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自己紹介ってやつ
「ここは……」
日が昇って少女誘拐一日目。
私はいつも通りの時間に起きてルーティンで珈琲だけの朝食を取っていた。
少女が寝室からのそのそとリビングへ来てキョロキョロと部屋を見渡す。
「や、おはよう。昨日の事覚えてる?」
何故私に着いてきたのか、何故怯えていたのか。聞きたいことは結構あるけど、それは追追。
とりあえずでコミュニケーションを測る。
「あ、おはようございます。ん?」
「どうかしたの?」
「いえ、なんでもないです。あれ?」
「やっぱ何かあるの?」
「あります。けど、その」
少女はモゴモゴ言った後に勢いよく頭を下げた。
「な、なになになに!?」
「昨日はありがとうございます!死ぬところでした!」
「とてもそうは思えないけどね」
「自己紹介がおくれまして、私は黒曜時です。16歳で作家やってます!」
「ええっと、私は白木香24でバリスタです」
お互いに簡単な自己紹介をする。
で、少し引っかかった。
「黒曜さんは小説家なの?」