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秘密が終わるとき7

 では続きを語ろうか。

 

――黒曜(こくよう)は髪をかき上げ、玉髄(ぎょくずい)の眼を覗き込む。


 我々が作られた存在であるのはいいとして、なぜ作ったのか? という話になるよな。

 すべての発端になったのは、爆弾の暴発なんだ。

 その爆弾は異空間へのゲートを開いた。そこから出てきたのが鉱石生物だ。「軍」が狩ってる気持ち悪いあいつらだよ。だがまぁ、資源そのものとも言える。暴発だったとはいえ、喜びの声もあったそうだ。限りない資源なのでは、と。

 それも束の間、鉱石生物の異常性が分かった。あいつらは毒をまき散らす。感染力は大したことないんだが、感染さえすれば……最悪の結末が来る。10歳の子どもが次の日には老人になり、老衰で死ぬんだ。

 これほどの脅威の前では、それなりに人類全体が協調した。だからゲートを中心にした隔離、防衛、研究……が急速に進められた。

 だが往々にして、絶望は重なるものだ。

 爆弾はもう一つあったんだ。

 暴発したものと寸分違わぬソレがある以上、もう一度、となりかねない。

 ではどうするか。

 解体する? いやいや、それができれば苦労しない。そういう風にいじった結果、暴発事件を引き起こしたから。

 宇宙に捨てる? ソレほどの大荷物を運べるロケットはなかった。なにより、宇宙にも国境があるご時世だ。

 

 だから決断した。

 どの国のものでもない土地で、爆発させてしまえばいい。

 誰も住んでいない場所。

 鉱石生物を監視し、戦う兵士を配置できる環境。

 それが南極だった。


 うん?

 ……ああ、確かに。兵士はいらないって考えもある。つまり地球自体を捨てるという選択。そうしなかったのは、故郷を捨てるのは忍びない、みたいなセンチメンタリズムじゃない。

 単純に宇宙に住める人間は少ないってことらしい。

 思ってたより進歩してないよな。

 それに鉱石生物の進化は凄まじい。毒自体も人間に特化してるものだったからな。そうまでして、人間の脳が食べたいんだとさ、あいつらは。宇宙空間にも適応するかもしれない。もし適応されたら、いよいよ逃げ場がないだろ。

 人間の脳を置かなきゃいけない。怪物どもの気を引くために。

 人間の体は絶えられない。怪物どもの毒があるから。


 そうやって作られたのが我々だ。

 囮になるために産まれてきたんだ。倫理とやらには目を瞑ったらしい。


 分かるよ、三賢者は違うって言うんだろ。

 その通りだ。

 彼らは人間として産まれ、人間として生き、そして人間として大罪を犯した。


 ルイはテロリストだ。

 爆弾の暴発もあいつの組織が原因だったとか。


 ケントはマッドサイエンティストってやつだな。

 我々を動かす技術のほとんどは彼が作ったらしい。


 マリア?

 ああ、テロ組織に爆弾の情報を流したのは彼女だってさ。


 要するに三賢者ってのはクソの集まりなわけだ。

 だから南極にいるんだ――この場合は島流しと同じだな。




 南極もいい迷惑だろうなぁ。


――独り言のように黒曜は言った。

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