上、この子をきずつけないで」
これ以上は相手にしてはいけないと察したのか、いじめっ子たちは慌てて逃げていった。
女の子はため息をついて持っていた木の棒をカランカランと地面に落とした。
そして、僕の元へ駆け寄ってきた。
思ったんですけど、ひまわりってほんと幼少期の周りの環境恵まれて無さすぎですよね。
ここまでご覧頂ありがとうございましたm(_ _)m