時は想いを薄くする
▶2265年6月1日
ストレンジナイト。俺の最愛の者を奪ったあの奇妙な夜。ベアーズ・キラーの党首の右腕であったガーラ翁の娘である、リンが狙われるのは運命の範疇だっただろう。俺は全てを恨んだ。この世界は何かおかしい。第三次世界大戦は仕組まれたものだ。俺は必ず、シリウスの為にも、リンの為にも、ポラリスを破壊する。
死神に魂を売っても
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「なぁその首飾りじゃなくてもさ、その、ハンカチとかでもいいんじゃないか?」
「ハンカチ?」
「あ〜、そうだね〜、シュリはいつもハンカチ持ち歩いてるもんね〜」
俺たち3人はタイムカプセルに何を入れるか論争を繰り広げていた。
「ハンカチでもいいけど、わたしは首飾りを入れたい。邪魔だもの。これを機にさようならしたいわ」
「さようならは出来ないよ〜、だって大人になったら掘り出すんだから〜!!」
「そういうサンは、何を入れるんだよ」
「僕はね、」
そういうとサンはハサミを取りだし、親指の第一関節程度までの長さで前髪を切り
「前髪だよ〜!」
俺は意味がわからなくてサンを数秒見つめたが、体感時間は数時間ほどあった気がするくらいに思考回路がめちゃめちゃになった。
「は、ひ、は、えっと、まえ、が、み?」
「そうだよ!これが僕の思い出だよ〜!」