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もし、明日が来ないなら  作者: 淺田亮介
1/5

~第一話 全ての始まり~



 1話



「おい、起きろ真中。一時間目から寝るとはいい度胸だな」

はあ、いい感じに寝るのに。何定番のセリフ言ってんだよ。

「すいません藤原先生、昨日遅くまで予習してたんで」

藤原先生はため息をついた。

「そうか、まあテストの点をちゃんととるなら別にいいんだか」

「頑張って授業を受けます」

高2の数学簡単過ぎておもんねー帰ってゲームでもするか。

大河はそんな事を考えながら六時間の時間を過ごした。

授業も全て終わり大河は帰る支度をして掃除の準備をしていると、少しイケメンが急いでクラスに入ってきた。

「大河今日暇?」

大河はいきなり声を掛けられ、ビクッとしながら答えた。

「今から掃除」

こいつは伊集院(まなぶ)、幼馴染だ。頭が良く、少しイケメンだ。

「まじかー」

と言って学は少し考えて更に続ける。

「終わったら俺の家に来て」

「学、何するの?」

「やっとできたんだよ!」

そう言って学は急いで教室を出た。

家が隣ってだけで俺とつるまなくてもいいのに、と思いながら掃除を始めた。

掃除。それは身も自分の心もきれいにできる、と。もしそんな事が出来るのならばこの世から犯罪者はいなくなるだろう。だがそれにはその人の基準がある。

そんな事を考えながら掃除を終わらせた。

大河が教室を出るころには五時を回っていて、夕日が出ていた。グランドには、野球部とサッカー部が大きな声を出して練習をしていた。サッカー部を見ていると。

そう言えば、学はサッカー得意だったなー、なんで部活に入らないのかなー。

と思いながら靴を履き替えて、グランドで練習している人達に迷惑が掛からないように、最善の注意を払い、遠回りをして駐輪場に行った。

いつもの帰る時間だと自転車が多くなかなか自分の自転車が見つからず、しかも取り出すのにも一苦労なのだが、この時間帯は自分の自転車はすぐに見つかりスムーズに自転車が取り出せた。大河はすぐに見つかり、スムーズに取り出せるこの時間帯に魅力を感じたので、大河は明日からこの時間帯に帰ることにした。家を目指して自転車のペダルを漕ぎだした。

この時間帯でまで学校で何をしっよかなー。

と案を出しながら十五分ぐらいで家のマンションの下についた。

マンションに着くと家の前に学がいた。

「お前の家じゃねーのかよ」

大河がそわそわしていた学に声をかける。

「悪い、待てなくてよ、それより中に入ろうぜ」

結局俺の家なのねと大河は思いつつ家の鍵を開けようとした。

鍵が掛かってない、まさか。

ガチャ

「お邪魔してまーす。よっ!大河」

こいつは空手部次期部長の佐倉咲。学と三人で幼馴染だ。驚くことにクラスの中心グループにいる。2か月に1回ペースで告白される可愛さだ。身長は普通ぐらいだ。髪型はショートカットだ。だが誰とも付き合っていない。高嶺の花の存在だ。学同様俺に構わなくてもいいのに。

「またお前かよ、佐倉俺の家の鍵を勝手にスペアキー作んなよ」

佐倉の家は右隣だ。ちなみに学の家は左隣。

「大河そう怒るなよ、咲はお前に早く会いたかったんだよ」咲の頬が赤くなる学がニヤニヤしながらさらに続けた「咲、聞いたよ~越智君にコクられたんだって?」

すると咲の顔は更に赤くなる。

「うるせぇ!学お前幼馴染だからって許さないぞ。お断りしたよ。それより大河さっき学が言ってた事嘘だらな」

照れながら咲は言った。大河はため息をついて言った。

「わかってるそれよりなんで咲がいるんだ?」

「え、私は学に来いって」

またこのパターンかよと大河が呆れていると、

「じゃじゃーん!できたよハッキングウイルス」

とドヤ顔で学は言った。

そうこれは学は一年間かけて作ったウイルスだ。

きっかけは学がスマホでアダルトサイトを見ている時にウイルスに感染してしまった。全く学はナニをしているんだか。感染したスマホは乗っ取られて女子にいやらしいメールが送られたことだ。まあモテない原因だ。

「完璧にできたからなメールを開いたら感染するかな。自作だからウイルス対策にもひっからない俺の最高傑作だ」

佐倉は首を傾げて聞いた。

「そんなの作ってどうすんの?」

学はノートパソコンを取り出すと百聞は一見に如かずと自慢げに言って電源を付けた。

「まずは試しに咲のスマホに乗っ取ってみよう」

咲は笑いながら言った。

「なんで私のスマホなんだよ。代わりに大河のにして」

わかったよと呟いた学はパソコンを少しカタカタすると大河のスマホの通知が鳴った。まじで俺ので試す気だと思いつつメールを開くと、そこには【引っかかったなー】と書いてあるだけだった。

「引っかかったな~」

と学はさっきと全く同じドヤ顔で自慢げに言った。

「うるせぇ、どうなっているんだよ」

そろそろこの顔をするのをやめさせようと大河は思った。そんな事を考えといる時にも、学はパソコンをカタカタしている。

パソコンのモニターには、大河のスマホのホームの画像だった。すごいと佐倉が言うと「まだまだすごいのはこれから」と独り言を言いまたパソコンをカタカタしていると

「完璧だ。少し大河のスマホの検索履歴を見たんだが....」

とテンションが下がりながら学が呟くと佐倉が興味津々でパソコンに近づく。

「ふぇ、学あんたなにを見ているのよ私にも見して....」

全くこいつらは何がしたいんだよと大河が呆れていると

「こいつマジで何にも見ないんだよなー」

と言うと佐倉が続いて言う。

「大河は男の子なんだよね?」

こいつらは馬鹿なのかと呆れた。今日でこいつらに呆れたのは何回だ?と思いつつ言った。

「俺は学みたいにそーいうサイトは見ないんだよ。でも確かにこのウイルスはすごいな、学これをどう使うつもりなんだ?」

確かにと思った佐倉も聞く。

「まさかクラス全員の検索履歴を見るつもり?」

すると学は即答した

「俺はそこまでクズではない。これでいろんな人の面白い話題を探すんだよワクワクするだろう?」

こいつはクズだと大河は思った。

「俺は今回パスな」

流石にこれを悪用するのは良くない。まあウイルスに悪用する以外の使い道は果たしてあるのだろうかと大河は悟った。しかし佐倉はワクワクしながら言った。

「私は少し興味がある。」

「だよなー、興味がないとかどうなってるんだよ」

学は意見があった事が嬉しそうだ。二人はパソコンに夢中だ。

ため息をついてソファーに座り大河はスマホゲームを始めようとしたその時だった、後ろにいる二人から悲鳴が聴こえた驚いた大河はパソコンの画面を見るとそこには膨大な量の写真や動画がある、どうやら盗撮のモノだ。隣に【開けちゃダメ】というファイルがあった。

(なんだこのファイルは)

と思った大河がファイルを開こうとすると

「やめろ、後悔するぞ」

と焦りが隠せない学は忠告した。

「遅いよー開いちゃったよ」

そこにはハメ撮りの動画がたくさんある、だがそのたくさんの動画には全部同じ女性だった、大河はその女性に見覚えがあった。

「これの事か」

そこには大河の同じクラスの一番人気の女子の津田芽衣だった、しかも相手の男は数学教師藤原だった。





どうも、淺田亮介(あさだりょうすけ)と申します

ツイッターもやっているので気軽にコメントください

https://twitter.com/asadaryousuke1


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