人の集落め~っけ!
――その日の夜は、特に何事も無く次の日の朝になった。
北にあるらしい人種の集落に向け、先日からだいぶ歩いてきたので、今日は木に登ったりしながら、入手したスキル【遠視】を使い、周囲を確認しながらもどんどん進む事にした。
「は~見事に何も無いって言うか~ただの森よね(笑)」
確かに道中は、周囲は未開拓な森でしかなく、自然や動植物は豊富であったが、一切の知的生命体とは遭遇出来なかったのだ。
「まぁいきなり強敵と遭遇して、私がサクッと殺されちゃう訳にはいかないからね。そりゃ多少は、安全な場所からスタートになるよね。うんうん。きっとあのチャラ神も、その辺は考えてくれたと思いたいよ私! 実際テキトーな仕事してそうだけどねっ!」
チャラ男な邪神様への文句を、私は小声でブツブツ言いながら進む。ガンガン強欲しながら進む。何でも丸呑みしながらもズンズンと森の中を進む。
そのせいで、各種素材や食材などが貯まる。溜まる。たまる。
一体ドコまで貯められるのか? 気になってヘルプで詳しく参照してみると、強欲スキルはレベルが上がれば上がる程、より強欲の効果も強くなり容量なども増えるようだった。現時点でも、ほぼ無制限みたいなものだけどさ。
――そうして森の中を私は進み、やがて人の住む集落が見え始める場所まで辿り着いた。
「やっと、人の住んでる場所が見えてきたよ~。そろそろ日も暮れるしどうしようか? 今日はこのまま野営して、明日の朝になったら人の集落に向かう?」
この辺からは、目立たないよう強欲の使用も控え、なるべく慎重に進もう。
ぶっちゃけ、全ての存在を【サーチアンドデストロイ】する訳だけど、ドコまでそれを徹底するのかは私次第。
「まだまだ私も弱いし、ちょっと人の周囲に紛れて観察してからでも良いよね? まずは敵を知る必要があると思うの! 情報は大事だと思う! 孫子よ孫子! ……よく知らんけど」
――とりあえずの私の方針としては、この世界の色々を調べながら、今の自分の実力で大丈夫だと確信するまでは、悪目立ちしないように、人前で派手な破壊活動などは控えよう。
……だけど、やられたら遠慮なくやり返す。これに決めた。
さあ明日は、この世界に来てから初の知的生命体とのコンタクトになる。
正直言えば、ちょっと緊張するかな。頑張れ私。
そんな事を考えながら、この日も野宿を済ませたのだった。
小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n2529fx/
最新鋭の宇宙船とAIと共に、剣と魔法の世界(惑星)へと墜落してしまい、サバイバル生活が唐突に始まった件
こちらも是非、読んでみて下さいませ。
皆様からの『評価』や《ブックマーク》などは、頂ければとても励みになります。
稚拙な小説ですが、これからも応援宜しくお願い致します。