スカウター、新発売!
僕は決意を込めて、スカウターをかけた。
今日が初めてた。
ドキドキする。
これから乗り込みのに、必要だった。
これがないと負ける・・・
僕は自分の意気地のなさを知っている。
だからこそ、情報を集める。
敵を知る、それが勝つコツだと昔から言われている。
スイッチを入れてみる。
対象物がないため、数値が現れない。
この片側のメガネに移る数値を見て、
大きな数値が表示されれば、その時は避ければイイ。
あれ、スカウターっ、知らない?
ドラゴンボールに出て来るヤツ。
敵の戦闘力を数値化する装置。
とうとう発売されたのだ。
国家プロジェクトだった。
国はずっと戦ってきた。
勝つためには有効な手段なのだ。
僕はドアを開けた。
待ち構えていたかのように、こちらを見る。
そして、案内された。
僕は向き合った。
『350』
これならいける、と内心思った。
そして、質量も確認する。
質量も大事だ。
アインシュタインがいったように質量はエネルギーなのだ。
そして、いろいろな角度で情報を集める。
「1.1」
まあ、この程度だろう。
まずこいつからだ。
このスカウターは攻め手の指示をしてくれる。
①、②、③と順番を付けてくれる。
ふと、横を向く。
『9300』・・・
ありえない・・・
えッ・・・
ギャルっぽい女性。
年が多めで、化粧が少し濃い。
まさか・・・
彼女はドンドン片付けていく。
そして、圧勝。
僕と違って、そんなに太っていないのに・・・
そんな彼女を見て、ぼくは食欲を失っていた。
これなら、スカウターを付けなくて良かった。
今日の昼食は500kcalないと、決めていたが。
2022年、日本政府は成人病対策で、
カロリーをリアルタイムで表示するスカウターを開発した。
膨大になった医療費の抑制と新規産業の立ち上げを狙った。
その狙いはずばり当たった。
医療費は数百億円縮小され、
スカウターは日本国内はもとより、世界各国で評判になっていった。
スカウター、絶賛発売中。
塩分の計測も可能ッ!