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転生魔女ですが救世はお断りします!〜世界を救うとか面倒くさい〜  作者: 高木 藍


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(2)旅立ち

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 取り敢えず、ここに居ても仕方ないし、文明にも触れたいので、街とか村を目指すかな。

 ここは森の中っぽいので、高い所から見れば、街の方向も分かるはず。


 「取り敢えず、飛んでみるか」


 飛び上がるイメージでジャンプする。


 『クリエイト:浮遊』


 真上に飛び上がり、ぐんぐん高度を上げる。余り高過ぎて空気が薄くなったら困るので、森が見渡せるくらいで止まる。


 「街はどっちかな」


 ぐるりと見渡す。


 『クリエイト:遠視』


 「この辺の地形ってどうなってるのかな?」

  

 『クリエイト:地形解析』


 「場所とかわからんなぁ」


 『クリエイト:地図作成』


 「魔物とか動物とか居るんかな?」


 『クリエイト:魔力感知』

 『クリエイト:温度感知』


 『魔法統合により、クリエイト:探査となります』


 「なんか、便利な魔法になったんかな?探査!」


 目の前に画面が現れた。ゲームの地図画面そっくりだ。赤い点敵、青い点が動物、黄色い⬇が人間の様だ。


 ここから東に行くと街が有るようだ。その街との間で、魔物と人間が戦っている様だ。ピンチかどうかは分からないけど、行ってみよう。


 私は下に戻ると、何かに使えるかも知れないので、寝床だった綿を収納し、りんごを食べ終えて、戦闘している所に急ぐ。


 走るのは嫌なので、飛んで行く。


 『クリエイト:飛行』


 「もしかして、魔法師は杖とか使うかも。大きいのは嫌だから、タクト的なのを作っておこう」


 飛びながら、某魔法学校で使ってそうな杖をイメージする。


 「クリエイト、杖」


 そうつぶやくと、手の中に杖が現れた。


 「よしよし、いい感じ」


 

 暫く飛んでいると、4人の冒険者らしき人が見えた。向かい側には、人の倍はある大きな蛾がバッサバッサと羽根を羽ばたかせている。


 冒険者達はどうやら動けなくなっている様だ。蛾を鑑定してみる。


 『名:パラライズモス

  種族:昆虫系魔獣

  ランク:銅級

  特殊:麻痺毒(鱗粉)

  特記:肉食蛾。動物を麻痺させて体液を吸う或いは卵を産み付ける。単独行動を好む。繁殖期のみ集団となり、その場合は鋼級ランクとなる。』


 うげ。キモい。動けない冒険者達は鱗粉にやられたのね。ヤバイじゃない。


 虫が潰れるのは嫌なので、それ以外の魔法…よし。


 『クリエイト:ストップ』


 「ストップ!」


 私は杖を翳して、パラライズモスに魔法を掛ける。パラライズモスはピタっと空中で停止した。


 急いで冒険者達に近寄る。よし、麻痺を解除…って、体中鱗粉だらけだわ。これじゃぁ、解除してもすぐ麻痺するわ。何か魔法…洗浄?


