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神様の観察対象  作者: LUCC
第零章 プロローグ
4/31

ep.4

やっと転生…



「最後に君たちにやってもらうのは、言うなれば細かな設定ってところだね」


神は、疲れ気味の修二たちに宣言する。


「細かな設定って?」

「簡単に言うと、ステータス決めだね」

「それって今までもしていなかったか?」

「まあそうだけど、…これを見てくれればわかるよ」


そう言いながら神は半透明のウィンドウのようなものを人差し指でスライドし修二と悟史の前に送る。

修二たちは、いきなり現れたウィンドウに驚きながらもそれを覗く。


「…どれどれ。ああ、確かにステータス決めだな」

「でしょ?これから君たちにはそれを使って、ステータスなどなどを決めてもらいたいんだ」

「ってかいきなりハイテクっぽくなったな。

 …さっきもこれを使えばよかったんj――――」

「はいはい決める項目はたくさんあるからね。どんどん決めていって」

「うぉい」


修二の的確なツッコミに、神は捲し立てるように早口で話し始める。

それに対し修二は抗議しようとするが、ここでも神レベルのスルースキルを発動。

神はひらりと身をかわした。


「たぶん説明しなくてもわかると思うから、どうしてもわからないときだけ質問して」


そのセリフを合図とするかのように、修二と悟史は同時にウィンドウに視線を落とす。

この空間に沈黙が訪れる。

ウィンドウは操作しても無音だからなおさらだ。


そのウィンドウには次のことが表示されている。


[名前](?)

[地位](?)

[場所](?)

[容姿](?)

[能力](?)

[アイテム](?)


この5つが表示されている 。項目横の?はヘルプである。

それによると、


名前は、そのまま名前を入力。今と変えてもOK。


地位は、王族、貴族、平民などの階級を選択。


場所は、スタート時に何処から始めるか。


容姿は、髪や目の色、スタイル、性別、年齢など。他にブサメン、フツメン、イケメンの選択がある。この選択によって皆が同じ顔のイケメンになることはない。その人の顔をベースにイケメンにするから安心だ。


能力は、まさにステータスといったもので、体力、魔力 などがあり、それらに決められたポイントを割り振る。ポイントは100ポイントである。自動割り振り機能があり、〔極振り〕〔均等〕〔世界平均〕の3つから選べる。〔極振り〕を選択すると、『本当に? yes / no』というメッセージが表示される。そこでyesを押すと、『後悔しない? yes / no』が、ここでもyesを押すとどの能力を極振りにするかを求められる。〔均等〕は100ポイントを1能力20ずつに割り振る。〔世界平均〕は修二たちがこれから行く世界にいる人の平均に割り振る。


アイテムは、武器1種、回復薬など10種を選べる。なお、お金は全員10万IL(イル)で統一されている。


修二、悟史が真剣な表情でウィンドウに向かっている。

それを神が楽しそうに見ている。何が楽しいのかはわからない。

そんな光景が長々と続く。


時間がかかりそうなので、ここで一旦修二たち2人以外の試験の様子を見てみよう。


まず、森人族を選んだ瞳。

彼女の試験は、力を得ることのできる実がなった木を3つ選ぶこと。

ただ選ぶのではない。試験内容が説明された後、瞳は自然の声のようなものを聞くことが出来るようになっている。ただし、完璧には聞こえない。

そんな中で、自分に合った力を見つけ、その実を食べる。ちなみに味は主にフルーツ。

そして選んだ力が全て、最も自分に合った力だった場合、ボーナスが貰える。ボーナスの内容は全種族同じである。


次に土人族を選んだ賢二。

なんでもいいから得意な物を作れ。これが試験内容。

そこで彼は、迷うことなく瞬時に1本の包丁を作り上げた。

これを神が採点をする。採点基準は、切れ味、デザインはもちろん、それに込められた想いまで入る。

100点満点で、その採点された点数を使って力を選ぶ。そのため力が3つ以上の場合もある。

見事100点を取るとボーナスが貰える。


最後の、獣人族を選んだ香奈。

試験内容は鬼ごっこ。鬼はリアルな鬼である。顔がもう、反射的に豆投げたくなるくらい怖い。

その鬼から何秒逃げられたかを計る。1秒に付き1ポイントと考え、それを使って力を取得。小数点以下は切り捨て。

5分間逃げ切ったらボーナス。鬼は段々と速くなり、最終的には音速に届く。


この3人の中にボーナス獲得者はいなかった。

つまり、ボーナスを得たのは修二1人だけということだ。


視点を修二たちに戻そう。


修二と悟史の2人は、どうやら全て決め終えたようだ。


 修二

名前 シュージ・カンナミ

地位 平民

場所 森

容姿 性別…男

   年齢…13歳 (成人は15歳)

