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魔法使いはスローライフが好きなんです  作者: 葉月 いつか
本編
8/17

魔法で何かを作りましょう

お盆でも小説を書いています!

偶に私はアイン達が開いている薬屋の手伝いをする事があります。

と、言っても店番ではなく薬を作る方のです。


魔法でテキトーにちょいちょいと作っています。

私が作った薬もお店に置いてあるんですよ?

その名もハイポーションです。

薬草にヒールを掛けて新鮮にして味が美味しくなるという代物で、結構人気があるんですよ。


他にも水の中でパチパチと雷がなっている物や、氷漬けになっている物も作りました。

要するにこれは失敗作ね。


最近薬を作ってないので暇つぶしに作りたいと思い、

自分の家にある本棚にある魔法書を片っ端から読んで探っています。

すると、面白そうなページがありました。


「誰にでも魔法が使えるようになる薬」と書いていました。


『これよ!何だが面白そうだわ!』


私は本と睨み合うように見て一行一行をしっかり読みました。

数時間後にやっと解釈が出来、やり方を覚える事が出来ました。


『なるほど・・・武器に魔法属性を加える魔法の応用ね』


本に書いていた事は「水の中に自分の魔力を加え、

飲んだ人は手品みたいに加えた属性の魔法が一度使える」というものだった。


どうやら、その人が魔法を使えるようになるのではなく、

一回だけ手品のように使える魔法を水の中に入れる感じです。


ちょっと微妙かしら?と思いましたが、

遊び感覚で魔法が使えるようになる薬を開発して売ったら絶対に人気が出ますよね。

私は棚の奥から瓶を出し、その中に水を入れて早速試して見ました。


『氷の魔力よ!水に加えよ!』


杖から氷の結晶みたいな紋章が現れ、水の中に魔法を少し加えました。


試しに飲んでみようと思いましたが、

私は魔法が使えるから飲んでも効果があるか分からない?

そう思って飲むのを辞めました。


私は瓶を机に置いて考えました。


『んー試しに飲んでくれる人はいないかなー』


そんな時に私の父が扉を開けて入って来ました。

見た目は赤髪で目が鋭くてカッコいいのですが、とても残念系の父なんです。


『エリナー、スフィアちゃんが家に来たぞー』

『えっ、スフィアが?今行くね』


私は瓶や本をしまわずにそのままにして玄関に行ってしまいました。


『やあ、エリナ』

『こんにちわー。スフィアからうちに来るなんて珍しいわね』

『まぁ、偶にはな』


スフィアの姿を見たら、薄い青色カーディガンにレディースの白いジーンズを履いていました。


今日は青い鎧を纏っていませんでした。


と、いう事はデートの誘いかな?

と思って話を聴くと、『暇だから一緒に買い物をしないかい?』と言われました。


うん、デートの誘いですね。やったです。


私は当然断らずにお出かけの準備をする為に

『着替えて来るから待っててね』と言って振り返った時でした。


家の中から叫び声が聞こえて来ました。


『なんじゃこりゃあああ!!!』


父の声でした。あ、嫌な予感がします。


スフィアが心配をして私と一緒に部屋の中に入ると、

父の手のひらに氷で出来たリンゴの模型がありました。


こちらに気が付いた父は

『この水を飲んで本に書いてあったのを読んで試してみたら魔法が使えた』

とすごく驚いていて喜んでいました。


何で父がこんなに喜んでいるかというと、実は父は魔法使いではなく普通の人間だからです。

母が魔法使いなので私はその血を受け継いで魔法が使えるので、父は魔法が使えませんでした。


しかし、今の父は簡単な魔法ですが自分で使えたのです。

これは成功したって事かな?


