表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神のポルックス  作者: 遊舞田
2/4

変わらない僕達

僕はいつもの場所にいる。

ここにいると落ち着く。日差しが当たり、街の人々の声が聞こえ、そして


「シリウス、またそこにいるんだ〜」


そう言って、いつも屋根上に寝転んでいる僕に声を掛けてくる少女がいる。


「あ、シュリ!」


シュリは、ここ無類国家パンドラで出会った友人の1人だ。胸下までの長さがある黒い髪に、綺麗な黒の目。首元には細い紐にハートを半分にしたような飾り、そしてどこか不思議なオーラのある少女はいつも屋根上にいる僕を呼ぶ。


俺は屋根をおりシュリの元へ向かった。


「よし、今日はどこ行く?」


「あのC-03地点にある広場はどう?」


「そうだね!なら行こう!」


"C-03地点"このように、無類国家パンドラは区切りを作っている。

僕が住んでいる場所は、無類国家パンドラが領地としている領域のほぼ中心にあたる、A-02地点にある。シュリも同じだ。その時、前方から手を振ってこちらに走ってくる少年が見えた。


「おーい!2人とも〜!今日も先に集まって何話してるの〜!」


「来たね、これで3人揃ったわ」


少年の名は、アサ。アサも、ここパンドラで出会った友人の1人。僕らはいつも3人で集まり、遊んでいる。ここ無類国家パンドラは子どもがあまりおらず、ここA-02含めAで区切られている地点にいる子どもは僕ら3人だけだ。


「今日はどこに探検に行くの?」


アサは目を輝かせて聞いてきた。アサは、僕のひとつ下の歳で、まさに弟のような存在だ。無邪気で好奇心旺盛で、なによりも、優しさに溢れている。


「C-03地点までだよ!」


僕はアサに広場まで行くことを伝えた。


「歩いて、30分はかかるわ。遅れないでよ、アサ。」


「シュリは歩くのが早いんだよー!」


アサがそう言うと、シュリは少し笑い


「なら、手でも繋いであげようか?」


「えー!シュリと?やめとくよ!シリウスから怒られちゃうから!」


「ア、アサ!!何言ってんだお前!!」


「ふふふ、シリウスは良いのよ。さっ、行きましょ」


僕達3人は毎日こんな感じで"探検"に向かっている。


いつもと変わらない日々。

今日も何も変わらない楽しい日だと良いな。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