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神様の観察対象  作者: LUCC
第一章 はじまり
6/31

ep.6

1人称の場合はsideを付けます。

3人称でも混ざっている場合は付けるかもです。

~修二side~


朝起きたら知らない天井だった………


…いや、よく見たら知ってた。というより昨日寝る前に見た。


カーテンのほんのちょっとの隙間から光が部屋の中に入ってきている。

段々と寝ぼけていた脳が働き出す。

そっか、転生したんだったな。

そこまで思い出すと、胸の真ん中あたりに重みを感じる。

下に顔を向けると、


「…おはよう、クーシー」

「みゃ~…」


…もしやこれは朝チュンというシチュエーションなのでは?


そんなことは置いといて、

どうやらクーシーも寝起きのようで、鳴き声が小さい。

俺がクーシーの頭を撫でると、クーシーは気持ちよさそうに目を細める。…かわいいやつめ。

いつまでもこうしているわけにもいかないので、クーシーを俺の体からベッドへと下ろす。


「くぁ~~」


ベッドに腰掛けたまま上半身を上に伸ばす。

そのままベッドから立ち上がり、キッチンへ向かう。クーシーが後ろからトコトコついてくる。


「朝飯はやっぱ、ご飯、味噌汁、焼き魚、あとは野菜っと。

 クーシーは魚と牛乳か?」

「みゃー」

「…まさか返事が返ってくるとは」


クーシーの頭の良さに戦慄を覚えながらも、KOに食材を投げ込んでいく。実際に投げてはいないよ?

朝飯が出来るまで暇だったからクーシーとじゃれる。

子猫はもっとやんちゃなイメージがあったんだが、クーシーは違うらしい。

全く動かない訳ではないのだが、俺と遊んだりしているとき以外ほとんど動き回らない。

やっぱり賢いからだろうか?


そんなことを考えていると、朝飯が出来たようだ。…相変わらず早い。

食器などが置いてあるところから箸とできた料理を持ってくる。


昨日夕飯を食べ終わったあと、皿や箸などをシンクに置いておいたら、風呂に入ってる間にキレイになってもとあった場所に戻っていたんだ。軽くホラー。便利過ぎて怖い。

そのあと、頭の中の知識でそう言う機能があると分かり、慌てずに済んだが。


「いただきます」

「みゃあ」


そうそう、もうとっくに分かっているだろうが、クーシーはしっかりとあいさつができるのだ。

あの、悟史とか言うガキより賢いんじゃないだろうか。


俺が食べ終わる頃には、クーシーはとっくに食べ終わっていた。まあ量が少ないし。

食べ終わった食器をシンクに持っていく。洗う必要はない。

便利すぎてやることがなくなる、ということはない。

反対に、これからやるべき事はたくさんある。


空き部屋の前に来た。

ドアについている、暗転したパネルに触る。

画面が明るくなり、『用途を指定してください』と出ている。

住居者の部屋、物置、開かずの間などの数パターンからも選べるが、今回はその他の入力指定を選択。


『用途を入力してください』

その下にキーボードが表示される。

これで入力か。


ここまでスムーズに事が進んでいるのは、事前に頭ん中の知識から調べていたからだ。

この家の知識は全部頭に入っているが、思い出そうとしないとはっきりとはわからない。

昨日の食器事件?がいい例だ。


「魔法の、修行……完了」


そう、この空き部屋で魔法の修行、というか訓練?をしようと思っていたのだ。

入力を終え、完了を押すと、ガチャンと音がする。ドアの鍵が閉まったようだ。

数秒後、またガチャンと音がする。今度は開いた音だ。

ドアノブを捻り、ドアを開ける。

中は何にもない空間だった。

失敗したかと思い、パネルを見ると、『部屋全面に魔法障壁と物理障壁を張りました』と出ていた。


魔法障壁は魔法を、物理障壁は物理的攻撃を通さなくなる。

見た目は何も変わってないように見えるが。


中に入り、扉を閉め、床に座る。

クーシーはいつの間にかいなくなってた。日向ぼっこかな。

まあどのみち、危ないからクーシーはこの部屋に入れないけどな。


さて、場所も整ったし、始めるか。

っと言ってもこれから何するか決めるんだけどな。

まずは、


(魔法の使い方が知りたい)


魔法が使えなきゃしょうがないので、使う方法を検索。


「……ふむふむ。

 中々難しそうだな」


【知る権利】で得た知識によると、魔法を使うには、まず魔力が必要。当然だな。

次に、体内にある魔力を外に出す。

それと同時にその魔力に想像を乗っける。この時、明確に想像していること。

そして、想像に対し魔力量が適切なら魔法が発動。


前世の世界には魔法はなかったからな。

魔力を操ることから始めるか。


目を瞑って集中する…………………。


数分後


…全然わからん。

体内の魔力を認識することすらできん。

ここはアレを使うか。


(魔力を認識するには?)