それよりも、父が魔法書を読むなんて珍しいですね。

普段は女性同士がイチャつく本しか読まないのに。


騒いでいる父を見ているスフィアは好奇心が湧き、

『私もその薬を飲んで見たい!』と私にお願いをしました。

当然、嫌な顔をせずに作ってあげました。

やり方さえ分かれば簡単ですからね。


先程と同じく瓶の中に水を入れて魔法を加え、スフィアにあげました。

当然、瓶は新しいのに変えました。

スフィアは恐る恐る水を飲み、手のひらを出して神経を集中しました。


『氷よ!リンゴの形に現れよ!』


すると魔法が使えないスフィアにも氷の形をしたリンゴが手のひらに現れました。


『おおー!』

『凄いな!これは!!』


普段は凛としているスフィアもこればかりは子供のように喜んでいました。

そして、父も子供のようにはしゃいでいました。


落ち着いた所で私とスフィアはお出かけをする事にしました。

初めは買い物をしようかと思っていましたが、

スフィアと相談してまずはアイン達のお店に寄る事にしました。


そう、この薬を販売してくれるか交渉しに行きます。


「姉妹の薬屋さん」のお店に辿り着き、早速入りに行きました。


お店の中に入ると、いつも通りに左右に薬が入っている瓶が並べられていて、

カウンターには白髪の姉妹がいました。

こちらに気が付いた二人は明るく歓迎してくれました。


『スフィアとエリナだー!』

『二人とも、こんにちわ』


お互いに挨拶を済ましたら所で本題にいきました。


テーブルに持ってきた瓶を何本か置いて話をしました。

二人は真剣に話を聞いてくれ、最後には悩んで相談をしていました。


『なるほど・・・確かに面白そうわね』

『だけど、薬屋っぽくないー?』


確かにネイの言う通りにそれはありますね。

けど、お姉ちゃんが『一度飲んで見て決めようかしら?』

と言って妹と一緒に瓶に入っている水を飲みました。


『んっ・・・ごく・・・』

『良し、やってみよう、お姉ちゃん!』

『そうね・・・せーの!』


二人は一呼吸してから魔法を唱えました。


『『氷よ!蜜柑の形に現れよ!!』』


え?何で蜜柑?と思って聞いていましたが、

簡単に氷で出来ている蜜柑の形をしたのが手のひらの上に現れました。


どうやらこの魔法は簡単な形の物なら何でも出来るみたいですね。


二人は初めて出来た魔法にとても驚き、そして嬉しくて喜んでいました。


『すっごーい!出来たー!』

『やったね、ネイ!』


アインはそれがきっかけで何かを決心した表情に変わり、私の両手を握って言いました。


『ぜひうちのお店に出させてくれないかしら!』

『喜んで!!』


こうして、魔法が使えるようになる水をお店に置いて貰う事になり、値段などを考え、

魔法のやり方が書いてある紙をその薬が置いてある前に貼る作業をしました。


これで、順番は整いましたので後は売るだけですね。


お客さんの反応が気になりますが、

ずっとお店にいるのも邪魔になるから私達はデートをする為に買い物をしました。


衣類屋では真っ白で可愛いワンピースと、黒くて大人っぽいワンピースを手に持ち、

スフィアに尋ねました。


『ねー、スフィア!どっちが可愛い!』


わくわくしながら聴き、スフィアが選んだ服を買う予定でしたがスフィアが

『どっちも可愛いと思うぞ?』と言って選んでくれませんでした。


どっちも可愛いって言われたら一番困るのにー!


まぁ、いつもの事ですね。

こうしてスフィアとの楽しいデートの時間を過ごして翌日の事でした。



誰かが私の家のドアを叩いて呼んでいました。


『こんな朝に誰かしら?』


コーヒーを飲んで寛ぐの辞めて玄関に向かってドアを開けました。


目の前には白髪の女の子が二人いました。

そう、アインとネイでした。


挨拶をしようとすると、アインが興奮気味で私の手を握ってきました。


『エリナの作ったあの薬!凄い大人気なのよ!』

『お客さんが「本当に魔法が使えた!」と絶賛しているのー!』


二人の勢いで驚いてしまいましたが、凄い人気みたいです。良かった良かった。


でも、それを伝えにわざわざ家に来たのかな?と思っていると、ネイにお願いをされました。


『また同じのに作ってほしいー!』と。やっぱりそう来ましたか。


しかし、私は嫌な顔をせずに了承して薬を作る事にしました。

アインに売り上げの一部を貰ったので頑張りたい思います。


今日は『姉妹の薬屋さん』のお店は閉まっているので、

二人で歩きながら売りに行くと張り切っていました。


これでスフィアが言うところのお小遣い稼ぎが出来そうだわ。やったです。


しかし、それから一週間ほどでしょうか?

売り上げが伸びなくなってしまいました。


どうやら皆さん飽きたようです。

まぁ、簡単な魔法しか使えないから直ぐに飽きてしまいますよね。


この魔法が誰でも使えるようになる薬は、

偶にしか売れなくなってしまいました。


うーん、残念です。

明日はショートストーリーを投稿します!

500文字くらいのなので気楽に読めます。


そして、明後日に投稿するお話の予告。

なんとエリナ以外で魔法使いの新キャラが出て来ます!お楽しみに!!


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