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自称神様と朱音

 理不尽な毒祖父のせいで、不幸な家庭環境、学校でのイジメ。


 全てに絶望し、命まで奪われた私は諦めた。


 だって仕方ないじゃん? もう殺されちゃったんだし!


 もう私に出来る事なんてないじゃん! ばーかばーか。


 って考えたりしていたら……。


『ヤッホ~♪ 朱音ちゃん元気~? 僕は神様ダヨーン(笑)』


 そう言いながら、突然目の前にショタ系男子が現れたんだ。


……自称神様ねェ。

 でもまあ、今の状況って普通じゃないと思うし。


 何故? って思えば、この自称神様のせいって考えるしかないか。


「はい、それで? その自称神様は、私に何の御用ですか?」


『ワーオ! 意外と朱音ちゃんて冷静なのね!? 僕びっくり!』


「ええ、まあ。結構長々と自分語りとかしてたせいですかね? 私は死んでる筈なのに、おかしいな? ってなりましたし」


『まあそうだよね? 僕も【そろそろじゃね?】って思ったから登場した訳だし(笑)』


「満を持しての登場って訳ですね。それはご苦労様です。それで私に何か御用なんですか? ぶっちゃけ私はもう何もかもが面倒臭いので、早めに解放して楽にして貰えませんかね? 自称神様さん(笑)」


『おっ! いいねぇ~その余裕というか諦め? 話が早そうで助かるよん♪ 実はね~朱音ちゃんには僕の創った世界に転生して貰いたいんだ。それでね? その世界をぶっ壊して欲しいんだよね――僕の代わりに。どうだい?』


「は? 転生って何それ。って言うか? 代わりに世界を壊す? ってなんか面倒くさいよ? パスよパースッ!」


『あははは、そりゃま確かにね~? 流石にちゃんと説明しないといけないか。転生って言うのは生き返る……とはちょっと違うな。生まれ変わるって事だね。ちなみに僕の世界限定ね? あと代わりに世界を壊して欲しいって理由なんだけど。正直に言っちゃえば、僕がちょっと目を離していた隙に、その世界の住人達が勝手に【統一戦争】みたいなの始めちゃってさー。もうほんと最悪だよ。神様おこおこ』


『それでさ、結果としては魔族側が何とか勝利して、他の種族はほぼ死滅の大虐殺祭り。長い間だいぶ派手に戦争してたみたいで、もうその世界自体もボロボロで瀕死状態。もう助かりません! 世界消滅までカウントダウン待った無し! って感じなんだ。僕が自らその世界を修復するよりも、もういっそ新しい世界を創ったほうが楽なんだよね。だから僕は今そっちで忙しいんだ。んで僕の代わりに、朱音ちゃんには、僕に代わってその世界に引導を渡して貰えないかな? って訳ね』


『朱音ちゃんにもメリットはあるよ? このまま本当に何もせず消滅するなら、ほんと救いようのない人生だったね(笑)ってしか僕は言えないけど、もし僕に協力してくれるなら、その世界で転生して【好きに暴れて八つ当たり】していいしさ? 少しはスッキリ出来るかもしれない。奪われるだけの人生なんて理不尽だよね? だから今度は奪ってみない? って話し。勿論その世界の奴等に、慈悲や遠慮なんか不要だから。僕が300年くらい? ちょっと目を離したら、勝手に自分達で戦争始めて、もう世界の滅亡ENDまできちゃってるし。もうほんと救えない奴等だよ。でも僕は忙しいからさ。どうかな? 頼めないかなー?』


「……。今度は私が……奪う、か。そんな風に言われたら、そりゃーちょっとこのまま、何もしないで消えるのはモヤモヤしてくるけど。うーん。暴れてスッキリ……ねェ?」


『それにね! もしその世界をぶっ壊してくれたら、その時のスコア次第で、色々な特典も付けちゃうよ! どうかな?』


「スコアって何? 成績みたいなもん? それ次第でご褒美ありって事ね? それならちょっとやる気出るかも」


『その通りさ。転生すると【カルマ値】っていうやつがあるんだ。カルマ値は、悪い事したらマイナスで、逆もまた然りってやつ。今回はマイナス行動が目標になるから、そのマイナス値が大きい程、後で良いご褒美をあげちゃうって事なのさ。どうだい?』


「まぁ目的は世界を壊す事だしね。普通に悪行を積みまくるって事だよね。でもそれが今回はご褒美に繋がると。んじゃご褒美について詳しく教えて? それ次第では協力してもいいかなって」


『おっけ~♪ まぁ朱音ちゃんの望みを、何でも1つ叶えてあげるってベタなものでも良いけどね。例えば僕の創る新しい世界で、何不自由無く、幸せに暮らせる環境をあげるとか? その時は朱音ちゃんの記憶とかは、僕が全部消させて貰うけど。前世の記憶とか、僕との取引の記憶とかあっても邪魔なだけでしょ(笑)あ、でも元の世界で生き返るとか、復讐したいってのは無理かなぁ。だから僕の手の中の世界で、何かを望むならいくつか叶えてあげようかな? って感じ。ただそれもスコア次第ね? ちゃんと仕事してくれたらって事(笑)それでOKかな?』


「新しい世界で、恵まれた環境での人生かぁ。それもまぁ悪くないかもね。前世はほんと最低の人生だったし。どちらにしても、このまま消えるよりはマシかも? って思えてきた。わかった、いいよ。この話し受ける。まずは転生してその世界をぶっ壊せばいいのね?」


『やった! うんうん。そうだよ。転生する時には超チートスキルもあげるからね。頑張ってスコア稼いでね~。僕も忙しくなるし、それ以上関わってる余裕が無くなるから。連絡だけはいつでも取れるように、テレパシー電話みたいなやつは繋げておいてあげるね! んじゃ頑張ってー(笑)ありがとサンキュー♪』


……。


 そして私は、何だかんだこの終わりの世界【ディストピア】に転生したのだった。


「目標は……この世界の破壊」

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