子猫を拾いました
新しいショートストーリーを投稿しました!!
『さてと、そろそろエリナ達が来るかな?』
ソファに座って振り子時計を眺めて時間を持て余していると、外から大きめの声で私を呼んでいるのが聞こえてきた。
この声はエリナだな。勝手に入って来ていいのに何故あんなに大きな声を出すんだ?
不思議に思ったがエリナが来たと言うことで玄関先に向かい、ドアを開けてあげた。
『スフィアー、遊びに来たよー』
『開いているぞー・・・って』
エリナが両手に抱えているものを見て一瞬戸惑った。
小さい声で『にゃー』と鳴いていたからだ。そう、エリナは二匹の子猫を何故か抱えて持ってきた。
『どうしたんだ、その猫?』
機嫌が良さそうに笑みを浮かべながらエリナが答えた。
『さっき拾ったのー』
『まじか』
『うん! まじ!』
エリナは子猫を抱きかかえたまま、私の家に入った。
○
子猫をソファの上に置こうとすると、スフィアに注意をされました。
『あ、待て。 母さんが猫アレルギーだから待って』
『えーそうなの?』
『ああ』
私は猫を抱えたまま、椅子の上に座ることにしました。膝の上に乗せましょう。
早速スフィアと猫会議をしました。
『スフィアの家では飼えないかー・・・私の親も猫アレルギーなんだよね』
『まじか』
『うん。まじよ』
『何故拾った』
『スフィアの家で飼えるかなーって』
『んーどうしたものか・・・』
確かに三毛とトラの子猫はかなり可愛いのだが、うちでは飼えない・・・これから来るアインとネイが飼えるといいんだけどなー。
そう思っていると、早速二人が来てくれた。
『スフィアー! 来たよー!』
『あら、エリナはもう来ていたのね。相変わらず早いわね』
『二人とも良いところに来てくれた。 ちょっと今会議をしているのだが・・・』
『アインとネイは猫がお好きかな?』
アイン達にスフィアと猫を勧めると、思っていた反応と違っていました。
アインとネイが子猫を一目見た瞬間に目がハートになり、二人で一匹づつ猫を抱きかかえました。
『か、可愛いーーー!!!』
『可愛い猫さん! スフィアが飼ったのー?』
『ううん、私がさっき拾ってきたの』
『それで猫をどこで飼うか会議をしているだが、自分とエリナの家では残念ながら飼えないんだ』
困っていると、アインとネイが即答をして飼いたがっていた。
『そうなの? それじゃあ私達の家で飼っていい?』
『じゃあ、貰っていーい?』
問題があっという間に解決しました。良かった良かった。
アインとネイが子猫を膝の上に乗せながら名前を考えていると、数分で決まりました。
『三毛猫の方がプリアで、トラ猫がサティ!!』
『可愛い名前! さすがお姉ちゃんはセンスが良いー!!』
『ふふー。まぁーね』
こうして猫会議に幕が閉じ、四人でお茶会を開いて楽しむ事が出来ました! うん、スフィアが淹れてくれるハーブティーは格別ですね。
翌日。私とスフィアでアイン達の家に遊びに行くと、すっかりと猫達が馴染んでいて、すごく寛いでいました。
ふふっ、良かったですね。