エリナのデート計画
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『何の服を着ようかしらー・・・』
今日はスフィアと買い物・・・いえ、デートをする日。
この日の為にデートプランはばっちりですが、着ていく服がなかなか決まらないよ・・・。
悩んでいるうちに時間が刻一刻と過ぎてしまい、集合間際になっていた。
『えっもうこんな時間!?急がないと!!』
私は明るい茶色の袖フリルブラウスとミニスカートを急いで着て、部屋を出ました。
『お母さん!スフィアと買い物に行ってくるよ!』
『ええ、行ってらっしゃい』
少しだけ早歩きをしてスフィアの家に向かいました。
走ったら汗を掻いてしまいますからね、服も乱れてしまいます。
数分後にスフィアの家の前にたどり着き、ドアを軽く叩いて呼びました。
『スフィアー!起きているー?』
集合時間は11時からにしましたので、さすがに寝ていないとは思うけど・・・。
すると、玄関から物音が聞こえてきてドアが開かれると、
スフィアがちゃんと出てきてくれました。
『待っていたよ、エリナ。じゃあ早速行こうか』
『うん!』
今日のスフィアの格好はいつも通りにレディースのジーンズを履いており、
白いポロシャツを着ていました。
決して可愛い感じの服装ではないけど、スフィアらしくて似合っています。
正直に言うとかっこいいです。
ですが、可愛い服も似合いそうなので私は歩きながら尋ねてみました。
『ねぇースフィア』
『なんだい?』
『スフィアって可愛い服も似合うと思うんだけど、着ないの?』
スフィアは少しだけ考えから答えました。
『んー、可愛い服って事はスカートとかだろ?
私はエリナのように可愛い女性ではないから似合わないと思うぞ?』
『えっ、か、かわ・・・』
スフィアに可愛いと言われて動揺してしまい、恥ずかして視線を逸らすと、
スフィアが心配するように声を掛けてくれました。
『エリナ?少しだけ顔が赤いけど大丈夫?』
『うん、大丈夫よ。問題ないわ』
『んーなら良いけど』
どうしてスフィアは素で可愛いと平然と言えるのかしら?
ドキドキしてしまいましたよ。
はっ、いけないよエリナ。
今日は私がデートをリードをするんだから!
この日の為にオススメの喫茶店やお店を下見したんだからね!
私はスフィアを引っ張って喫茶店に入る事にしました。
『スフィア!ここ喫茶店が最高にオススメなのよ!行きましょう!』
『ここが先週出来たばかりのお店かー。いいね、入ってみようか』
このお店ではトーストが人気あるのです。
生クリームとチョコレートが掛かり、女性やカップルのお客に大人気なのよ。
え?どうしてそんなに詳しいのって?
フフフッ、昨日このお店に来たから詳しいのです。
きっと、スフィアも喜んでくれると思いますよ、自信ありよ。
私達は案内された奥のテーブル席に座り、
ハーブティーとトーストを待っていました。
『お待たせしました、レモングラスです』
先に注文が届いたのはハーブティーのレモングラスでした。
私とスフィアは目の前に置かれたカップを手に取り、
口に近付けてレモングラスを一口飲みました。
『おっ、このレモングラス。なかなかいけるな!』
『うん。これは美味しいね!』
レモングラスをゆっくり飲みながら雑談をしていると、
ようやく例のトーストが運ばれてきました。
『こちらがトーストです。どうぞ』
私の目の前に置かれたのは生クリームとチョコレートが掛かってトーストで、
スフィアのはトーストの上に紅茶のアイスが乗っていました。
こちらも女性に大人気のトーストです。
私は店員さんが用意をしてくれたナイフとフォークを手に取り、
トーストを一口サイズに切ってから口の中に入れました。
トーストが余りにも美味しくて、つい顔がほころびました。
『『美味しいー!!』』
私とスフィアの言葉が被り、二人で笑いました。
『ふふっ、被ったね』
『ああ、だな。それにしても本当に美味しいな、気に入ったよ』
ふふふー、このお店を選んで正解でしたよ。
スフィアがこんなに喜んでくれると思わなかったので想像以上です。
そんな事を考えていると、スフィアが話掛けてきました。
『エリナのトーストも美味しそうだな・・・一口貰えないかい?』
私は嫌がる素振りをする事無く、
トーストが乗っているプレートをスフィアの目の前に置きました。
『良いよ!はい、どうぞ!』
『ありがとう、頂くね』
スフィアが私のトーストをナイフで切って、
フォークを刺して口の中に入れていました。
うん、とても幸せそうな顔をしています。
私が見ていると、スフィアがこちらに気が付いて申し訳無さそうにしていました。
『あ、私だけだと不公平だよな。私のもあげるから待ってて』
『良いの?やったぁ、ありがとう!』
すると、スフィアは自分のトーストをナイフで切り、
フォークに刺して私の口元に近付けました。
『はい、どうぞ。エリナ』
『えっ!?そうやって食べるの!?』
恥ずかしくて焦っていましたが、スフィアは首を傾げていました。
『ん・・・?女性同士だから大丈夫だろ?ほら、腕が疲れるから早く食べてくれ』
スフィアは平然としていますが、女性同士だから恥ずかしくなると思うんだけど?
こういう所があるので惚れてしまいます。
私は恥ずかしさを堪えて、トーストを食べました。
『どうかな?』
『うん、こっちも美味しいよ』
『だろ?美味しいよな』
うードキドキして顔が火照ってしまいました・・・。
けど、幸せです。
○
喫茶店から出た後は雑貨屋巡りをしたり、
衣類屋に行って服の着せ替えして楽しみました。
スフィアにフリルが付いているピンク色のワンピースを着せると、
似合わなくて面白かったです。
やっぱりスフィアはいつも通りの服装が似合いますね。
衣類屋を出て町中を歩き、
私は後ろ向きに歩きながらスフィアと会話をしていました。
『次は何処に行こっか?』
『んー、どうしようかな。それよりも後ろ向きに歩いたら転ぶぞ?』
『大丈夫よ!私はそんなドジしないから・・・』
と、言っているそばから転びそうになりました。
『きゃっ!!』
『エリナッ!!』
後ろに倒れそうになった時、スフィアが私の手を掴んで引っ張られました。
すると、その反動で抱き寄せるように助けられました。
『エリナ!大丈夫か?』
『う・・・うん。助かったよ、ありがとう』
この格好は恥ずかし過ぎます!
どうしよう、またドキドキしてしまいました。
本当に何でこんなにスフィアはかっこいいのかしら?
やっぱりデートをしたら、スフィアにリードされてしまいますね。
いずれは私がリードをしてあげるんだからね!
今日はとても素敵なデートになりました。
スフィアとお別れをした後も余韻が残っていました。
『今日もスフィアはかっこよかったなー・・・。
良し、決めた!私、スフィアの為に結婚なんて絶対にしないわ!』
私は改めてそう決めました。
○
『クシュん!・・・風邪ひいたかな?
それともエリナが良からぬ事を考えているな・・・』
まぁ、楽しかったからいいか、今日は充実した一日を過ごせた。
次回は魔法使いらしい日常回?