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怯えの少女ってやつ
服を引っ張るのは、年端もいかないような幼い容姿をした女の子だった。
迷子か何かと思ったが、酷く脅えている様子だった。それに、ぐいっ、ぐいっと、何だか路地裏へ引っ張っている気がする。
「ちょっ、ちょっと！どうしたの？大丈夫？」
少し寄ろけながら光が遮断された路地裏で、謎の少女と2人っきり。傍から見れば完璧に事案であった。
「か、かっ、かか匿ってくだせう！」
噛みっ噛みで、俯いたまま懇願された。
服を掴む手は震えているし、俯いてるから表情は分かんないし、正直めんどくさい。
けど、ダメです、警察に行きましょうとは言えなかった。
