魔法使いはスローライフを満喫しています
最終回!!
最後まで読んでくれた皆様に感謝です!
ありがとうございました!!
7作目の小説は書いている途中で、
まだ投稿日は未定なのでいつか活動報告の方でお知らせします。
それでは12話をお楽しみください。
今日は久し振りに四人でパーティを組んでギルドで依頼を受け、
砂場にいるリザードマンやスコーピオ退治をしています。
『ネイ!アイン!そっちにリザードマンが行ったわ!』
『任せてっ!』
『まっかせてー!』
アインとネイが双剣で鉄パイプを持っているリザードマンを挟み撃ちにして倒し、
スフィアはナイフを手にしているリザードマンを槍で瞬殺し、
私はスコーピオを炎魔法で燃やしました。
『ふー、これで何体討伐したかな?』
スフィアが辺りに倒れているモンスターの数を数えていました。
『全部合わせて20体ね、そろそろギルド会場に戻る?』
『そうだな・・・良し、切り上げるか』
それぞれが武器をしまい、アインとネイも駆けつけて集合しました。
『すっごく楽しかったー!』
『ああ。久し振りに四人で組んだから楽しかったな』
『そうね。私達が薬屋を趣味で始めてから偶にしか組めないものね』
そうです、実はアインとネイは女剣士でもあります。
ただの薬屋さんではないんですよ。
帰る途中はこの後何処で女子会をするかの話をしています。
候補はやはりデザート専門店の「パクぱく」というお店です。
けど、のんびり過ごすなら喫茶店の「ミンティ」も良さそう。
んー迷いますね。
皆で盛り上がっていると、突然真上から何かが飛んで来る気配を感じました。
地面を見てみると私達の影が覆われ、大きな翼が生えている影があります。
スフィアも気配に気がついて武器を取りました。
『気をつけて!!』
空を見上げると、ワイバーンが三体も並んで飛んでいました。
アインとネイは慌てて武器を構え、戦闘態勢に入るもの、
ワイバーンはこちらに形振り構わず飛んでいき、無視をされました。
『えっ?気がついてない?』
ワイバーンは獲物を発見したら地上に降りて来るのに変でした。
しかし、その違和感は直ぐに分かりました。
何処からか銃声がなりました。
そう、つまり誰かがモンスターと戦っていると言う事です。
あのワイバーン達が仲間に加勢する為に向かう途中だとすると、大変な事態になります。
何人のパーティを組んでいるかは分かりませんが危険なので見過ごせません。
銃声がなった方に、ワイバーンの後を追いかけて向かうと、
たった一人でライフルで戦っている白髪の女性がワイバーンに囲まれていました。
あの緑色のコートと茶色のロングブーツの格好、何処かで観た事があります。
しかし、そんな事を気にしている場合ではありません。
『スフィア、お願い!先に助けに行ってあげて!』
『任せろっ!』
私は風魔法をスフィアに唱えました。
『風よ!スフィアをワイバーンの元へ!』
スフィアの身体が緑色の風に纏い、ワイバーンの元に飛ばしました。
『あかん!何でワイバーンがこんなにいるんや!!』
私の目の前に三体のワイバーンが飛んできた。
今、他のワイバーンと戦っている最中なのに・・・。
取り合えず、腹が立つから戦っているワイバーンの頭を狙って銃弾を撃ってやった。
一体のワイバーンを仕留めると、加勢しに来たワイバーンは雄叫びをあげて襲ってきた。
今度こそ絶体絶命や・・・死を覚悟した。
すると、こっちに凄い勢いで飛んでくる青い鎧を纏っている女性が来た。
『くらいやがれぇぇぇ!!』
ワイバーンの首を後ろから槍で切り落とし、私の目の前に現れた。
『大丈夫か!シャル!』
そう、ベヒーモスと戦っている時に出逢ったスフィアという女騎士だった。
久し振りの挨拶を交わそうとしたんやけど、
私をお姫様抱っこしてワイバーンの鋭い爪から回避をした。
突然の事で驚いたんやけど私を持ちながらワイバーンを見て後ろに跳ぶって、
君、運動神経高すぎやないかい?
さて、下ろして貰ったから反撃をしよか!と思った矢先、
ワイバーンの足元が氷で覆われて身動きが取れなくなっていた。
後ろからは私と同じ色の髪をしている二人が、
双剣を振ってワイバーンの首を同時に切り落とした。
私は四人の女の子達にお礼を言った。
『また、助けられてもうたな・・・ありがとやー』
青い女騎士ちゃんと白髪の二人は心配をして声を掛けてくれたんやけど、
魔女っ子ちゃんは何故か怒っている様子やった。
『スフィアにお姫様抱っこを・・・チッ』
舌打ちもされた。何でやー?
別れ際にも『スフィアに惚れないでよね』と注意をされた。
○
トラブルがあったけどギルド会場に戻って報酬の銀貨を受け取り、
私達は「ミンティ」という喫茶店で女子会をする事にしました。
そして私はまだ不貞腐れていました。
『ねースフィア。エリナはどうしたの?』
『あー・・・気にしなくも大丈夫だ』
アーナに心配をされて聴かれたが、大丈夫だと応えた。
あ、そうだ。あの話をしたらエリナを元に戻せるかな?
私はアーナとアイン達に数年前の話をする事にした。
『この話ってまだした事ないよな、エリナがアイン達に嫉妬した話を』
『う、うん。聴いたこと無いわね』
『えーどんな話ー?』
『エリナがアインとネイに嫉妬を?』
私はペパーミントを飲んでいるとスフィアが私の話をしていました。
嫉妬って・・・まさか?
『私がアインとネイと出会って間もない頃に、
初パーティを組んだその祝いで「パクぱく」というお店に行ったんだけど、
その帰りを三人で仲良くお店を出る姿をエリナに見られて・・・』
気がついたが遅く、スフィアが話を続けました。
『翌日、エリナに「私、昨日見たんだよね。
スフィアが白髪の女の子二人とイチャイチャしていた所を!この浮気者!!」
って言われて怒られた事があったんだ』
『わーーー!スフィア!?それは言わないでよ!!』
アインとネイ、そしてアーナちゃんまでニタニタと私を見ていました。
『エリナって、本当にスフィアの事大好きっ子よねー』
『うんうん!』
『そこまでいったら彼女レベルだね』
私は不貞腐れていたのが納まり、顔が真っ赤になるほど恥ずかしかったです。
けど、皆のおかげでこうやって毎日が楽しく過ごせるのかなと思いました。
私は改めて感謝をしたくなりました。
『その、私はスフィアの事が大好きだけど・・・皆の事も好きだからね・・・』
はっ、私は何でこんな恥ずかしいセリフを!!
そう言うと、皆が微笑んでいました。
『ええ。私もエリナの事が好きよ』
『私もーお姉ちゃんと同じくらい好きー!』
『皆、気持ちは同じなのね』
『エリナ、幸せ者だな』
『きゃあー!!恥ずかしいから辞めてよーーー!!!』
喫茶店で私の声が響き渡りました。
恥ずかしいけど、なんだか心地が良い感じがしますね。