第2話 悔い
レヴィはキャットが結成した「反感情規制組織 ユートピア」に加入した。
「はーい、どうぞー」
「ここが組織の秘密基地」
キャットに誘われるがままにやってきた所は、古い建物の地下だった。
隠しエレベーターで地下に入ると近未来感漂う空間が広がっていた。
そして、レヴィがここで過ごしてから数ヶ月後
「違う‼︎腰が入ってない‼︎」
しばらくするとレヴィはキャットに鍛えられていた
自分の身を自分で守るためだ
彼女は彼よりも格段に強かった。
稽古が終わると、レヴィはキャットにいくつか国で起こっていることを質問した。
「なんでこの国で感情を表に出したらダメなんだ?」
彼女はそっと口を開いた
「数ヶ月前、ちょうどあなたと会う少し前にある法律が可決されたの。それは感情を政府の許可なしに表に出すのを禁止するという法律、感情規制法」
「その感情を管理する存在が人工知能アライと感情規制取締役。そして、政府は町中に監視カメラを設置すること、国民一人一人には首に感情を図るチョーカーを巻くように義務付けたの」
「この国を犯罪や戦争のない理想の国にするために…全く優しい国だよね」
レヴィはその話を聞いて驚愕した…
その法律を自分が犯したせいで両親は死んだのかと…
だがこれだけは言える「この国は、狂った優しさで満ちていると」
「だから私たちはこの訳わかんない法律を廃止するために活動してるわけ」
「分かったら、早く寝なさい、明日も朝から稽古つけてあげるから」
次の日から彼は必死に特訓した。
来る日も来る日もただひたすら前だけ見て…
そして、ある日キャットから感情を利用したある体術を習った
「今から教えるのは、感情に感情を上乗せして人工知能を欺く方法。二重感情っていう特殊能力よ」
「主な条件は哀しみながら別の感情を使うこと、この時に嘘泣きとか偽りの感情であれば効果はないから注意ね」
レヴィは思っただろう、この二重感情をもっと早く体得していれば家族を失うこともなかったかもしれない
そして、家族のことを思い出しながらやるとすぐに体得できた。
そんな彼を見てキャットは俺に聞いてきた。
「そんなすぐに体得できるなんて、何かよっぽど哀しいことでもあったの?」
レヴィはあの日のことを話した。
それを聞いたキャットは彼に自分の過去を話した。
「よくある話だね」
「私の両親は……殺されたの」
「それも私の目の前で……」
「私は犯人を絶対に許さない、絶対に捕まえて、殺してやる」
人が殺されるのはよくあることなんだとこの国の人達は言う
だが、人が死ぬことがよくあることなら法律を可決した本来の目的と矛盾する。
やっぱりこの国の法律は何かがおかしい。決定的な何かが
レヴィはこの国で起こっている事を突き止める覚悟をした。
そしてその日、キャットと決意した。
この国を完全に破壊してやろうと……
それから八年後、彼らはテロリストとして世間から認知されていた。
レヴィは今、本名を伏せてコードネームで活動している。
「俺はクロウ、反感情規制組織 ユートピアのリーダーだ」