さくら編・1話
さくら編 1話。
【視点なし】
__14年前
「ママー!」
一人の女の子の明るい声と勢いよくホールを駆け抜ける音が響く。
_ここは王宮のホール。大きなホールにグラウンドピアノが一つぽつんとある。
楽団を呼んでピアノの練習する時もあるが、普段はピアノの音だけがこのホールに響く。
「今お仕事中だからちょっと待ってね~」
女の子の母は腰あたりまである金の髪をサラサラとなびかせながら、金色に輝かせた横目でそう返した。
「ママのピアノ、きれいっ!」
「ありがとう。…さてお仕事終わり。さく、こっちにおいで」
そう言いピアノの椅子からひらりと立ち上がった。
_女性の名は那楽。
那楽は作曲や演奏をする音楽家で、いつもピアノを弾きながら作曲や演奏会の為の練習をしていた。
歌の才能もあり、女神の様な美しい容姿から『歌姫』と言われて親しまれていた。
那楽「さく、ピアノ弾く?」
「うん!」
女の子…さくらはピアノの椅子にちょこんと座ると那楽をジーッと見つめた。
那楽は分かっていると言うように、抱えていた楽譜をピアノの上に置き、そこから1枚の楽譜を取り出した。
那楽「これでしょ、さく。ママのこの連習曲、まだ途中だったもんね」
さく「うん!それー!つづきおしえて!」
さくらは那楽からのレッスンを受け始めた。
【雑談コーナー】
あらかじめ言っておきますが、
蘭夜達が見たのは5~6話、7話の【視点なし】まで
さくらが見たのは、1~2話、4~6話、7話の【視点なし】までです。
それ以外は、さくらしか知らない 物語。
ここまでご覧頂きありがとうございました。