アレ、つまり【知る権利】を発動。


「魔力を認識するには…

 パターン1 考えるんじゃない感じるんだ。…いきなりこれはないだろう。

 パターン2 協力者に魔力を流してもらう。…ここには猫しか。

 パターン3 諦めましょう。…諦めるの早っ。

 特例 家の消費エネルギーの1部を自身の魔力に変更する。…これだ」


というわけで、左腕にあるウォッチを操作し、家の電気エネルギーの分を自分の魔力に変更。

うぉっ、体の中から何かが抜けていく感じが……

これは長時間持たないな。早く魔力を感じ取らなくては。


…ちょうど心臓の反対の位置から抜けているような。

垂れ流し状態の魔力を止められるかどうかやってみるか。


…難しい。


…う~ん。


…手で押さえても無理。


……おっ?今ちょっと…


…コツをつかんだかな?少し動くようになってきた。


…この流れを止めてっ。


何とか流れ出ている魔力を止めることが出来た。

コツをつかんだら、そのあとは結構早かった。

魔力を完全に止めると、部屋の明かりが段々と暗くなってきた。

この部屋に窓はない。なので電気が完全に消えると、真っ暗になってしまう。

…よし、ちゃんと止められているようだ。


ウォッチを操作して、エネルギー源の設定を元に戻す。

部屋が明るくなっていく。

部屋に入ってきた時と同じ明るさになった。


これで魔力操作はできるようになったな。

次はこれを体外へ出す訓練だ。

外に出せるようになれば、すぐに魔法が使えるようになるだろう。


魔力を指先に集める。

まだぎこちなく、それでいて遅い。

…指先にある程度集まった。

想像するのは…最初はやはり火だな。

ライターのイメージ。

魔力を燃料に、指先から火が、


ボッ


点いた。

集中していたら顔を近づけていたようで、少し熱かった。

だが気を抜いたら火が消えてしまった。

魔力を供給できていなかったようだ。


もう1回。


ボッ


今度は簡単にできた。

そのまま5秒維持する。


「…これで魔法は使えるようになったと考えていいだろう。

 だが疲れた」


今の魔法とさっきの電気エネルギーで魔力をかなり使ったのだろう。

身体が重い。

魔力はどうやったら回復するんだ?


(魔力の回復方法は?)


『空気中の魔素を少量ずつ吸収して回復する自然回復か魔力薬が主な回復方法。

 他者に魔力そのものを貰うこともできるが、効率は良くない。

 他に、魔力のこもった魔力石から吸い出すことでも回復する』


早く回復するのは、魔力薬と魔力石か。

魔力薬はもったいない。

魔力石はそもそもない。


どうしたもんか。

このまま自然回復を待つのは、時間がもったいない気がするし。まだ昼前だ。

かと言って何かあるわけでも……

あ、この家の魔力を吸い取ればいいんじゃ?


頭の中の家に関する知識から魔力に関する知識を探す。

あった。魔力が送られる元は、このウォッチだ。

太陽光や空気中の魔素を変換してできた魔力は1度このウォッチに集められるらしい。


ウォッチから魔力を吸い出す。…どうやって?

さっきと逆のことをやればいいんじゃ?…だからどうやって?

まあいいや、とりあえずやってみよう。

…え~と、こうか?………できた。

何でもやってみるもんだな。


後は簡単、そのまま吸っていくだけ。

…充電完了。電気じゃないけど。

これでまた魔法の練習ができる。が、その前に。

今持てる最大魔力量が少なすぎてこのままじゃすぐに魔力切れを起こしてしまう。

魔法の練習の前に魔力量を増やさなくては。


(最大所有魔力を増やすには?)


『魔力は筋肉と同じで、使えば使うほどその最大量が増えていく。

 具体的には、魔力を体内から出し、回復するときに極少量増えている。

 ただし、魔力は筋肉よりも増えにくく、実際に増えているのかわかりにくい。

 そのため、魔力の最大量は才能で決まり、初期の量から多少は増えても大きくは変わらないと、多くの人に思われている。』


「つまり、バンバン魔法を使えってことか?…う~ん何か違う気が……

 …ああ、分かった。別に魔法にしなくてもいいんだ。

 魔力を体内から出せばいいんだから、さっきみたいにエネルギーの代わりにしてもいいってことだ。

 魔力が増えたかは、ステータスを見ればいい」


(ステータス)


俺の念に応じ、ステータスが開く。

神の所で見た時とは若干違うが、目の前の中空に半透明のステータスがある。


名前 シュージ・カンナミ (13) 男

種族 普人族

職業 自宅管理員

能力 体力 20

   魔力 30

   筋力 10

   俊敏 20

   知力 20


…職業が増えただけで何にも変わってない。

しかも自宅管理員ってなんだ?警備じゃないのか?

まあ、この家は俺が警備する必要はなく完璧な防犯だし、管理してるのは俺だから間違ってはいないが。


そんなことより、魔力が1も増えていないな。

電気エネルギーに変えたり、火を出したりと結構使ったつもりだったんだが。

どれだけ使えば増えるのだろう。

地道に検証していくか。


まず、さっきやったライターくらいの火を出す、そして消す。出す、消す、出す、消す……繰り返す。

10回くらいやったところでステータスを確認。


魔力 31

(他省略)


…増えている。

その前にも魔力を使っているから正確じゃないな。

もう1度。

出す、消す、出す、消す……………途中で魔力がなくなったからウォッチから補充。

10回やったから確認。


魔力 32


…また増えた。

さっきより消費量は少ないはずなのになぜだ?

可能性としては、ランダムというのがあるが出来ればやめてほしい。

確認のためもう1度。

出す、消s(ry

ステータス確認。


魔力 33


やはり。

10回で1増える、は確定だろうか。

しかしそれだと初めに確認したときに増えてなかったのはおかしい。

何故2回目以降は少ない消費で増えるようになったのだろう。


『力【適応力上昇】が発動されているからである』


おっと、無意識に力が。

……なんかカンニングみたいだな。

不可抗力だし、まあいいか。


これで原因はわかった。

魔力を増やそうと意識して魔力を消費していたから、意識する前よりもすぐに魔力量が増えたって訳だ。

チートだなぁ。

だんだんと自分でもよく分かんなくなってきているので、細かい説明等は質問があるまで放置でいいかなぁと思っています。

一応、フォロー的なものは今後の話の中でしていこうと考えていますが…

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