プロローグ
2100年───地球は2年前から勃発した、3度目の世界大戦により壊滅した。我々が住んでいた日本と呼ばれていた国は近辺国の大陸を含め異様な形に変わっていた。日本だけでなく世界各国の国々は原型を留めていなかった。
2105年───生き残った人類は集まり1から世界を立て直そうと団結した。かつて日本と呼ばれていた国を世界創世国ポラリスと名付け、世界の中心とし残った技術者の知恵を使い世界を復刻していった。
2150年───荒廃した世界が西暦1900年程度までの文明へ戻る。世界創世国ポラリスが世界統治国ポラリスへ名称が変わる。
2160年───世界統治国ポラリスにより、世界統治、別称ストレンジバーンが行われる。ストレンジバーンにより、ポラリス不認可による国の統率、復刻、領土拡大などを行うものを反逆者として認定される。
2163年───世界統治国ポラリスに対抗するべく、レジスタンス《ベアーズ・キラー》が結成され、ポラリスとの全面戦争が始まる。
2164年───ベアーズ・キラーが殲滅され、統率者である、自称"死神"レグルスが公開処刑される。(後にストレンジナイトと呼ばれる。)
2165年───世界統治国ポラリスへの反感が多くなる中、新たにレジスタンスが結成され、無類国家パンドラを建国。冷戦状態に入る。
パタン
「あー、もう、疲れた。こんな書記読んでどうなるの?父さん」
僕は父さんが記した書記を閉じた。なにも、父さんはこの世界の歴史は必ず仕組まれていたと言うのだ。まるで何かに取り憑かれたように、歴史の話の時だけ、まるで違う何かになったような、そんな気がする。
「歴史というのは動かないものなんだ。シリウス。お前が、お前自身が世界を動かす存在になった時、その歴史を記す存在になった時、お前が世界にとっての死神とならないために、俺は知っていて欲しいんだ。」
シリウス。それが僕の名だ。ここ、地球から見える恒星で1番明るい星らしい。でも、僕からしたら太陽が一番明るいじゃないか?と思うのだが、父は「太陽は嫌いだ」なんて、理由もくそもない事を言う。
「ねぇ、死神ってよく言うけどさ〜。死神になるってなに?」
「死神はその名の通り、死を司る神だ。世界統治国ポラリスは死神だ。世界平和なんて掲げているか、あれは嘘だ。アイツらは死神の力で世界を統率したいだけの死神だ。」
「死神の力で世界を…統率したいだけの死神?」
この通り。父は死神に取り憑かれているかのようだ。
「とにかく、シリウス!お前だけは、必ず、必ず生きるんだ。」
「何を言ってるんだ父さん、まるで僕だけ生き残るフラグじゃん」
そんな冗談を言ってみたのだが、父さんは特に何も言わずに仕事である国家部隊の周回へ向かった。
「はぁ、今日も死神、歴史。父さんは一体なにを考えているんだかさっぱりだ」
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俺の名はレイニー。今、家を出たところだ。部隊収集までに時間があるためこの書記に日記を記しているところだ。
▶2265年6月6日
ここ無類国家パンドラは冷戦状態だ。いつ戦争が始まってもおかしくはない。それに国家だなんて言っているけど、実際には世界統治国ポラリスによる認可を受けていないので、国としては無認可である。子どもたちは学校も無ければ、勉強をする場所もない。というよりもそういう場を求めていないと言うのが正しいのかもしれない。何が起こるかなんて分からないこの世界で、俺はシリウスと2人で暮らしているが、妻はストレンジナイトと呼ばれる反乱戦争の最後の夜に奴らに殺された。あの日のことは忘れない。俺たちはベアーズ・キラーを救世主だと思っている。あの日俺の前に現れた死神は、きっとこの時を待っていたはずだ。俺の命はもう少し。その時のために俺はシリウスにこれから起きるであろう事を少しでも残しておく。
死神がお前を導いてくれるはずだ。