   髪…白銀に少し青が入ったような色。全体的に少し長め。

   目…濃い藍色。

   肌…白っぽく

   スタイル…やせ形(細マッチョ)

   勿論、イケメンを選択。

能力 体力…20

   魔力…30

   筋力…10

   俊敏…20

   知力…20

   (世界平均よりも魔力と知力が高く、体力と筋力が低い)

アイテム 武器…杖刀(杖のなかに仕込み刀)

     その他…回復薬 ×10 (10個で1セット)

         魔力薬 ×10

         神薬 (死者復活)

         秘薬 (体力、魔力回復)

         ナイフ (剥ぎ取り用。なぜかアイテム2個分)

         雑書 (さまざまなジャンルが書かれた書物)

         錬金道具

         地図

         アイテムポーチ (50種各50個までならなんでも入る)



 悟史

名前 サトシ・タナカ

地位 平民

場所 町の近く

容姿 性別…男

   年齢…15歳(現在と同じ)

   髪、目…黒

   肌…変わらず

   スタイル…少し背を伸ばして175㎝

   イケメン選択

能力 体力…20

   魔力…25

   筋力…15

   俊敏…10

   知力…30

   (知力がだんとつ…)

アイテム 武器…刀

     その他…回復薬 ×20

         魔力薬 ×20

         携帯食料 ×10

         水筒 (水入り)

         秘薬

         地図

         ナイフ(普通)

         アイテムポーチ



「よし、2人とも決め終わったね。

 …ふむふむ、…それぞれよく考えてあるね。

 あ、それとこれ、…はい修二くん」


2人のステータスを端から端まで見る。

見終えた後、神は懐から腕時計のようなものを取り出し、修二に渡す。


「?…なんだこれは?時計?」

「ボーナス特典の家だよ」

「家!?…これが?」


掌の上にある腕時計を見ながら驚く修二。

神と修二の会話を聞いていた悟史も驚きながらその腕時計に目をやる。


「簡単に持ち運べるようにということだったから、初めはブレスレット型だったんだけど、せっかくだから腕時計にしてみたよ。腕時計モードの時は普通の時計、ストップウォッチ、タイマーの3パターンあるから結構便利だよ。

 家を建てたいときは"家作成"って念じれば、建てたい場所に合わせて家を作ってくれるよ。

 そのほかの便利機能は向うに行ってから確かめてくれたまえ」


胸を張り、自慢げに説明をしていく神。

修二はあまりのスペックのすごさに少々呆れながらも、左腕にそれを付けた。


「大きさもちょうどいいみたいだね。

 …さて、やるべき事は全てやった。いよいよ転生だよ」

「そうだな、…なんか始まる前から疲れたが」

「あははは…」


修二の疲れから出たため息を笑ってごまかした神が表情を変えて話し出す。


「…君たちには関係のないことかもしれないのに、…手伝ってくれてありがとう」

「……いや、気にするな。むしろこっちの方がありがとうだ。2度目の人生、しかもチート付。

 こんな条件で恨む方が間違ってる」


修二の隣で悟史が「うんうん」と頷いている。

それを聞いた神は嬉しそうに笑う。


「君たちを選んで良かったよ。

 来世で君たちに幸多からんことを願っているよ」


修二と悟史の体を光が包む。神の加護によるものだ。

それと同時に、この空間が白く染まる。


「行ってらっしゃい」


神が言う。


「ああ、行ってくる」

「行ってきます!」


修二と悟史が返すと、その姿は白い光につぶされ、やがて消えた。

この時、異世界【アザルド】に5人の転生者たちが降り立った。



悟史を含む修二以外の4人は今後出番があるか怪しいです。

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