面倒解消ってやつ
「もしもし、黒曜時さんの保護者の方でお間違いないでしょうか」
2コールかからない内に電話は繋がった。
ドッドッドと落ち着かない心臓を無視して大きく息を吐いて話しかける。
『え、ええ。そうですけど……』
戸惑いの声。
それはそうだろう。娘の電話番号から知らない女の声でかかってきたんだ。
あまり刺激しないように余裕をもって対応する。
飲食業のと言うより接客業をやっていて唯一生活で活きるスキル。
「ああ、良かった。私、時さんの友人の白木香と申します」
『友人?あの子には居ませんけど』
待って、親がそれ言っていいの?
まさかの返しに戸惑ってしまう。
引っ込み思案な感じはしてたけどまさかのぼっちちゃんとは。
「えぇ、なら少し本人に変わります」
想定外な事だった。少し警戒心を抱かせてしまった。
理由が友達と名乗ったからとは悲しいなぁ。
「黒曜さん、お母さんに少しだけ変わって」
「スーハー、スーハー。よしっ!」
スマホを手渡すと手を広げ大袈裟な深呼吸をしているけど顔は真っ青だ。
「……大丈夫?」
「任せてください!白木さんの為ならば!」
グッと胸の前で両手でガッツポーズをとって死んだような笑顔を見せる。
本当に大丈夫だろうか。
「……もしもし」
『時?時なのね!?』
「あ、うん。昨日具合悪くなっちゃって友達の家で休んでた」
「本当なのね!?なら、連絡くらいしなさいよ!心配したんだから」
「え、あ、そう」
「もしもし、白木です。顔色が悪いので寝かせます」
『あ……そうですか。すいませんが少しの間お願いします。迎えをやりますので』
「ああ、いえ、私が送りますから」
「……という事で、1度お母さんと少し話さないとね」
「……すいません!嘘ついてました!」
「……一人暮らし?」
「なっ……!」
「いや、バレバレだからね?」