 『クリエイト:洗浄』


 「ちょっと待ってね、洗浄!」


 1人ずつ、洗浄の魔法を掛ける。体の鱗粉も元々の汚れもキレイになる。


 「よし、んじゃ…」


 麻痺治す魔法ってなんだ?キュア?わからん。まるっといっとくか。状態異常解除でキュアね。


 『クリエイト:キュア』


 一人一人面倒いな。やってみよう。


 「広範囲キュア!」


 シュッと冒険者達に杖を降ると、杖の先からキラキラ何かが飛び出した。その瞬間、冒険者達は膝を付いた。


 「はぁ、はぁ、どなたか知りませんが助かりました」


 真ん中に居た、剣士らしき男がこっちを見た。


 「挨拶は後にして、パラライズモスはまだ死んでないわよ。トドメを刺しなさいな」


 私が蛾を指差すと、剣士は頷いて蛾に切りかかった。

残りの冒険者も後に続く。一人は魔法師の様で、何かブツブツ言ったかと思うと、杖から飛び出して蛾を凍らせた。一人は弓を放つ。一人はナイフを投げた。


 あっという間に蛾は倒れた。このお手並みで、どうして全員麻痺なんて事になったのか不思議だ。


 蛾が倒れると、剣士は羽根を切り取り、袋に入れた。触覚と口器、複眼も切り取った。


 「それ以外の部分は要らないの?」

 「パラライズモスの素材は羽根、触覚、口器、複眼だけで、後はゴミだ」

 「そうなのね。そのままにしてると色々ヤバそうね」

 「そうだな。燃やせばいいんだろうが、森ではなぁ」

 「ちょっとまってよ」


 穴を掘って埋めよう。


 『クリエイト:土魔法』

 

 「採掘」


 私が杖を動かすと、1m四方くらいで穴が出来た。もう少し大きくしてと。


 「ここに死体をいれてくれる?」


 私が言うと、冒険者の男二人が蛾の残骸を投げ入れた。再び土を被せ、押し固めた。


 「これで大丈夫でしょ」


 うんうんと穴があった所をみながら言った。


 「あの、本当に助かった。俺は『白狼の牙』のリーダー、剣士のザックだ」 


 ザックが握手しようとしたが、鱗粉もまたついてるし、土もついてる。


 「広範囲洗浄」


 ザックと残りの皆ももう一度洗う。


 驚いて手を差し出したまま固まっていた、ザックの手を取り握手した。


 「エルフの魔法師、ユーミよ」


 エンシェントエルフや、転生の事は隠したほうが良さそうだ。


 「シーフのジョーイ。宜しく」

 

 小柄で、さっき剣を投げていた男だ。


 「弓士のマリア。本当にありがとう」


 スレンダーな女性だが、締まった筋肉が手練を思わせる。


 「魔法師のリンです。ユーミさん凄いです!殆ど詠唱もなくて…流石エルフですね!」


 魔法師の女性はまだ少女とも言えそうで可愛らしい。


 「どうもありがとう。これで育ったので凄いかどうかはわからないの」


 曖昧に誤魔化してみる。


 「ユーミさんのお陰で助かった。対価を払いたいが…すまん。今持ち合わせが余りなくて…」


 ザックが頭を掻きながら恐縮する。


 「ここから一番近い街まで行きたいのだけれど、貴方達はどこへ行くの?」

 「俺達もそこへ帰るんだ」

 「わたし、隔絶された様な山奥から出てきたから、人族の常識が全然分からないの。街まで同行して色々教えてくれないかしら?対価はそれでいいわ」

 「本当に?それでいいのかい?」

 「うーん、身分証明書とかが無いので、街に入るのにお金掛かったりするかしら?」

 「ああ、街に入るには大銀貨1枚必要だよ」

 「んじゃ、それ払ってくれるかしら?」

 「そんな金額でいいのか?」

 「街に入れば、換金出来る宛はあるのよ。それに、色々教えてくれるでしょう?十分よ」

 「…本当にありがとう!」


 ザックがまた私の手を握る。


 「おいおいザック。ユーミさんが美人なのは分かるけど、ボディタッチが過ぎるんじゃないのか?」

 「惚れちゃったの?」

 「汚らわしいその手を離すです!」


 他のメンバーから揶揄われている。


 「あ!いや、そんな…」


 ザックは慌てて手を放した。


 「うふふ。皆さん、お疲れでしょう?」


 体力回復ポーションでも作るか。


 『クリエイト:ポーション』


 私は作ったポーションを配った。


 「体力回復ポーションよ。これを飲んで帰りましょう」


 「そんな、悪いよ」


 恐縮していたが、私が勧めると皆はポーションを飲んだ。


 「なにこれ。ポーションなのに美味しいわ」

 「更に、めちゃくちゃ回復するな」

 「出掛ける前みたいに元気になったわ」

 「走って帰れそうだ」


 「喜んで貰えてよかったわ」


 すっかり打ち解けたところで、街まで歩く事にした。 



 

 

ゆるゆる更新していきます。

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