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(1)魔女誕生?

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 「あ〜和むわ〜」

 家の横に生えている大きな木の側にカウチを置き、日向ぼっこしている。すぐ側に崖があり、その下に流れる川から、涼しい風が吹いている。


 「一眠りしよ」


 大きな魔女帽子は絶対に外さない。


 うとうとしていると、人の声が聞こえた。


 「すいません。銀級ポーション2つと銅級ポーション5つ、麻痺予防を1袋、毒消しポーションは3つください」

 「少々お待ちを」


 「街中にある支店より、ここの方が品揃えが良いんだ」

 「そうなの。だから態々こんなとこまで来たのね」

 「この店のポーションは他の店より、効き目が1.5倍は良いんだ。それに、この麻痺予防の丸薬はホントに便利なんだ」

 「いい店教えてもらったわ。私達のパーティーがこの街に来るの久しぶりだから」

 「だろ?俺んとこはここを根城にしてるから、お前ら知らねえと思ったんだ」


 「お待たせしました。銀級ポーション2瓶、銅級ポーション5瓶、麻痺予防薬1袋、毒消しポーション3瓶で、お間違いありませんか?」

「間違いないよ」

 「空き瓶をお待ちでしたら、1本半銅貨1枚で交換致しますが」

 「ああ、持ってる持ってる。ええっと…10本ね」


 カラカラと瓶を出す音がする。


 「1、2、3、4、…10。確かに。銅貨1枚分お引きします。ですので、お会計は、大銀貨1枚と銅貨4枚です」

 「えっと大銀貨あったかな…銀貨5枚でもいい?」

 「構いません」

 「はい、じゃぁ銀貨5枚と銅貨4枚ね」

 「確かに。では、これをオマケに。小さい傷や虫刺されに塗ると治ります。ポーションを飲むほどではない傷に。試供品です」

 「お。そんなの出たの?助かるよ有難う」


 ガサゴソと紙袋を抱える音がして、お客は帰ったようだ。


 「やっと静かになったわね。一眠りしよ…」



 「ご主人様、昼餉の準備が出来ました」


 メイド兼店員兼助手兼秘書兼護衛のエルラインが、私を起こす。


 「もう、そんな時間?」

 「3時間は寝ていらっしゃいました」

 「そう?そういえばお腹空いたわ」


 私はカウチを後にして、ランチを食べることにした。



 □□□



 この街に魔法薬の店を構えて約半年。正確には街の外だけど。要望が多くて、街の冒険者ギルドにも卸している。街の中は人が多いし、人付き合いとか面倒くさいし、この場所が気に入っている。


 半年前、私は日本で有沢夕実と云う普通の銀行員だった。仕事帰りに歩いていたら、マンホールに落ちて死んだ。



 気が付くと、めっちゃ、大きい女神様の前にいた。女神様様は


 「夕実…貴方は選ばれました。彼の世界を救ってください…特別な力を授けます」

 「…救ってくださいって言われても」


 すっげぇ面倒くさい。私は筋金入りの面倒くさがりだ。


 「創造魔法を授けます。これで貴方にできない事はありません。どうか…救ってください…」


 「いや、無理だって!」


 「特別な装備も与えましょう…」


 私が目を覚ますと、ふかふかの綿の様な物の上にいた。起き上がると、お腹の上に魔女が被っている様な、尖った先が曲っていて、つばの大きい帽子が乗っていた。


 

 「魔女の帽子?」


 一見、飾りの無い濃紺の帽子だが、よく見ると同色の絹糸で細かい魔法陣のようなものがびっしり刺繍されている。


 「コレだけ刺繍されてるのに、めっちゃ軽い。鑑定!とか出来たらいいのに」


 『クリエイト:鑑定』


 「ん?」


 頭の奥で何か聞こえた。


 「鑑定?」


 私が呟くと、帽子の横に文字が浮かんだ



 『名:美の女神の帽子 物理防御 魔法防御 パリィ 魔力回復 自動帰着 防水 防汚 防虫 UVカット 温度調整 湿度調整 美白 ※有沢夕実のみ使用可能。』


 何か前半より後半気になるが、手放したらあかんやつ。絶対に。女なら。


 私は、帽子を掴んで被る。頭にジャストフィットした。ふと、自分を見下ろすと、白いワンピースを着ている。


 「この帽子にこのワンピースはないわ。何か服無いかな?」


 『クリエイト:紡績』

 『クリエイト:染色』

 『クリエイト:縫製』

 『魔法統合により、クリエイト:オートクチュールとなります』


 「なになに?オートクチュール?」


 そう言うと、私の服がラメ入りの紫のドレスになった。


 「いやいや、え?どういう事?」

 

 取り敢えず、綿の上から降りてみることにした。


 「このドレス、カッコイイけど歩きにくいわ」


 オートクチュールって言ったら服変わるの?


 声に出さなかったのに、服が変わった。濃紺のセットアップのキュロットだ。因みに、白いワンピースと紫のドレスは横に落ちている。


 「ドレス勿体無いなぁ。かと言ってバックとかも無いし。空間収納みたいな、ファンタジー定番のは無いんかな?」


 『クリエイト:空間収納』


 「何か、できたっぽい。どうやって仕舞うんだろ?」

 

 私はワンピースとドレスを待ち上げて、収納!と心で言ってみる。すると、手からドレスは消えた。


 何が入っているか分からんかったら困るよね。ステータスボードみたいなのが有ればいいけど。


 ステータス!心の中で言ってみる


 すると、目の前に文字が現れた。


 『名:有沢夕実

  人種:エンシェントエルフ(転生人)

  性別:♀

  ジョブ:魔法師

  クラス:オリハルコン

  体力:150

  魔力:∞

  使用可能魔法:鑑定 オートクチュール 空間収納

  特殊:創造魔法 女神の加護

  ※()内は隠蔽可能』


 「うわっ、出た。って、人間じゃない!」


 どうやら、思いついた事は魔法に出来るらしい。創造魔法とやらのお陰だろう。まさにチート。そんで、私は人間じゃなくて、エンシェントエルフらしい。あ、耳尖ってる。


 ステータスの画面の右側に▶があったので、触ってみる。


 白いワンピースと、紫のドレスが表示された。触ると手の中に出てきた。

 もう一度収納し、今度は考えるだけで出てくるかやってみる。


 「頭で思い浮かべるだけで、出し入れ出来るみたいだね」


 ぐぅと、お腹がなる。


 「お腹空いた…喉も乾いた…」


 よし、食べ物が作れる魔法!


 『クリエイト:栽培』

 『クリエイト:収穫』

 『クリエイト:捕獲』

 『クリエイト:解体』

 『クリエイト:調理』

 『クリエイト:採掘』

 『クリエイト:成型』

 『クリエイト:陶芸』

 …


 頭の中でクリエイトがこだましている。料理作るだけでどんだけ魔法作るんよ。確かに、材料ないし、皿やコップも無いし。それ全部作る為の魔法を作ってるんか。


 『魔法統合により、クリエイト:シェフ、クリエイト:ファーマー、クリエイト:フィッシャーマン、クリエイト:クリエイターとなります』


 何か、料理人に農家、漁師になってしまった。クリエイターって何でも作るって事かな?


 取り敢えず、お腹空いたので、りんごとか?

 

 手にりんごが現れる。魔法を、意識しなくても良いようだ。りんごを囓ると、日本でお馴染みのりんごの味だ。


 私は、綿の上に座ってりんごを齧りながら、これからどうるすか考える事にした。

 

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