魔法使いの日常
おはようございます、葉月いつかです。
魔法使いが好きな方、スローライフが好きな方、気楽に小説を読みたい方にお勧めです!!
いつものローブを羽織り、紫色の三角帽子を被って出掛ける準備をしました。
『良し、これで良いわね。じゃあ行ってくるねー』
『いってらっしゃい、エリナ。気をつけてね』
『うん!』
母に見送りをして貰って外に出ました。
今日の目的は森に住んでいる友達に逢うために出掛けます。
ふふっ、楽しみだなー。とその前に、もう一人の友達の家に行かないとね。
友達の家の前に到着して、ドアを軽くノックして呼びました。
『スフィアー、来たよー』
少しだけ待っているとドアが開きました。
スフィアだと思っていたけど母が出て来ました。
相変わらず美人さんで青色の綺麗な髪は真っ直ぐに長く、
落ち着いた雰囲気な方です。
『あら、エリナちゃん。こんにちはー』
『はいっ、こんにちは!』
『スフィアに何かの用事かしら?』
『今日は一緒にお出掛けをする日なんです!』
そう言うと、スフィアの母が少しだけ困った表情をしてました。
『スフィアならさっき出掛けちゃったわ・・・』
『えっ!?』
『そうなのよ・・・あの子、きっと勘違いしていたのね・・・』
話を聞くと、スフィアはお小遣い稼ぎをする為に、
スライムの討伐して来ると言って出掛けたみたい。
んー仕方が無いなー・・・スフィアを探しましょう。
スライムなら町の付近にいるからそんなに遠くには行ってないと思います。
町を出て数十分後、スライムを討伐している女騎士がいました。
見た目は青い鎧を纏い、青髪の凛としている女の子です。
そう、私の友達のスフィアでした。
『これで十体目!!』
相手に鋭く槍を突き刺すと、スライムが破裂して水色の液体が飛び散っていました。
うん、攻撃力が高すぎてスライムが可哀想になる。
私はこちらに気がついて貰うために風魔法を使って軽く攻撃をした。
スライムに?いえ、スフィアにです。
『風よ!スフィアにいたずらを!』
杖の先に風の玉を作り、放ちました。
『えっ?』
スフィアがこちらに気がついて振り向くと、見事に魔法が当たりました。
当然、いたずらだからそよ風程度の風圧です。
『エ、エリナ!?何で此処に!!』
『何で此処にじゃないわよ!』
私が説明をすると、やっぱりスフィアの勘違いと分かりました。
スフィアは明日が約束の日と思っていたらしく、
だからスライムの討伐をギルドで受けていたみたい。
スフィアが申し訳ないと誤っていましたが、
こんな些細な事で怒る私ではありません。
だって私の大好きな友達だからね。
その後はスライムの討伐を辞め、二人で目的地に向かいました。
○
森の中を歩き、綺麗な花畑がある場所を過ぎた先に木造の小屋がありました。
そう、此処に私達の友達が住んでいます。
『ふー、やっと着いたねー』
『ああ。じゃあ、呼んでみようか』
スフィアが優しくドアをノックすると、中から物音が聞こえてきました。
『今、開けますねー』
ドアが開かれると、褐色肌の耳が尖っているダークエルフが出て来ました。
彼女はいつも通りに露出が高い服装をしていました。
脚と腕に鎧を装備し、黒い下着を身に着けているだけだからね。
『久し振りね!フリシア!』
挨拶をすると、フリシアは目を丸くして驚いた後に嬉しくて私達に抱きついて来ました。
『エリナとスフィアだー!!』
『わっ!』
『きゃあっ!』
フリシアの大きな胸が顔に当たり、とても柔らかいけど息苦しくなりました。
『あっ、ごめんさいね!つい、嬉しくなっちゃって』
『喜んでくれたら来た甲斐があったよ!ねっスフィア』
『ああ、だな』
フリシアは『二人ともあがって!ご馳走するわ!』と、
言いながら手を引っ張って部屋の中に連れて行かれました。
よっぽど嬉しいのですね。
『今ハーブティーを作るからソファに座って待っていてね!』
『はーい』
私はお言葉に甘えてソファに座りましたが、
スフィアは気を使ってフリシアの元に寄りました。
『手伝うかい?』
『ううん、私に任せて!ゆっくり寛いで良いよ』
『じゃあ、お言葉に甘えるかな』
そう言ってスフィアは私の隣に座り込みました。
二人で話をしていると、フリシアがハーブティーセットを持ってテーブルに置き、
小さなソファに座って囲むようにしてお茶会が始まりました。
『んっ!このハーブティー美味しい!』
『これはリンデンかな?』
『正解!さすがスフィアね!』
スフィアがハーブティーの種類を当てると嬉しそうにしていました。
普段は凛としてるスフィアだけど、こういう時は少しだけ幼くなって可愛いです。
ハーブティーを飲みながら最近の出来事などの話をしていると、
楽しくて時間があっという間にすぎ、外は薄暗くなってました。
『おっと、もうこんな時間帯か・・・そろそろ帰らないとな』
『だねー。夜の森は危険だからねー』
帰る間際になると、フリシアが少しだけ寂しそうな表情をしていました。
だから私達は約束をしました。
『また来るからね、フリシア!』
『ああ、今度はお土産を持ってくるよ』
そう言うと、フリシアは笑顔で見送ってくれました。
『うんっ、また来てよね!いつでも待っているから!』
小屋を出て森の中を歩くと、やはりモンスターに遭遇しました。
でも簡単に倒せるから戦いながら帰っています。
『はあっっ!!』
『氷の魔法よ、私に力を貸して!』
スフィアは槍を振り回し、襲い掛かってきた三体のウルフを一掃し、
私は氷魔法で二体のゴブリンを凍らせています。
『ふー手ごたえがないわねー』
『まぁ、お小遣い稼ぎには気楽で狩れるから丁度いいさ』
『もースフィアは強いんだからもうちょっと強い敵と戦おうよ?』
そんな会話をすると、スフィアが手を顎に当てて何かを考えていました。
『うーん・・・そういえば最近、スライムやウルフとしか戦ってないな』
『明日、私と上級モンスターを倒しに行こっか?』
私が冗談に誘うと、スフィアが『偶には良いかもな』と言って笑っていました。
けど、上級モンスターの討伐依頼なんて都合良くあるかしら?
まあ今考えても仕方がないね。
取り合えずは明日、スフィアとギルド会場前に集まる事にしました。
森を抜けて町に戻り、自宅に帰る前にギルド会場に寄り、
モンスターを討伐した報酬を貰ってからお別れをしました。
『じゃあね、スフィア。また明日ね!』
『ああ、じゃあなエリナ』
『うん!』
ふふっ、明日もスフィアに会えるから楽しみですね。
一話はどうでしたか?これから色んなキャラがもっと増えて賑やかになると思います。
気に入って貰えたら幸いです。
二日に一度の投稿になりますので、よろしくおねがいします。