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魔法使いはスローライフが好きなんです  作者: 葉月 いつか
バレンタインシーズン
14/17

バレンタインなのでチョコを配ります

今日はお母さんと一緒にある物を作っています。


『そうそう、上手ね。エリナ』

『んーなかなか難しいわ・・・』


そう、今日はバレンタインデーなのでチョコを作っています。

日頃お世話になっている人に感謝をしたり、好きな人にあげるイベントです。


私は友達にチョコをあげたく、お母さんに作りかたを教えて貰っています。


『出来たー!』

『あら、とても可愛らしいチョコが出来たわね』

『日頃の感謝の気持ちを伝えるなら、やっぱりこれが一番だよね』


私が作ったのはハート型のチョコレートです。

おしゃれにミックスチョコを振り掛けているからとても可愛らしい出来です。


初めて作った割には上出来だわ。

まぁ、お母さんのおかげだけど・・・。


味の保証はちょっとだけ不安ですが、お母さんがつまみ食いをしたら『とても美味しいわ』と微笑んでいたから大丈夫みたい。


私はチョコレートを人数分のラッピングに入れて家を出ました。


『気を付けてね、エリナ』

『うん! 行って来るわ!』


私は友達にチョコを配りに行きました。



先ずは喫茶店に入りました。


『いらっしゃいませー・・・ってエリナちゃんじゃない!』

『こんにちは、アーナちゃん!』


そう、アーナちゃんがいる喫茶店に来ました。


日頃から美味しいハーブティーを飲ませてもらっているのでそのお礼です。

アーナちゃんにチョコレートをあげようとすると、カウンターに座っていた女性に声を掛けられました。


『あれ? その声はもしかしてエリナ?』


振り向くと、黒いフードコートを身に付けている褐色肌の女性です。

と、言うよりもダークエルフのフリシアでした。


『フリシア! どうしてこんな所に!?』

『さっき遊びに来たのよ。 ふふ、驚いた?』


フリシアが遊びに来ていたのは予想外でしたが、これは丁度良いわね。


実はフリシアの家にも行こうと思っているのでチョコレートがあります。


だから私は二人にチョコレートを渡しました。


『今日はバレンタインだからチョコレートを作ったの、良かったら受け取ってほしいわ』


『えっいいの! ありがとうエリナちゃん!』

『私の分も作っているなんて、エリナはやっぱり良い子ね。ありがとう』


二人に感謝をされた後、ハーブティーを飲んで寛ぎたかったのですが喫茶店を後にしました。



次に向かったのはアインとネイの家です。


『誰かいますかー?』


ドアを軽くノックすると、姉のアインが出て来てくれました。


『アイン、こんにちはー』

『エリナじゃない! こんにちは』


アインが私に気がつくと、部屋の奥から妹のネイも顔を出してくれました。


『エリナだー! 今日はどうしたの?』


私はショルダーバックからラッピングされているチョコを二人に渡しました。


『今日はバレンタインでしょう? だからチョコレートを作ったの。 二人にあげるわ』


『わぁーハート型のチョコだー! 可愛いー!』

『ありがとう。エリナ』


二人にチョコを渡したので帰ろうとすると、アインとネイもチョコを作っていたらしく、

『出来たらエリナの家に届けるわ』と、アインが言ってくれた。


ふふっ、とても楽しみです。

最後に私はスフィアの家に向かいました。



『スフィアー、いるー?』


ドアを軽くノックすると、スフィアの母親が出て来てくれた。


『あら、エリナちゃん。こんにちは』

『こ、こんにちは!』


スフィアの母親はとても美人なので、少しだけ緊張してしまいます。

スフィアの大人バージョンと言って良いほど似ています。


きっと、スフィアが大人になったらこんな感じになるんだろうなーと思っていると、母親がスフィアを玄関に呼んでくれました。


『やあ、エリナ。今日はどうしたんだ?』

『え、えーと・・・その、ね・・・?』


私は勇気を振り絞り、ラッピングされているハート型のチョコレートを渡しました。


『バ、バレンタインで本命のチョコを作ったの! 良かったら受け取ってくれる・・・?』


そう、スフィアにあげるこのチョコは他のよりも少し大き目に作り、本命のチョコなので緊張してしまいます。


顔が火照りそうになるほど恥ずかしかったのですが、スフィアは受け取ってくれました。


『ありがとう、エリナ。 美味しく頂くね』


やったー受け取って貰えたわ!

私の想いが通じました。あと一息よエリナ!!

私はスフィアに言いました。


『嬉しいわ、スフィア。受け取ってくれたって事は、

私の事を恋人にしてくれるってことだよね。

記念にチューをしない? え、それだけでは足りない?

なら私を抱いても良いわよ。宿屋に行こう?』


スフィアにツッコミを入れられました。


『遠慮します』

『えー』


こうして、なんとかバレンタインのチョコを配り終え、帰宅しました。


『ただいまー』

『あら、おかえりなさい』


リビングに向かうと、チョコレートケーキがテーブルに置いてました。


『わぁ美味しそう! どうしたのこれ!』


お母さんに聞くと、いつものように優しい笑顔で応えました。


『今日はバレンタインだもの、

母から娘への感謝の気持ちに作ったのよ』


そう言うと、お母さんが優しく抱き寄せました。


『いつもありがとうね、エリナ。貴方は私の自慢の娘よ』

『ううん、私こそいつもありがとうね。お母さん・・・』


少しだけ照れくさかったけど、

1年に一回は感謝の気持ちを伝えるのも悪くないですよね。


今日は最高のバレンタインデーになりました。

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